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電子書籍
さよならの次にくる〈卒業式編〉
著者 似鳥鶏 (著)
「東雅彦は嘘つきで女たらしです。東雅彦は2月1日、こんなことをしていました」愛心学園吹奏楽部の部室に貼られた怪文書。こんなものを貼ったのは誰だと騒ぐ部員たちが特定の人物を...
さよならの次にくる〈卒業式編〉
さよならの次にくる 卒業式編 (創元推理文庫)
商品説明
「東雅彦は嘘つきで女たらしです。東雅彦は2月1日、こんなことをしていました」愛心学園吹奏楽部の部室に貼られた怪文書。こんなものを貼ったのは誰だと騒ぐ部員たちが特定の人物を犯人扱いしそうになったとき、オーボエ主席奏者の渡会千尋が「私がやりました」と名乗り出る。渡会千尋。僕の初恋の人だ――。初恋の人の無実を証明すべく、葉山君が懸命に犯人探しに取り組む「中村コンプレックス」ほか、葉山君の小学生時代のエピソード「あの日の蜘蛛男」、探偵役を務める伊神先輩の卒業式の日の出来事を描く「卒業したらもういない」など、〈卒業式編〉は4編を収録。デビュー作『理由あって冬に出る』に続く、ライトでコミカルな学園ミステリ第2弾、前編。
目次
- 第一話 あの日の蜘蛛男
- 断章1
- 第二話 中村コンプレックス
- 断章2
- 第三話 猫に与えるべからず
- 断章3
- 第四話 卒業したらもういない
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紙の本
学園の名探偵、学び舎を去る(最終回じゃないよ)
2020/10/03 16:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
コミカルなキャラクターが楽しい学園ミステリのシリーズ二作目。
今回、葉山君と名探偵・伊神さんが出会うのは、
閉じ込められた屋上から、小学生だった葉山君はいかに脱出したか?「あの日の蜘蛛男」
吹奏楽部の部室に中傷の手紙を貼った犯人を捜す「中村コンプレックス」
公園の野良猫の死にまつわる「猫に与えるべからず」
電話もつながらない、住所は空き家、そして密室から煙のごとく掻き消える……卒業式の終了と共に姿を消した伊神さんを追う「卒業したらもういない」の四編(プラス意味ありげな断章)。
ワトソン役を務める主人公と、名探偵の先輩というコンビは、学園ミステリに前例がいくつかありますが、本作のユニークなところはシリーズ完結巻でもないのに、名探偵・伊神さんが卒業してしまうところ。
伊神さんのいない新学期、葉山君が遭遇する新たな事件。
果たして葉山君は、どうするのか? そして本作で語り残された謎や、断章の意味するものは? 後編にあたる『新学期編』をさあ早くお手に取りください。
電子書籍
高校青春ミステリー 第2弾
2018/05/31 18:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校青春ミステリーといえばいいのでしょうか。
伊橋先輩が卒業です。
主人公・葉山くんと柳瀬先輩のやりとりがたまらなく大好きです。
紙の本
読み直し中、2作目。
2022/11/06 21:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:氷狼 - この投稿者のレビュー一覧を見る
市立高校シリーズ第二弾。
カバー絵新バージョンを改めて入手し、再読中。
この巻は葉山くんの初恋の話や伊神さんの卒業に関する話など。
途中の断章、意味が通らないものも。
新学期編に続いているので、そっちで明かされるんだったか。
うろ覚えなので、新たな気持ちで読めて良いか。
学校と言う懐かしい空間で繰り広げられる、いや普通はそんなこと起きないよな、と言う非現実の世界。
だからこそ、面白味があるのかも知れないなと。
紙の本
葉山くん、惜しい!
2020/01/16 14:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
推理、ほぼ完璧に進んでたなのに。
あと1ピース足りなかったかあ。
そこを突いてくる伊神先輩はさすがだね。
作家さんのお話はどう繋がってくるのかな。
紙の本
コミカルな学園ミステリ第二弾の全編。後編もあるので注意!
