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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
トップアスリートを置き去りにして、音速にまで到達する成雄の疾走感に身を委ねたくなります。ひとりの少年の成長譚としても共感できました。
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全七編の短編で構成されるお話。
全篇を通して主人公は成雄という少年であり、登場人物も変わらない。
しかし、パラレルワールド的な作りになっており、それぞれの話で主人公・成雄の立ち位置や他の人物との関係性はがらりとかわってくる。
どのお話でも、成雄は一貫して「速さ」を求めて行動する。
走って走って走って。遂には音速に到達する。
そうして手に入れた速さで成雄は何を得たのか。
終始荒唐無稽な世界観が展開されており、なんだこりゃと思う間もなく、主人公は次の行動に移っている。
それはそれで面白いんだけど、七編にわけるんじゃなくて、やっぱり長編で読みたいなと思った。
章が変わるたびに主人公の立場が変わるため、成長がわかりづらくなって全体の濃度が薄くなってしまっている。何よりテンポが悪くなっている。
全篇通して主題のブレはないけれど、伝わりにくいと感じた。
同じ舞城作品の成雄シリーズの「山ん中の獅見朋成雄」、「獣の樹」と比べる、とちょっと物足りないなあ。
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速さを追い求めるというよりも、速いがゆえに孤独な主人公。強烈な才能は人を孤独にさせる。タイトル通りの疾走感。マイジョウの斜め上らへんに突き抜けた文章が苦手でなければすぐ読めてしまう。然しながらスピードを追い求めるならもっと荒ぶっても良かったのではと思う。「阿修羅ガール」を既読ならそう感じるところもあるだろう。
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『速く走ることに大事なのは筋肉でも技術でもない。血だ。血こそが全ての源泉なのだ。』
『人の意識は自分の身体にブレーキをかけるのだ。無理だと思えば無理になる。できると思えばできるようになる。』
『人間の気持ちはすぐに満足するし、すぐに限界を感じる。もうこれでいい、もう無理だ、と思いやすき生き物なのだ。』
『あれが僕の本当の限界だろうか? よせよせ。そうなふうに考えることが限界を生むんだ。何度も言ってるだろう。信じるんだ。限界はない。』
『目覚まし以外の何かに起こされた朝は嫌な一日の始まりだ。』
『まあどうせ勝てると思ってたら勝てるし、負けてもいいかもと思うなら負けるかもしれないだけの話だ。足の能力の話じゃない。意志の強さや方向性の問題だ。』
『…謝っても済まないことがあるんですからね?』
『知ってるよ。でも謝らないといけないだろ? 何はともあれ』
『僕は自分の未知の部分を開発していく。未知の部分がまだまだあるのだ。』
『もう自分のやってることが何だか判らないが、それでいいんだ。自分に理解できてる範囲で何かをやってる間は、その範囲が自分の限界だ。』
『それはもう仕方がないと決めたのだ。いい悪いの問題じゃない。仕方がないのだ。』
『見なくてはいけないのは前だ。目標だ。これから自分のしたいことだ。』
『孤独だからいいんだ。孤独だからこそ速くなれる。孤独だからこそ遠くまで行ける。』
『やってやる。やれるところを見せてやる。やろうと思ってできないことはないって正面してやる。楠夏は何にもできないと思ってる。でも本当は、何にもできないと思ってるからこそ何もできないんだ。』
『僕のことが好きなんだろう?』
『何でそう思うの?』
『いや、ただそうだったらいいなってだけ』
『ちょっと何かを言ってみるなんて、他人相手だからこそだ。試しにぽんと言ってみて、様子を見たいんだ。判らないから。』
『何かを決めたかったら好きな子に相談するのが一番いい。』
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個人的に舞城王太郎はとっつきにくいような内容を書く方だと思っていました。
今回この作品が初読みなのですが、結構満足しています。
異常に足が速い少年。
これを基本設定として各章で彼の心の変化を知っていける。
映像化すれば結構おもしろいと思います。
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講談社BOXとか言う、よく分からんボッタクリラノベレーベルから出ていた作品だったので未読だったが、文庫化されたのを機に購入。
相変わらず舞城作品にハズレは無い。
成雄サーガの一つに数えられる短編集で、彼を取り巻く人物が全7篇に共通して出てくるが、それぞれがパラレルワールド的な世界観になっているので、成雄と彼らの関係性もその都度違っている。
「どこまでも早く走れる少年」をモチーフに、今作も他の成雄サーガ同様フラットな価値観で善悪の判断に鈍い成雄が、他者との交流を通して精神面が徐々に成長していく物語。
自分を信じ続ける事で限界を超えていく成雄の凄まじさと、一方で自らを頂点と思っている為中々他人の意見に耳を貸そうとしない彼が、次第に世界との理解を深めていく過程が丁寧に書かれている。また一貫した世界観でない為、様々なシチュエーションの中でそれぞれの成雄が新しい価値観を会得していく様が面白い。
一気読み必死。
ある時は自衛隊に特別に雇われていたり、またある時は家族との関係に悩みを抱く(と言っても本人にその自覚は薄いのだが)中学生だったり、またある時は白い玉(?)に取り込まれた女の子を救う為に文字通り全力疾走したりと、相変わらずハチャメチャな舞城ワールド全開だが、「愛」を根底のテーマに置いたぶれない姿勢で、圧倒的な筆圧で語り切ってくれる。
分かりやすいゆえに読んでるこちらもスッキリするし、元気になれる。本を読むと言う行為は少なからず体力を消耗する作業なので、この感覚は珍しい。寧ろ舞城作品でしか味わっていないかもしれない…
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私はあまり本を読むわけではありませんが、
舞城王太郎ほど感覚の言語化が鮮やかな作家を知りません。
世界は壁だらけでぐにゃぐにゃしていて、
それを越えるために他の作家が言葉や世界をこねくり回してあっちゃこっちゃぐるぐるしている間に舞城王太郎はジェットエンジンを持って飛んでいってしまう。
でも操作がうまくないからよく墜落している。
この作品は、まさに舞城王太郎といったもので、
とにかくストイックに、走るスピードを追求しつづけている。
しかしなぜかこの社会においては、足の速さと走るスピードは比例しない。それは周りの念が邪魔をするから。
とにかく常識だとかルールなんていうものは、こと早く走ることに対しては邪魔しかしない。周りに群れる大多数の凡庸の平均値だからね。
それに対する煩わしさの描写が実にすばらしい。
もしかすると舞城王太郎はものすごいスピードで走り続けて地球の接線方向に飛び出したまま宇宙の彼方へ飛び去るのではないだろうか。
(ミステリー作家ではないかという意見もあるだろうけど)
舞城王太郎はどちらかというと純文学作家というよりも詩人のように見える。
鮮やかに描いて、たどたどしく物語る。
あまりにも描写が鮮やかだっただけに、ラストのまずさが異常に際立ってしまう。
スピードを上げて上げて上げて、なんでその先に目的地があるのだろうか?否定したはずの異物の存在をなんで認めてしまうのか?
