この本に出会えてよかったです。
2017/11/14 19:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:プリスキン - この投稿者のレビュー一覧を見る
恥ずかしながら未完の作品とは知らずに読みました。
もちろん完結が見たかった気持ちはありますが、決して中途半端ではなく、むしろ続きについてあれこれ思いを巡らせることができました。
生きる厳しさ、死ぬ難しさ、今の時代に重ね合わせるのは難しいかもしれませんが、人生にヒントを与えてくれた作品です。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ブランカ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「死ぬことと見つけたり」とは、有名な葉隠の一説である。
とはいえ、私自身葉隠は読んだことはない。
ただ、日本男児のあるべき姿として昔、愛読されていたとか、そのようなことしか知らない。
だから、私にとっての葉隠の導入はこの小説になる。
もちろん、この小説は葉隠の解説書でもなんでもない。
しかし、その生きざまは、葉隠にかかれたものだろうと思うのであるまた、作者隆慶一郎もそのように考えた男を描いているのだろう。
しかし、むちゃくちゃである。
だが、魅力的である。
上巻の書評にも書いたが、自分の身近にこんなやつがいたらと、ぞっとする反面、きっと、あこがれと嫉妬と羨望の入り交じった感情でその男とつきあうのだろうと、そう思う。
誰だって死ぬのは怖いはずだ。
昔の武士の腹切りだって、怖かったはずだけど、プライドがそうさせたのだろうとぐらいに考えていた。
誤りであった。
多分に、この小説に書かれた人物は実在したであろう。
我々の祖先はこんな男達がいたであろう。
それが、私を身震いさせ、喜ばせた。
投稿元:
レビューを見る
もちろん上もある。
武士の思想がよく分かる。しかも、物語としてめちゃめちゃおもしろい!
名著です。
投稿元:
レビューを見る
常住坐臥、死と共に生きている葉隠武士。
時は江戸、鍋島藩に幕府の黒い陰謀が降り掛かる。
そんな中、戦国の世をいくさ人として過ごし、太平の世になってもその生き方を変えずにいる主人公。
その主人公が己の威信を守るために莫逆の友達と幕府老中との激闘を繰り広げます。
ただ現世利益を追い求め死ぬ間際になって自分の名前を後世に残すために名誉に走る醜い老人達が散見される今の時代。
そんな世の中を生きる私たちに、全てにおいて判断基準を己に求め、他人の評価や自分の栄達を顧みることなく、本当の意味で己の名を惜しみ、日々を死人として過ごしている主人公達はまさに清冽な風を送ってきます。
ただ、惜しむらくはこの小説は著者の死去により未完で終わっています。
しかし未完とはいえ読む価値は十分にある本なので是非読んでほしいですね。
私の中では「一夢庵風流記」や「影武者徳川家康〈上〉」より面白いと思う一冊です。
こんな生き方に憧れても、本当にこんな風に生きていきるかはともかく、是非若い時に読んでほしいですね。
映画「ラスト サムライ 」で注目を集めた葉隠れの精神に生きた武士達の物語です。
投稿元:
レビューを見る
<野本尚裕選手オススメ!>
朝、目が覚めたら自分がいろいろな死に方をするところを想像する。そうすると、何事も恐れなくなる。そんな記述がありました。自分もそれを実践したことがありました。試合における覚悟を持つ上で、すごく響いた1冊です。
投稿元:
レビューを見る
鍋島藩に崩壊の兆しあり。藩主勝茂が孫の光茂を嫡子としたためだ。藩内に燻る不満を抑え切るには、光茂では器量が小さすぎた。老中松平信綱は、不満分子と結び、鍋島藩解体を画策する。信綱の陰謀を未然に潰そうと暗躍する杢之助たち。勝茂は死に際し、佐賀鍋島藩存続のため信綱の弱みを掴め、と最期の望みを託した。男の死に方を問う葉隠武士道をロマンとして甦らせた時代長編
投稿元:
レビューを見る
おもしろかった。願わくば最後まで佐賀藩の行く末を見たかった...隆先生の冥福を祈ります。
佐賀県民であることを誇りに思える瞬間でしたね。
投稿元:
レビューを見る
上巻レビューの続きですよ。
この本を好きな理由ですが、まず主人公が単純明快でヒロイックなこと。
これはこの著書の描く主人公のパターンですが、自分の世界観がきっちりと
あって、それに従って即断即決即行動。このパターンが死ぬほど好きなのです。
わたしは火星が牡羊座にあるので、単純・明快・行動的という火の男をこよなく
愛しているのですね。過去につきあった男はすべて火の男です(どうでもいい)
そしてこの小説の主人公は「死人」です。毎朝イメージの中で死ぬ。
なので死を恐れない、という付加価値がついてくる。
この死人であることが、蠍座のわたしにはたまらないのですね。
蠍座は生と死を司り、オール・オア・ナッシングで物事を決めていく実に極端な
性質を持っているのですが、そことベストマッチするわけです。
つまりわたし自身の投影であるからこそラブ!というわけですね。
世界は自分の投影の塊ですね。
投稿元:
レビューを見る
上巻は2年前に。しばらく放置していた下巻は今、読むべくして読んだのかも。
苦手な時代物だったけど、これは夢中で読破!
