言語世界地図(新潮新書)
著者 町田健 (著)
世界に存在する言語数は七千にも及ぶ。単純に計算すると、一つの国で何と三十以上もの言語が使われていることになる。その中から四十六の主な言語を取り上げ、成り立ち、使われている...
言語世界地図(新潮新書)
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
世界に存在する言語数は七千にも及ぶ。単純に計算すると、一つの国で何と三十以上もの言語が使われていることになる。その中から四十六の主な言語を取り上げ、成り立ち、使われている地域、話者数、独自の民族文化を徹底ガイド。言葉を使うとは、単に他者に意味を伝達するだけではない、社会的なアイデンティティーを表すことでもある。言葉の奥深さ、多様さ、面白さ、そして社会情勢にかかわる背景などを紹介する。
著者紹介
町田健 (著)
- 略歴
- 1957年福岡県生まれ。言語学者。名古屋大学教授。フジテレビのクイズ番組「タモリのジャポニカロゴス」に解説者としてレギュラー出演。著書に「町田健のたのしい言語学」など。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
言語による世界一周の旅が味わえる
2008/07/06 20:56
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
言語学をより身近なものに感じさせてくれる一連の読み物を著してきた名古屋大学教授の最新作です。地球上に存在する言語数は7000とも言われる中で、そのうちの46言語を選んでそれぞれ4ページ程度に解説を付した一冊です。
各言語の文法や語彙の特徴はもちろんのこと、その言語が話される地域や国家の最近の政治経済状況についても一言触れるなど、言語解説本というよりはこの本で世界一周をしたような気分になれる、ガイドブックのようなものです。私は大いに楽しみました。
いくつか私の誤認を正してもくれました。
Hungaryという名称を私は東方からヨーロッパへ侵入しきた「フン族」に関係するものだと思い込んでいましたが、本書によればその国名は、5~6世紀にかけて中央アジアでマジャール人とトルコ系の「オノグル族」が共存していたため、周辺諸国が両者を混同して同一民族とみなし、「オノグル族の国(Ungaria)」と呼んだことに由来するものだということです。
またフィリピンで話されている公用語の「ピリピノ語」はタガログ語の別称だと勘違いしていましたが、そもそも「ピリピノ語」は1959年に人工的な国語として制定されたものであり、タガログ語にフィリピンで話されている他の言語の要素をいくらか加味したものだというのが実態で、両者は同一のものではないというのです。
さらには、台湾語を「びん南語」と呼ぶことは知っていましたが、そもそも「びん南語」が福建省で使用される言語であり、17世紀に同省から台湾島に開拓の名目で人々がつれてこられたことによって言語地図が今日の形になったということを初めて知りました。
知らなかった、あるいは認識不足だった事実が次から次へと出てくる本書に大変勉強させられました。
―「言語の世界地図」そして「言語世界の地図」でもある―
2008/08/20 17:17
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:レム - この投稿者のレビュー一覧を見る
この「言語世界地図」は、新潮社の月刊誌「フォーサイト」につい最近まで続いた連載を新書にまとめたものだ。 何よりも感心するのは、各々の言語について、その言語学的な考察はもとより、それを使用している国家の情勢や文化、逸話に至るまで、限られた紙面の中で実に様々な内容を簡明にまとめ上げている点だ。 私は著者の講演を聞いたことがあるが、なかなかに楽しい人であった。
ところで、言語は非常に不思議な媒体だと思う。 例えばロシア語、フランス語というようにある国名を冠した何々語という表現は用いるが、言語があるひとつの国を規定するわけではないし、ともすれば英語や中国語、スペイン語のように世界中で広く使われていて、言わば国境のない言語もある。 とは言うものの、軍事占領下における言語の押し付けが相手のナショナリズム抑圧になったりもする。 言語ほどコミュニケーションの他に、歴史、政治、民族性にまで広くかつ深く関与しているものはないのではないだろうか。
こうしてみると、言語は「媒体」や「記号体系」の一種と規定することはできず、それ自体が「言語」というひとつの領域を作っていると理解した方が良さそうだ。
ところで、世界にいくつの言語があるかは実際には正確に分からないらしい。 それどころか、日本語はアルタイ語族といわれているが、その起源や成り立ちも実は不明だらけなのだ。 知れば知るほど不思議な言語の中から、著者は46種類の言語について46通りの考察を展開していく・・・。
本書は、言語の個別の特殊性について書かれた「言語の世界地図」であると同時に、言語という宇宙が地球上に分布していることについて書かれた「言語世界の地図」でもある。
この本は、タイトル通り主要46言語
2008/08/19 14:13
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は、タイトル通り主要46言語についてその言語の成立背景や文化、周囲の言語との関係などを解説した本です。
言語というと話し言葉ばかりに注意がいくものですが、書き言葉にもそれぞれ特徴があるということを知りました。書き言葉は、ローマ字やキリル文字、漢字、アラビア文字など文字と言語が必ずしも完全に一致するわけではないという事実はちょっと驚き。
また、ブリテン島の一地方の英語が世界言語になった理由など”へー”というちっよとした雑学博士気分に浸れるための書籍です。
それぞれのパートの分量が少ないので、空いた時間に細切れに読んでも完読できる本です。(ちなみに私は、2か月かかりました)
http://blog.livedoor.jp/c12484000/
「地図」 だけの本 !?
2009/07/26 00:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界中で現在つかわれている言語をカバーしようとしている.新書のページ数でそれをやろうとすれば,個々の言語に関しては最低限の記述にならざるをえない.それでたしかに「地図」をえがくことに成功してはいるが,地図以上ではない.エピソード的な話もいろいろ書かれているが,つっこみが浅いので,あまりつよく興味をひく記述はなかった.