紙の本
疑心暗鬼が怖い
2018/12/14 01:22
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投稿者:つきたまご - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリが、というよりも、人間の心の弱さや疑心暗鬼になった際の空気がリアルに描かれていて、心に残る作品です。さすがクリスティー、という感じです。
とはいえ、ミステリとしても楽しめました。ツッコミどころがあったり、好き嫌いがでる方向性だったのは認めますが。(あとがきの解説の方も、盛大にツッコミを入れてましたし。)
アガサ・クリスティー作品は、ポアロものは「犯人探し」が楽しいですが、ミス・マープルやノン・シリーズは、こういう「人間の心の動きを描いた」系作品が、個人的には好きです。
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不完全?
2021/12/31 02:11
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投稿者:docuciaA - この投稿者のレビュー一覧を見る
ポアロシリーズは全作品読んでいますがほかは未読のものがまだ残っていたクリスティー。
タイトルが印象的でずっと気になっていた一冊です。
未完成とか完成度が低いとか言われているようですが、そんなふうには感じませんでした。
心理描写も読ませるしとても面白かったです。
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質の悪い「善意」
2019/09/17 19:45
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
殺された資産家、レイチェルは「鏡は横にひび割れて」のヘザーや「春にして君を離れ」のジョーンに似ているようです。善意に満ち溢れているのに、相手の立場で物を考えることが出来ない。押しつけでしかない、暴力的な善意。
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アガサクリスティー。愛すべき未完全作。らしい。ちょっとおしい!っていう作品。でも、これは推理小説というよりも、心理小説。ということで、まぁ、良いとしよう。犯人の動機とか、ちょっといやだけど。もうちょっと犯人にびっくりさ加減がほしかった。まぁ、推理小説=エンターティメントな私にとってはOK
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獄中死した家族の無実を証明する人物がやって来たことから、一家の鎮まっていた生活が掻き乱される。では誰が真犯人なのか…。
終始根底に静かな憎しみが潜んでいるような感じを受けた作品。単なる謎解きではないけれど、真実を探りながら人間の深い心理が浮き彫りにされている。
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クリスティお得意の心理ドラマ。
南極探査から戻ってきた男が絶対有罪だと思われて死刑となった男は無罪だと男の家族へ報告しにいく。
犯罪者だと思われていた男が無罪だったなら、本当の犯人は家族の身内にいる、とどんどん疑心暗鬼に陥っていく。
そうして、人間関係は崩れ、新たな殺人がおき始める・・・。
ティナとフィリップが好きだ〜。
何がすごいって、動機のみが焦点で最初から証拠(心因的な)が提示されているのに気づかない(お馬鹿)。
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慈善家の老婦人が殺され、評判の悪い養子のジャッコが逮捕された。彼はアリバイを主張したものの有罪となり、獄中で死んだ。それから二年後、外国から帰ってきた男が、ジャッコの冤罪を告げに遺族の住む屋敷を訪れた。が、その来訪は遺族にとって迷惑だった。落着したはずの事件が蒸し返されることになったのだ。
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あー!また犯人はずれたー!
でもあのひととこのひとが結ばれるのは早い段階でわかった!クリスティはこういうのすきだよね(^^*)
無実であることの証明は難しい。これにつきる。
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慈善家の夫人が殺され、その養子ジャッコが逮捕され獄中死した事件。その二年後、とっくに終わったはずの事件に光明をもたらすかのように思える、ジャッコの無実を証言する者の訪問。しかしそれは誰にも喜ばれるものではなく、新たな波紋を生み出すことになる。いったい犯人は誰だったのか。家族間に疑心暗鬼が渦巻くミステリ。
冤罪が晴らされることは場合によっては望ましいのだけれど。その代わりに真犯人がまた家族内にいるのでは、という疑念。そしてうまく罪を逃れたように思えた真犯人にとっては戦々恐々の心地だろうし。そりゃあ波紋を投げかけるに決まっていますが。無条件に喜んでもらえると思っていたキャルガリ、軽率です(笑)。しかしまさかこの家族の複雑さは思ってもみなかったでしょうが。
それぞれの思惑が捩れて絡まり、もう誰が犯人であってもおかしくない状況。ただ、最後の方になると犯人が誰かというのはとても分かりやすかったのです。でも過去の事件の真相は意外といえば意外。
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なんてこったー!から落ち着くべき所へ落ち着く手腕が相変わらずすごい。
殺されたお母さんが「死との約束」のお母さんとかぶる。
ぱっと見は違うんだけどねぇ。怖さの質がそっち方面。
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母親を殺したのでは末の養子ではなかった。
では、夫、秘書、使用人、養子養女たち、のうち、
だれが殺したのか?
という、ショッキングな状況のわりに、
淡々と進む印象を受けました。
三人称視点で書かれていますが、
人物の心情描写が薄いからでしょうか。
でも、人物の心情描写を詳しく書くと、
誰が犯人かがすぐ分かってしまいますね(笑)
なお、実行犯はトリックのためだけに創造されたということを、
あからさまに感じさせるのがクリスティの怖いところ。
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アガサクリスティー本人がベスト10に選んでる作品らしいけど、私の好みではなかったです。
ま、推理小説として読まなければ良かったのかも…
いつも読みながら推理はしないんですが、これは珍しく犯人途中で解かっちゃったし。
でも登場人物のキャラも魅力的だったし、ジャッコの無罪が明らかになり「では誰が犯人なのか」と動揺する家族の心理描写はさすが。
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久々に再読。途中まで読んだら犯人と動機を思い出した。
資産家の義母を殺害したとして逮捕されたジャッコは、無実を主張したがかなわず獄中で死亡した。その後、ジャッコのアリバイを証明する人物が現れたことで事件は振り出しに。彼が犯人でなければ誰なのか‥
ジャッコの冤罪が証明されたことで家族が疑心暗鬼になっていく描写がうまいのはさすがクリステイ。ノンシリーズでミステリというより登場人物の心情が読みどころだが、個人的にはこういうのも好き。
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あまり楽しめなかった。ミステリーは人間ドラマを楽しむタイプだが、キャラクター描写が一面的すぎるし、往々にして偏見や差別(時代背景があるとはいえ)が隠せない視線を感じる。ミステリーの種明かしにも小気味良さはない。
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ある人物が、無罪であるということは、
別の人物が、有罪である可能性があるかもしれないということだ。
ある人物が、無罪であるということは、
よい知らせだと思い込んでいることがある。
利害関係者にとっては、利は害と背中合わせである。
利があるところには、かならず害もあるのだということが、本書から理解できた。
世の中は、うまくいかないものだ。
ps.
解説には、本書がある意味で失敗作だと書かれている。
小説としては、いろいろな複線が有効に働いているので、成功作だと思う。