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終りなき夜に生れつく
誰が言い出したのか、その土地は呪われた〈ジプシーが丘〉と呼ばれていた。だが、僕は魅了された。なんとしてでもここに住みたい。そしてその場所で、僕はひとりの女性と出会った。彼...
終りなき夜に生れつく
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終りなき夜に生れつく (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫)
商品説明
誰が言い出したのか、その土地は呪われた〈ジプシーが丘〉と呼ばれていた。だが、僕は魅了された。なんとしてでもここに住みたい。そしてその場所で、僕はひとりの女性と出会った。彼女と僕は恋に落ち、やがて……クリスティーが自らのベストにも選出した自信作。サスペンスとロマンスに満ちた傑作。
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クリスティの集大成
2020/08/30 12:12
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
特にクリスティ作品をあまり読んだことがない人に、まず、読む事を強くお薦めしたい。
クリスティは作品の数が多く、それぞれの中で多彩なトリック、モチーフによる試みをしていますが、「結局の所、この人に一番マッチしている(目指す所)はこの路線なんだな」と思える、集大成的作品だからです。
読書中の、「この先何が起きるの?」という、一気読みしたくなる楽しさ。
簡潔かつ生き生きとした人物描写。
読後の、なんとも言えない重苦しいじんわりした気分。
そして、全編に貫かれている、幸福と表裏一体にある不安感。
背景や小道具はクリスティ時代のものですが、今読んでも、十分面白い。
本を閉じた後、もう一度じっくりと読み返したくなる…そんな本です。
(以下、ネタバレを若干含むので注意)
逆に、ポワロやマープル物等の人気シリーズをある程度読み尽くし、「次は別名義で発行された他の本も見てみようかな」…という人は、もしかしたら、「どこかで見たような」というデジャブ感に襲われ、先が読めてしまうかもしれません。
ただ、例え、推理物としてのトリック的な驚きがなかったとしても、この作品はクリスティの傑作だと思います。
特に猟奇的な描写等はないのに、じんわりと怖いです。
読みようによっては、行間が、非常にダークです。
紙の本
引き返せたかもしれない瞬間
2021/10/11 20:17
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
途中で、と言ってもだいぶ後半ですがあれに似てると思い犯人は分かりました。ただ殺されるお金持ちの女性の印象はけっこう違い、こちらは可愛らしく、おそらく疑念を抱かないまま殺されたのだろうなと思います。引き返せたかもしれない瞬間、別の道を選べたかもしれない瞬間の描写が美しく心に残りました。
紙の本
ここにはクリスティーのすべてがある
2023/03/28 17:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アガサ・クリスティーの作品世界は、大きく6つに分類される。
まずはなんといっても、エルキュール・ポアロの長編小説群、次にミス・マープル長編小説群、それとトミー&タペンス長編小説群、それから短編集と戯曲群、そしてノンシリーズ長編小説群である。
どうしても、ポアロとミス・マープルに目がいくし、それはそれでアガサの読書体験としては正しいが、できれば他のジャンルにまで手を伸ばせば、アガサの世界がさらに豊かになる。
この『終りなき夜に生れつく』はノンシリーズ長編小説のひとつ。
原題が「Endless Night」で1967年に刊行された作品。
ミステリだが、作品が醸し出す雰囲気は幻想的でもある。
ミステリ評論家の霜月蒼さんは、この作品を評して、「ここにはクリスティーのすべてがある」とまで絶賛している。
確かにとてもよく出来ている。
ポアロもミス・マープルも出てこないし、文庫本330ページほどの作品で殺人事件が起こるのは240ページを過ぎたあたり。
それまでは「ジプシーが丘」という曰くつきの土地に固執する青年(この物語は彼の一人称で描かれている)と美人で大富豪の女性との出会いや、彼女を取り巻く胡散臭い親戚の姿などが描かれていく。
殺されるのは、この大富豪の女性。
そこから犯人の正体まで一気に読ませてしまうのは、さすがアガサならでは。
事件が起こるまでが随分長いし、雰囲気が決して明るくないから、投げ出してしまう読者もいるかもしれないが、それはなんとも勿体ない。
もしかしたら、アガサ・クリスティーのベストかもしれない作品は、完読してこそ味わえる。
紙の本
1人称視点で語られる小説の盲点をついた作品
2016/12/10 10:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コスモス - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半はロマンスに満ちていますが、物語が進むにつれてサスペンス小説の色合いが強くなってきます。
物語終盤で語られる真相には驚かされました。
1人称視点で語られる小説の盲点をついた作品であり、
主人公を含めた様々な登場人物の言動に伏線が張り巡らされています。
読み終わった後には、もう一度読み返したくなると思います。