ふたつめの月
著者 近藤史恵 (著)
契約社員からようやく本採用になった矢先、解雇をいいわたされた久里子。心から喜んでくれた両親の手前、出社するふりをしては日中ぶらぶらと暇をつぶす毎日を送っていた。ある日、偶...
ふたつめの月
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商品説明
契約社員からようやく本採用になった矢先、解雇をいいわたされた久里子。心から喜んでくれた両親の手前、出社するふりをしては日中ぶらぶらと暇をつぶす毎日を送っていた。ある日、偶然すれ違った元同僚の言葉に不審な点が──もしかして私、自分から辞めたことになってる? いくつかの事件に巻き込まれ、謎の老人や犬たちとの出会いによって成長していく久里子の様子が頼もしい、読後感あたたかなミステリー。『賢者はベンチで思索する』の続編。
著者紹介
近藤史恵 (著)
- 略歴
- 1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。93年「凍える島」で鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。「サクリファイス」で大藪春彦賞を受賞。
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「やさしいひとらよ たずねるな」
2010/07/14 20:00
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
ファミレスのアルバイトから、やっと就職できた久里子だったが、また首になってしまう。悶々とした日々を送る彼女と、彼女が遭遇するミステリー。
*たったひとつの後悔
*パレードがやってくる
*ふたつめの月
「たったひとつ後悔」はその首になったことの話。
うーん。それは久里子があまりにもお人よしだからと、いらいらとするのだけど…。
このお人よし具合と、ナイーブさと、優しさが、物語を形成していっているんだろうなと、思う。
久里子と同年代の読者は、痛みを共有し、その年代が過去になったものを、無知で、無意味に傷つきやすかったかつての自分の姿を思うのだろう。
立原道造の詩を思い出す。
「やさしひとらよ たずねるな」と。
だから、赤坂は姿を消したのかもしれない。
続編です。
2015/08/31 08:54
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Matthew - この投稿者のレビュー一覧を見る
他の方も書かれてますが、こちらの作品は「賢者はベンチで~」の続編です。前作より少し時間がたち、登場人物の環境もそれぞれ代わっています。ミステリーの内容としては1作目の方が軽く読める感じです。謎のおじいさんの正体が明るみに出てしまったのが少し残念ですが、相変わらずステキなおじいさんのキャラは現在です。
心と頭
2016/11/23 14:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nazu - この投稿者のレビュー一覧を見る
『賢者はベンチで思索する』の続編。前回、明るい未来を希望させるような形で終わったが、今回はいきなり主人公が苦境に立たされている状態で始まる。この作品でも犬の散歩で会う「老人」と話をすることで主人公が前進していくが、第2話で出てくる心と頭についての会話が印象に残った。