紙の本
泣き笑いでほおばるおいいしいもの、ください。
2012/01/25 08:09
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:チヒロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
帯に書かれているのですが、様々な場面(どれもその人には嬉しくて哀しくて泣きたい場面)で口にする食べ物、
お話の中にある料理、というより、その料理が核となって物語が周りを取り囲むような短篇です。
寝たきりで痴呆になってしまったおばあちゃんは何も口にしてくれない。
だけど、ふと、以前大好きだったあの食べ物を思い出した孫娘。
それをとりに、自転車を走らせる「バーバのかき氷」
恋人に初めて連れて行かれた汚い食堂。
そこで出てきたものは、夢のようにおいしいものだった「親父のぶたばら飯」など。
しんみりお腹と心にしみる食べ物ばかり。
特にさすが小川さんと言いたくなる「親父のぶたばら飯」。
「『じゃあビールを1本頼んで、しゅうまい食べて、その後フカヒレのスープで、最後に』『ぶたばら飯ね』」
このしゅうまい「固まり肉をわざわざ叩いて使っているのだろう。アラびきの肉それぞれに濃厚な肉汁がぎゅっと詰まって、口の中で爆竹のように炸裂する」と、
その後「優しく優しく、まるで野原に降り積もる雪のように、私の胃袋を満たしていった」フカヒレスープ。
ぎゃ~、このあとのぶたばら飯はどうなるの~っとのたうちまわりそう。
もう、近いうちに絶対食べたてやる、と決心したり。
その他のお話は亡くなった家族を想い丹精込めて作った「きりたんぽ鍋」や、
これから別々の道を行く恋人との最後のご馳走「松茸づくし」など、
湿っぽい話をあたたかい料理がカバーしてみせる。
かなり精神的に参っていても、美味しい料理はすこしだけ元気をくれる。
美味しいものに関しては、小川さんはやっと本領発揮できたなぁとちょっとほっとした気分でもありました。
紙の本
心温まる短編集
2020/07/18 08:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
小汚いけど絶品の中華料理屋さんでプロポーズされる話と、病気で死期の近い母親に味噌汁の作り方を教え込まれた娘の話が特に心に残りました。「お料理を残さず食べる女性なら財布を任せて大丈夫」という指摘に、なるほど!と。味噌汁の話は、同じような実話もあったような気がします。泣けました。
投稿元:
レビューを見る
小川糸さん=美味しいごはん
という方程式が主流になり、生まれたのがこんな素敵な短編集。
どれもすごく美味しそうなお料理ばっかり! そして素敵なお話ばかり! わたしがとくに好きなのは、親父のぶたばら飯、さよなら松茸、こーちゃんのおみそ汁。
とくにこーちゃんのおみそ汁には泣かされました。嫁入り前に読みなおしたい。
投稿元:
レビューを見る
こーちゃんのおみそ汁と季節はずれのきりたんぽがとっても良かったです。泣けちゃいました。美味しいものを一緒に食べたいと思える人、一緒に食べるとおいしいと思える人はきっと大事な大事な人なんだ。
投稿元:
レビューを見る
恋愛は、その人と一緒によく行った店や美味しいねと言い合った食べ物の思い出気が全てな気がする。そして、家族とも食べ物の思い出で繋がっている。息子も母の味で真っ直ぐに育っていると信じている。
そんな日常をこんなに美味しそうに短編で書けるとは。
特に母が娘のために、また旦那との約束を果たすため、幼稚園児の娘に味噌汁の作り方を叩き込み、嫁に行く朝まで娘が味噌汁を毎日作る話は、感動しつつも、母が女として最後まで味噌汁に生き続けている気がして愛と業の深さを感じた。
お風呂で読んで泣いてしまったよ。
投稿元:
レビューを見る
一時間くらいで読めちゃう短編集。小川さんの描く食事のシーンは優しくて切なくて、とても美味しそう。泣かせてくるから、電車の中ではなく、寝室で読むことをお勧めします。
投稿元:
レビューを見る
本の題名と内容が合ってないように感じました。
あつあつ、ですかね?
好きな話、そうでない話が半々ぐらいなので、評価も真ん中で。
きりたんぽ鍋の丸いのは、だまご鍋?
投稿元:
レビューを見る
食べ物好きな私にはたまらない本。食べ物の魅力も魔力も小さなひとつひとつの物語の中に表現されています。
投稿元:
レビューを見る
う~ん、だんだん大喜利みたいになってきた。
短編集なんですが、それぞれに食べ物をからませながら、「いい話」というオチで終っています。
同じく食べ物が出てくる『食堂かたつむり』は面白かったけれど、それで小川糸=食べ物という枠ができちゃったのかな?
頑張れ作者!
私はこの本もけっこう好きだぞ!
全部で七編の短編が収められています。
恋人を中華屋さんに連れて行き、その食べ方でこの人なら大丈夫と、プロポーズする「父親のぶたばら飯」が私は好きかな。
次回作に期待します。
投稿元:
レビューを見る
本当に読んでいるとおいしそうで気持ちがあたたかくなる食べ物のお話
人生はきびしくってさびしくってままならないこともあるけど
それをきれいごとじゃなく、切なくもやさしく包み込んでくれるお話
恋人と最後の夜に、これからの自分が迎える悲しみをおそれても
おいしいものを一緒に食べれることの幸せが切々と胸に響いたり
父親がもういないということを、母とふたりで父の大好物を食べながら
涙ながらに語り合いながらも、前を向いて行く姿に涙が出たり
7つの短編すべてが、とても大切なことを温かく包み込んでいるようで
あっという間に読んでしまいました
投稿元:
レビューを見る
短編集です。
「食堂かたつむり」が良すぎましたね。
食べ物の描写は秀逸ではありますが、話しとしては前ほどではなかったかなと思います。
投稿元:
レビューを見る
図書館予約済み
2012/1/18
borrow a book from Osaka Prefectual Central Library
投稿元:
レビューを見る
小川糸さんの作品を読むと「食べ物の力」みたいなものを感じさせられます。
きゅんとしたり、切なくなったり、かなしくなったり、嬉しくなったり、色々な感情が押し寄せて来るけど、最後は必ず「今すぐ好きな人とご飯が食べたい」って思う。
投稿元:
レビューを見る
短編集なので、簡単に読み進められます。
7つの章があって、和洋中、色んなお料理が登場します。
単純に「読書が好き」という方以外にも「料理が好き」や「食いしん坊」という方も楽しめると思います。
愛する人との結婚、関わってきた人との別れ、そして命の終わり。誰の人生にも必ず起こる大きな出来ごとを軸に、各登場人物が背景に持つ、食べ物に関する様々なエピソードがからまって、一つ一つのお話が出来ています。
『食堂かたつむり』もそうでしたが、小川さんは一体毎日どんなものを食べているんだろう、小川さんのキッチンを覗いてみたいな、と思わず想像を膨らませてしまいます。
個人的に感じる難点を挙げるなら、非現実的な描写が多い事です。
人物と状況の設定がうまく理解できないお話も一つありました。
ファンタジーが好きな方や、作り物語ならではの話が読みたいという方にはお勧めの一冊ですが、例えばノンフィクションをよく読む方や、「うん、わかる、わかる。」と共感できるようなお話が好きな方は、もしかしたらあまり好きではないかもしれません。
投稿元:
レビューを見る
食べ物にまつわる短編集
心に残るお話はなかった中でも「こーちゃんのみそ汁」が無難に読めた。「ボルグの晩餐」がなんだかイライラ?してしまった。くいしんぼうとしてはもっとおいしく読ませてほしいななんて・・・。