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■東大話法
1.自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する
2.自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する
3.都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事をする
4.都合のよいことがない場合には、関係のない話をしてお茶を濁す
5.どんなにいい加減でつじつまが合わないことでも自身満々で話す
6.自分の問題を隠すために、同様の問題を持つ人を、力いっぱい批判する
7.自分を傍観者と見なし、発言者を分類してレッテルを貼りし、実体化して属性を勝手に設定し、解説する
8.「誤解を恐れずに言えば」と言ってウソをつく
9.自分の議論を「公平」だと無根拠に断言する
10.「もし○○○であるとしたら、お詫びします」と言って、謝罪したフリで切り抜ける
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「立場」に縛られ、欺瞞を隠すために駆使した「東大話法」により、意識をすることなく暴走や犯罪に加担してしまう。このメカニズムについて解説した、安富先生の「東大話法」シリーズ。
「東大話法」に逆襲するための作戦が「家政婦のミタになる」というあたり、前作で東大を「ショッカー」、小出先生を「ショッカーを裏切り正義に目覚めた仮面ライダー」と表現した安富先生のウィットににやりとさせられる。
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「霞が関文学」という文学がある。その中身はというと、霞が関の官僚が都合の悪いことを、うまく薄めるあるいは、抹殺するために句読点や「~等」、「原則~」という言葉を駆使して自分たちの利権をガッチリ確保する利権文学だ。
その一方で、話す方はというと「東大話法」がある。その心は、「霞が関文学」同様、政官財の世界で、自分たちの都合の悪いことを左から右に流すために、耳に心地の良いことや「専門用語」を駆使して、もっともらしく聞こえるために「厚化粧」して、やり過ごすという人々を惑わすもの。
この本の著者は、まさに「東大話法」の一丁目一番地にある東大の先生というだけに説得力がある。著者によると日本人は「立場のある家畜」、そのために「立場社会を守る話法」として便利なために使うとある。「東大話法」には、研究中としているが20挙げられている。ルール1は、自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。これを見てふと浮かんだのが、あの軸がぶれている政党の代表だな。すっかりマインドコントロールされて、増税ソーセーと言われたかどうかわからないが、増税路線一直線になっている。
著者によると、「立場」を東大ではてってき的に叩き込むとある。論文の審査で、教授から「あなたの立場はどうなのか、立ち位置を確認しなさい」というようなことを言うとある。日本の最高峰と言われる大学、さらにそこから政財界に広がる東大話法。立場三原則なるものがあり、次のようなものを指すと指摘している。
1. 役を果たすためには、なんでもやらなくてはいけない
2. 立場を守るためには何をしてもいい
3. 人の立場を侵害してはいけない
福島第一原発の事故からの一連の出来事の中での原発ムラの住民の説明が、胡散臭さにあふれている理由がよく分かった。
選挙もあることだし、「東大話法」にふわふわとたぶらかされないように注意しようと思った。もうすでに「東大話法」が知らず知らずのうちに、そこら辺にあふれているかもしれない。何しろこっそりが得意だからなあ。
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僕だって、話をややこしくして、ケムにまいたうえで責任逃れしたい。
最近「東大話法」なる言葉をよく目にしたもので、多分良い意味ではないであろうけど、世の中とうまい事やっていくために役立つメソッドかもしれない、と下心を抱いて購入した。
「どこまでも欺瞞的で、どこまでも傍観者ぶったものの言い方」