2011/07/27 11:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『理由あって冬に出る』の続編。基本的に、ハジメマシテの作家さんは、1冊目でどんなに合わなくても2冊は読むことにしているので、『理由あって冬に出る』と同時に本書を購入しておいた。
『理由あって冬に出る』があまりにも楽しかったので、続けざまに読んでみた。そして、その楽しさは後に後悔につながることになる…(笑)。
本書の時間設定は、『理由あって冬に出る』から数カ月たった秋から卒業式までの約半年である。
秋、葉山くんが属する美術部も、他の文化部も文化祭準備で忙しい。そして卒業式では探偵役の伊神さんが卒業してしまう。
そんなドタバタな日々に起こった日常の事件が短編形式で4篇収められている。そしてその間には「断章」が挟まれている。そしてこの「断章」がラストに収まるところに収まって、とても楽しいことになるのだけれど、本書だけではその構成の面白さはわからない。
だって・・・本書は第二弾の「前編」なんだもの。つまり、後編があるのだ。そして本書を読み終えた時点でわたしはまだその後編を買っていなかった…。もう、すんごい後悔したあるよ。続きが気になる!!でも続編がない!!!地元の本屋にも売ってない!!!あぁ…フラストレーションが溜まりました(笑)。今度からハジメマシテさんでも3冊読もう!!に個人的スローガンを変更しようかと半ば本気で考えたくらい…苦笑。
それくらい、楽しんだ。前作に比べて文章もすっきりとお上手になっている点も良かった。
本書を読もうと決めたら、後編も手元においておくことを推奨いたします!!
『さよならの次にくる<卒業式編>』収録作品
・あの日の蜘蛛男
断章1
・中村コンプレックス
断章2
・猫に与えるべからず
断章3
・卒業したらもういない
紙の本
テンポが良くて楽しい作品
2019/07/27 21:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
「理由あって冬に出る」の続編。
四話からなる連作短編集です。
前作を読んだのが丁度1年前で内容はほぼ忘れていましたが、
本作を読む上で支障はありませんでした。
全体を通した雰囲気が米澤穂信さんの「古典部」シリーズに似ていると私は思うのですが、
「古典部」がミステリでありながら思春期のほろ苦さを表現しているのに対して、
こちらの作品の方が謎解きに比重を置いているように感じます。
読みやすいですし、テンポ良くストーリーが進んでいくので楽しいのですが、
今作も一年後にはすっかり内容は忘れてしまっていそうです。
「さよならの次にくる 新学期編」が後編として書かれており、
そのほかにも調べると「市立高校」シリーズとしてあと4作品あるようです。
ただ、すぐに後編を手に入れて読みたいというほどに気にはなっていません。
紙の本
ライトノベル・ミステリ風味
2009/07/15 11:59
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Jr. - この投稿者のレビュー一覧を見る
創元推理文庫から出てはいるものの、ミステリとしては非常に薄味。謎の設定も謎解きも、やたらあっさりしていて非常に物足りない。ジャンル分けするとすればむしろライトノベルであり、ミステリはあくまで風味づけとしてパラパラとふりかけてある程度、と理解して読んだ方が間違いがないと思われる。鮎川賞出身だから、と、下手に本格を期待して読み始めると、失望を味わうことになるので要注意である。