この、最後には必ず鮮やかな世界に取り残される消化不良感もいつもの舞城王太郎です。
それとも、このラストのちゃぶ台返しまで含めてすべてが一本筋の通った意図なのだろうか。
いずれにしても、世界がどう広がろうと私には絶対に手の届かないところに到達している作家であろうことは間違いありません。
そして、そう思わせてくれるのは舞城王太郎だけなのです。
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「成雄シリーズ」のひとつ。
うん。相変わらず意味が分かりません。
シリーズの中では「山ん中の獅見朋成雄」が一番好きです。
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成雄シリーズ。
これはちょっとひどいなぁ。
はちゃめちゃな話でも、もう少し丁寧に書いてほしい…。
独特な擬音もいやに目につく。
舞城好きだったけど、最近ちょっとついていけないなあ。
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「孤独だからいいんだ。孤独だからこそ速くなれる。孤独だからこそ遠くまで行けるーーー。」
相変わらず文章のスピード感が駿足で滑る滑る早い早い爽快感!クールワード!
『山ん中の獅見朋成雄』、『獣の樹』とループしてる。楡?楠夏?も成雄と一緒に登場していて個人的にニヤニヤしている。作品の前後関係バラバラだけど。
「僕が登場するまで皆が壁を破れなかったのは、それが無理だと思ってたからだ。壁を破ってみせたら、結構ついてくる人間も出てきた。人の意識は自分の身体にブレーキをかけるのだ。無理だと思えば無理になる。できると思えばできるようになる。
では他人の意識はどうだろう?他人の意識は自分の身体にブレーキをかけるだろうか?」
「自問にはっきりした答がでないのも当然だ。
それを訊いている自分にも答えようとしている自分にも、いろんな自分といろんな他人がそれぞれいるのだ。
答がこんがらがるのも仕方がない。
何かを決めたかったら好きな子に相談するのが一番いい」
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成雄シリーズなんですねこれ。
他の作品とか読まずにこれから入りました。
帯の通り、
早い、速い、全部が。
成雄=五歳児のイメージで読んでた。
小さい男の子が、周りが見えずにだだーっと走ってる感じ。
自分は怖いモノがないから、前しか見えてなくても、周りはモノが倒れたり、ヒトにぶつかってたりしてるんだよ、
だから、もうちょっと周りを観なよって感じかなあ。
もしくは、
一ファンの気持ちの悪い感想としては、
作者の事なんかなあと。
なんにしても、
今の自分が勇気づけられた一冊(そして、面白かった)
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何というか、この人の文体やら想像力やらを表現するのに、なかなか適切な言葉が見つからない。敢えて言うと、自分の脳内に流れている声にならない言語にかなり近い。こういう作家が出てきたというのは「すげえこと」なんだろうなと思ってみる。
石原慎太郎はこの人のことをクソミソに貶したらしいが、60年前に自分がどんなことを書いてたのか、顧みることが出来ないところはさすが老害。逆に言えば、この糞爺に貶されるというのは文学者として最大の賛辞といえるのではないか?
立て続けに読むのは辛いが、間をおいてまた別の作品も読んでみたい、そう思う。
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なんだかよく分からないまま読了。成雄は一人だけじゃなくて増えてくってこと?名字があるないの意味は?再読しないとだなぁ…走ってるときの疾走感が気持ちよかったです。あと台詞も好み。楠夏が素敵。
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着想の奇抜さ、意想外の展開に一気に引きずり込まれる。常人には到底図り知ることができない非日常世界。異なる7つの短編は脈絡なく重なる。微妙な重なりが心地よい錯誤と混乱を生じせしめ不思議なファンタジーをより幻想的なものにする。さしたる根拠もなく限界を作る愚かしさ、限界を作るのも自分なら、それを突き抜けるのも自分。多くのメッセージがこめられており考察を深めることができた。
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薄っぺらくてとっつきやすそうな題材の割に、構成が難解だったなあ。。音速を超えちゃうような俊足のナルオくんの、あらゆる仮定の集積?みたいな。
ひしひしと孤独なナルオくんがようやく救われるエンドは、後腐れなくさっぱりしてはいるけど、なんだか違和感。
舞城王太郎の作品の中では、いまひとつかも…と思ったけれど、もっともっと読み込んでナルオくんの境地に近寄りたいな~と思わせるあたり、やっぱり舞城王太郎すごい。
ヒュパパパパッ!