逆にまとめると、保身のためには、何かを発言、発表する場合に、自分の考えを述べるのではなく、自分の立場で言うべきこと、言えること、都合の良い事だけを言うように気をつければ良い、ということになりそうだ。なお、本書では、20個の東大話法ルールを紹介しており、これはある意味、非常に実践的ともいえる。
本書では、そういった無責任な物言いが出てくる原因は「立場」を重視する日本社会の特徴にあるとしている。自分自身よりも「立場」が表に立つがゆえに、何か問題が生じた時、意識せずに無責任な態度をなってしまう。みんなそうだ。そういう社会に憤りを感じませんか、というわけだ。確かにそうだが、だからみんな「東大話法」はやめましょう、戦いましょうと言っても、なかなかうまくいかないように思う。
「東大話法」がはびこることについて、僕は、官僚制の弊害の一側面といった話であるように思うし、それだけ日本社会が複雑なシステムになってしまっている、ということであるようにも思う。組織が大きくなった場合、個人は、多かれ少なかれ、システムの一部としてふるまうことを求められるようになる。個々の構成員のタスクを標準化、マニュアル化して、組織を効率化するのは常套手段だ。大きなシステムにおいては、人は役割を与えられ、それを演じることになる。
結果、組織が有している大きな目的や成果と、構成員が有している役割としての目的や成果が離れて行ってしまう。そういう人に、どうなっているんだ?と聞いても、それは私の範疇ではありません、という応えが返ってくるのは、仕方が無いと言えば、仕方が無いような気がする。
大きな組織で働く人たちが多い時代だから、そんな組織人としての振る舞いが染みついた人たちが世の中にあふれているとしても、不思議ではない。そういう悪い奴らがいるから、僕たちは気をつけよう、ではなく、自分も含めてそういう風潮になってしまっている事ををどう考えるか、という風に受け止めた方が良さそうだと思った。
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「まるで個人など無いかのように組織の一員としてふるまう人々」
私はこれらを特別な、変わった人だなぁと思っていたのだが…………いやはやなるほど、立場論としてしまえば、非常に腑に落ちる。
個人ではなく組織の中に居れば、安全であるし、その組織を守る一員としての立場があるだろう。
しかしながら、立場論が通じるのは同じ文化を持つ人々の共通認識(正直なところ、共通幻想じゃないかしらと思うんだけど)がある間だけなのだ。
グローバル社会とか、文化の違う場所に行けば通用しない。
この本に書かれていることが確かであるならば、日本の国際化なんて誰もやる気が起きてないし、できることもないんだろうね。
いやはやしかし、立場(社会的に求められていること)の通り生きて、満足なの? ならもう個人の自由なんだけど。せめて……立場に甘えず、おぼれず、よりよき立場であらねばならないという意識は持ってもほしいな……持たねばな、と思う。
ほんとに不思議でならない。本人が自覚していないとしたら不幸だね。
語りおろしで読みやすいので、社会になんとなくなじめないと思ったら読んでみるのもオススメ。
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2013/10/16:読了
「立場」から、その立場を守るため、相手を押さえ込む屁理屈。
個人の創造性を根絶やしにする日本社会の「立場主義」
日経ビジネスDigital
URL : http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20121115/239482
2013/11/1:
この人の「東大話法」関連の本は、
『原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―』
がのほうが断然内容がある。
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うーん、いまいち。言わんとすることは分かるけど。
著者自身が東大話者なんじゃないか?と疑ってしまう。レッテル貼りが激しい。
結局、立場主義の弊害をあげつらう訳だが、立場に即した対応だとか、物言いをゼロにはできないし、するべきでもない。
となると、この本は極端な立場主義の人を探し出す方法を教えてくれるのかな?
