- 販売開始日: 2012/12/21
- 出版社: 徳間書店(トクマコミックス)
- レーベル: Chara comics
- ISBN:978-4-19-960063-0
銀河英雄伝説(9)
著者 田中芳樹 (原作) , 道原かつみ (作画)
救国軍事会議が制圧した自由惑星同盟の首都ハイネセンでは、記念スタジアムで開かれた市民集会が弾圧され、主催者ジェシカ・エドワーズ議員が虐殺され、二万人余の市民が死亡した。ヤ...
銀河英雄伝説(9)
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商品説明
救国軍事会議が制圧した自由惑星同盟の首都ハイネセンでは、記念スタジアムで開かれた市民集会が弾圧され、主催者ジェシカ・エドワーズ議員が虐殺され、二万人余の市民が死亡した。ヤン・ウェンリーはハイネセンへの進撃を決意する。銀河帝国内ではラインハルトと貴族連合の戦いが激しさを増していた…
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人と人とのつながりを描いた作品
2002/07/23 18:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:麒麟 - この投稿者のレビュー一覧を見る
銀河帝国と自由惑星同盟との戦いは一時休戦。銀河帝国では、皇帝の死によって引き起こされた内戦が激化。自由惑星同盟側は、ラインハルトの思惑どおり、クーデターが勃発。その鎮圧に追われていた。
他国との戦いも多くの人の命を奪う悲しいものであるが、内戦は命奪う相手が同じ国の者、ときによく知る者であるため、悲しみも深い。ヤンもまた、古い友人である、ジェシカ・エドワーズを失う。
一方、銀河帝国側では、貴族の醜い特権思想があらわになる。貴族の命を守るためには、味方の艦も平気で撃ち落とす、人とも思えぬ行動に貴族軍内部は分裂してゆく。
戦いとは、いかに悲しく愚かなものであるのか、この作品はいやというほど見せてくれる。戦う者には戦う者の信念、正義、誇りが存在する。しかし、それが多くの人の命を奪う価値のあるものなのか、深く考えさせられる。
銀河帝国と自由惑星同盟との戦争。とてつもなくスケールが大きく、別世界での物語ではあるが、この地球上に舞台をうつしても同じこと。戦争が消えることなどなく、こうしている今もどこかで人が死んでいるこの世界にも、この物語と同じ悲しみが、つねに存在しているように思えてならない。
この作品は、戦闘シーンよりも、人や、人と人とのつながりを強く描いた作品ゆえに、より深く、考えさせられてしまうのだろう。