ミステリのジャンルとしては、日常の謎になるのだろう、たぶん。殺人や誘拐などといった派手な事件が起こるわけではなく、扱われるのは日常生活の中で起こりうるささやかな謎。ただ、それがあまりにもささやかすぎる。北村薫・加納朋子・倉知淳・光原百合…と、このジャンルには名作・傑作があるわけだが、それらに比べると、これではあまりに小粒すぎるだろうという気がする。4つの短編が収録されているのだが、それぞれの事件にしてからが読者の興味を引き付けるには魅力に欠けるし、探偵が謎を解き明かすロジックにしてもまた同じことが言える。要するに演出の手際の問題だと思う。謎自体は平凡なものであっても別にかまわない。それをどのように読者に提示するかというのが作者の腕の見せどころであり、同じような題材であっても、作家によって面白くなる場合もあるし、逆に「どうしてこうなるのか」と思ってしまうほどにつまらなくなってしまうこともあるのは、小説をある程度読み慣れた人間であれば実体験として分かってもらえると思う。この作品でも、作者の工夫の仕方いかんによっては、充分魅力的に仕上げることが可能だったのではないかと思えるだけに、ちょっとこの出来は残念である。
ライトノベルとして見れば、出来は悪くないのではないかと思う。よくできている、とより積極的に言えないのは、どうも私にはラノベ云々に関しては評価する資格がないのではないかと思うからである。読んでいて、自分はこの作品の読者の範囲から外れているという感じがぬぐえなかった。私の年齢が十代、せめて二十代だったなら、また違った評価になっていただろうと思う。登場人物がほとんど高校生で、舞台となるのがその日常生活、といったような作品を素直に感じ取るのには、30代半ばという年齢はいささか不釣り合いのようだ。こういう年齢のギャップは最近とみに感じているところで(例えば漫画などでも、少年向け・少女向けの多くはもはや私にとっては食指の動かないものとなっている)、年はとりたくないものだと思う。高校生の恋愛遊戯などどうぞ勝手にやっていておくれ、と感じてしまったりするのである。若い人向けの小説すべてが理解不能ということではなく、例えば涼宮ハルヒシリーズや米澤穂信の諸作などは楽しめたりするのだから、感性が完全に鈍ってしまったわけではないと思うが、どうもこの作品に関しては居心地の悪さを否定できなかった。純文学の青春小説っぽい、と思ったりして、割と好意的な印象を抱いたりしたのだが、おそらく作者がターゲットと想定しているであろう学生諸君はどんなふうに感じるのだろう。
ともかくも中途半端、いまだ発展途上、というのがまあ全体的な感想だろうか。ラノベとしてもミステリとしても及第点にはもうちょっと届かない、という感じ。今後の成長に期待、といったところだが、さてこの作者は今後どのように伸びていけばいいのだろうか。余計なことと知りつつ考えてみると、次の3つのパターンが浮かんでくる。
(1) ミステリ部分は捨て去って、ラノベ作家に特化する
(2) ミステリ作家として精進する
(3) 思い切って純文学方面に進む
意外とどれを選んでもよさそうな気がする。割と才能豊かな人だと思うので。
(1)に関しては、これは間違いなく有効である。今作から判断する限り、ミステリとしてはあまり評価できない、むしろミステリ部分が邪魔になってるんじゃないかとすら思えたりするので、いっぺんミステリのことは頭から追い払って、純粋に明朗青春小説を書いてみても面白いと思う。けっこう面白いものが書けるんじゃないかな。
(2)、こっち方面も悪くない。青春小説としての骨格はしっかりしているので、ミステリとしての見せ方、伏線の張り方や話の展開の仕方なんかを工夫すれば、将来有望なのではないか。個人的には青春ミステリは大好きなので、頑張ってほしい。
(3)も、意外にいけるんじゃないか。私が今までに読んだ純文学の青春小説と似通ったような雰囲気を感じたもので。島田雅彦とか村上春樹とか。どういったテーマをどのように描いていくかという問題意識を明確に持つことがまず必要だろうが、ひょっとしたら次世代の村上春樹になれるかもしれない。
…といったようなことを、無責任に想像してみたりした。私個人としては、できればミステリ方面に進んでほしい。若い青春ミステリ作家というのは貴重である。現在のままでは正直勉強不足という感じが否めないが、まだデビュー間もないことではあるし、努力次第である。米澤穂信に伍する存在を目指して精進してほしい。
8月に出るらしい続巻を購入するかどうかは、現在検討中…。