実は、その人が何を言うかでなく、何をする人かを見てれば事足りるはず。2点。
スゴく深く考えてらっしゃるのは分かるけどね。好きじゃない。
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承知しました」という返答で共犯関係と決断責任の回避を成し遂げ、「そこまでやるとは思わなかった」「その件についてはお詫び申し上げます」という弁明で、自らの正当性を主張しつつ形式的に謝罪する欺瞞を成立させる――原発危機、企業不祥事などで頻発するこの「東大話法」を支えるのが、「立場至上主義」。「立場」はどのように日本人を呪縛してきたのか、そこからいかに逃れられるのかを、気鋭の「東大」社会学者が説く。
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東大話法という「立場主義」の欺瞞性を暴こうとする本書。
すべての論理の瑕疵を東大話法に結びつけて説明するので、読後感がくどい。
欺瞞的な論理展開を凶弾するというテーマは良かったが、あえて東大話法に結び付けずに一つ一つ丁寧に解きほぐして欲しかった。
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さらっと読めるなあ、と思ってたら、ライターが書き起こした本だった。語り部は、女性装で有名な安富教授。
自戒を込めて読み、それなりに楽しめたが、ところどころ結論ありきな論法もあったかもしれない。
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東大話法という術語を一般語彙にしたいものである。日本全国津々浦々にはびこる不誠実な言葉遣い。反知性主義という知への軽侮や敵対心は、「頭がいい」と思われている人々の威圧的で幻惑的な(何も伝えない)態度が引き起こした側面がある。嘘をついていることだけが、本能でわかるから。でも言い返せず、不信感が残る。東大は己が優先的地位を守るために、知性への信頼を自ら毀損している。実に愚かなことで、引き換えに「世界がバカになっていく」。東大話法の罪は重い。と憂いたくなる読みやすい本です、読みやすいから気軽におすすめ、Kindle で読めるよ(2019-12-02)
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日本人が日本語を話すのは当たり前と思うかもしれないが、実際はそうではない。日本語を話すといっても、語彙や表現、論理、非言語的なものを加えれば、それこそ、日本語を話すバリエーションは、
個人、個人かなり違う。
一般的に言って、沢山の語彙を知っていて、
論理的な表現方法を得意とし、難しい言葉を、
意図もなく使ってしまう人々をインテリと言う。
東大話法は、ある条件下で、自然と表現してしまう、インテリ独自の日本語表現方法だが、
これは、奇形も、奇形、社会的害悪以外何者でもないように思う。その奇形表現を、当たり前のように使う職業を官僚という。これは正直笑えない事実だと思う。
多くの日本人は、プリンシプルな行動原理がない。
何が良いのか、悪いのか、自分で決められず、
周囲をキョロキョロ見て決める。これは、遥か昔から言われていることで、もうこれは日本人の個性と言ってもいい。どこか不安で、自信がない、いつもビクビクして、訳のわからないことを口にする、これが主に欧米人の日本人に対する印象だ。
立場主義とは、言ってみれば、何か役割を与えられないと、何をしていいかわからないことで、与えられたら、その立場に対しての役割と機能を、全生命をかけて守り抜くという非常にかっこ悪い生き方のことだ。これは、もう少し抽象化すれば、日本の戦後一貫した某大国への態度そのものだろう。天からいきなり民主主義が降ってきて、某大国から、役割を与えられ、物理的にも、精神的にも従属した。今では、自ら進んで従属し、国民の生命、財産を投げ渡している、それも積極的に。残念ながら、この立場主義とは、日本や日本人の在り方そのもので、変えることなど、ほぼ不可能だろうと思う。
東大話法は、他人事ではなく、自分事として、
考えた方がいい。この話法は、多かれ少なかれ、
日本人が得意としているもので、決して、自分とは関係のないことではないからだ。
ただ残念ながら、東大話法を理解しても、
何も解決にはならない。
なぜなら、本質的には、この話法を使えば、
コミュニケーションができないからだ。
この現実は、あまりに重いなと思う。
東大話法だけじゃなく、今日本人が、陥っている
大きな問題の一つが、日本人同士なのに、日本語でコミュニケーション出来なくなっていることだろうと思う。日本語の役割も機能も年々変化していっているが、言語がコミュニケーションを活発させないで、国を滅ぼそうとしている、本当に日本は、訳のわからない国になってしまった。
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何か言っているようで何も言っていない、むしろおまえ(私)が悪いくらいの勢いで何か言ってくる、という東大卒上司について、より理解を深めて打ちのめしてやりたく購入。
東大卒に対するムカ付きを筆者と共有できた点でうれしかったが、何ら解決策をもたらしてはくれなかったので、3点とした。
私は、上司と話す時、言ったことを紙の書きながら、そのロジックを見える化して、けむに巻かれないようにする。話したことをメモしておき、彼の言動の矛盾を的確に指摘する。今のところ、これがベスト。実際、上司に嫌われて評価が下がるリスクはあるので、いつでもこの会社やめてやる、くらいの覚悟は必要。
・・・とはいえ、たとえあいつのピンチでも、のらりくらりと本質的な決定を避けている間に、(組織変更とかパンデミックとか)風向きが変わって、ひょうひょうと生き延びていやがる。むかつくが、あいつは生き延びるかもしれない。
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[原理]
P7「立場」こそが「実体」であり、人間はその素材にすぎない。
P8 自分と持ちつ持たれつで生きている方たちの「立場」を危うくするような発言をしたら、自分の立場も危うくなる。
P50 東大文化
・徹底的な不誠実さ
・抜群のバランス感覚
・高速事務処理能力
P71 立場三原則
・役を果たすためには、なんでもやらなくてはいけない
・立場を守るためには何をしてもいい
・人の立場を侵害してはいけない
[個人の現象]
P8 当たり障りのない発言でごまかす。
適当にウソをつく。
P9 難しい話をしているのではなく、わざと難しくする。
P21 どこまでも欺瞞的(あざむき、だます)で、どこまでも傍観者ぶったものの言い方
P30 現実から目を背けて思考停止をしていることになる
P91 巨大な機械自分の脳を過信せ素、歯車になることを厭わない
P114 個性を捨て、自分らしさにこだわらず、
P128 なるべく決めたくないことを、「議論が足りない「そこまで議論が煮詰まってない」などと言い訳
のらりくらりと塩漬けにする
P127 できもしないことをやっているふりをする
P179 まったく根拠がないことを、根拠があるように思わせる。
[集団の現象]
P60 大きな悪事であればあるほど、責任が分散されて、加担していた個人がそしらぬふりをしやすい
(リスクの放置、先送り)
[あるべき姿]
P30 欺瞞を撃ち、今そこにある危機を現実のものとして受け入れることで、人ははじめてその苦難を乗り越える道を乗り越える道を模索し、知恵を出して、多がいて手を取り合うことができる。
p110 「いつでも辞めるという覚悟で辞表を机の中に入れておかないと、仕事なんかできないんだよ」
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①自分の信念ではなく、自分の立場に合わせた思考を採用する。
②自分の立場の都合のよいように相手の話を解釈する。
③都合の悪いことは無視し、都合のよいことだけ返事をする。
④都合のよいことがない場合には、関係のない話をしてお茶を濁す。
⑤どんなにいい加減でつじつまの合わないことでも自信満々で話す。
⑥自分の問題を隠すために、同種の問題を持つ人を、力いっぱい批判する。
⑦その場で自分が立派な人だと思われることを言う。
⑧自分を傍観者と見なし、発言者を分類してレッテル貼りし、実体化して属性を勝手に設定し、解説する。
⑨「誤解を恐れずに言えば」と言って、嘘をつく。
⑩スケープゴートを侮蔑することで、読者・聞き手を恫喝し、迎合的な態度を取らせる。
⑪相手の知識が自分より低いと見たら、なりふり構わず、自信満々で難しそうな概念を持ち出す。
⑫自分の議論を「公平」だと無根拠に断言する。
⑬自分の立場に沿って、都合のよい話を集める。
⑭羊頭狗肉。
⑮わけのわからない見せかけの自己批判によって、誠実さを演出する。
⑯わけのわからない理屈を使って相手をケムに巻き、自分の主張を正当化する。
⑰ああでもない、こうでもない、と自分がいろいろ知っていることを並べて、賢いところを見せる。
⑱ああでもない、こうでもない、と引っ張っておいて、自分の言いたいところに突然落とす。
⑲全体のバランスを常に考えて発言せよ。
⑳「もし◯◯◯であるとしたら、お詫びします」と言って、謝罪したフリで切り抜ける。
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おるおるこういう奴!って、感じ。しんきくさい!ウザイ!面倒臭い!時間勿体ない!残念な人!っていうこととわかった。しかし、安冨歩さんって、変わってる人でオモロイなぁ
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先に『原発危機と東大話法』を読んでたから、今回は比較的気楽に読ませてもらった。
安富さんの本、5冊目くらいだと思うけど、この本は「入門編」に向いてるらしい。
というのも、あとがきによると、安富さんのお話を編集者の方がまとめた形になってるらしいので、比較的読みやすくなってるからなのだそうだ。
『原発危機と東大話法』で読んだことも書かれていたけど、家政婦のミタの話と大学の秋入学の話は初耳だったので、興味深かった。秋入学の話は安富さんが言い出しっぺだったんだ・・。今年もコロナで一部からそういう案が出てたけど、安富さんはその話されてたかな?・・ということをいくつか見た動画の話を思い出してみてるけど、どうだったっけ??