ただし作者の死によって未完に。そういえば…と。最後まで忘れてた。泣いた。
編集部に遺されたシノプシスがせめてもの救い。でもやっぱり完成品を読みたかったなぁ。
杢之助、萬右衛門、求馬。
潔すぎる三人の死人がかっこいい。
あと、ここにきて静香が武士で乙女なのがとても可愛くて癒し要員キターと思いきや、いきなり男と果たし合い殺人切腹フラグ立ててしまったので全然癒されずハラハラした(笑)
数馬や熊之助との話ももっと見たかったな~。二世組は可愛い。
投稿元:
レビューを見る
20100829
軍国主義のバイブルともいえる「葉隠」に取材していながら、著者自身の戦争体験に基づく葛藤を経て、痛快な人間賛歌の物語へと昇華した本作。杢之助・求馬ら主人公の生き様が実に格好良く、すがすがしい。著者急逝により未完の作となったのが惜しまれる。というか本当に続きが読みたいです。一応巻末に、隆氏が書きのこした断片的メモが残っていて、このあとどのような展開をみせる予定だったかは推測できるんだけれど。
投稿元:
レビューを見る
またしても未完の本。タイトル通りの、葉隠。
人を使う立場にある者は、常に身辺を清潔に保たねばならぬ、と五郎兵衛は信じている。
決して『我が身よかるべき』という保身のためではない。
だが同時にその点が自分の小ささであることも、五郎兵衛は感じていた。
悪臭をふりまきながら、尚平然と一藩のために己がよしと思った道に猛進する為政者の馬力を自分は持っていない。
どうしても廉潔さが邪魔をするのである。
<求馬は悪党になれる>
悪党になれぬ男になぞ何ができよう。
かっこよすぎ。
投稿元:
レビューを見る
痛快!。死を覚悟しての臨めば、何ら怖いモノなどない。
残念なのは、作者隆慶一郎氏の急逝により未完の作品となったこと。
投稿元:
レビューを見る
主人公斎藤杢之助は常時坐臥死人である訓練をし佐賀武士道である「武士道というは死ぬことと見つけたり」を実践している。精神修養と自己鍛錬を怠らない冷静に自らを見つめることができるまさに死人だ。
杢之助を中心に鍋島勝茂、中野求馬、牛島萬右衛門らが戦に出、御家騒動を静め、宿敵松平信綱と渡り合っていく。
全く嫌味がない。登場人物も背景も実に味わい深く人間味にあふれている。
(内容のことは書きません。知りたければ買って読んでね~損はしません。)
ここから何を学び取ろうとしたのか?
明日をも知れぬ命を生きる潔さだろうか。
下げ針金作との決闘、老中松平信綱との駆け引き、難破した舟での殿を守る姿、主人公杢之助は小説世界の人間だがまさに今を生きる私たちに生きることの醍醐味を教えてくれる。
くだらないことにうじうじし、背を丸める俺だがしゃんと背筋を伸ばして生きていこうという心地よい興奮がたまらなくいい。
投稿元:
レビューを見る
話があっちこっちに行って 全体を貫く幹が見えにくいのが難。 それでもこの構想力はすごいよ。
またしても未完。最後まで読みたかったけど、 作者のメモが残ってたので救われたかなぁ。
投稿元:
レビューを見る
かなり前に上巻を読んで、すっかり忘れていた。
ドラマの中で”武士道とは・・・”のくだりを聞いて思い出した。
下巻が、完成していないのは少し残念だが、非常に楽しく読ませてもらった。特に現代人は、この本を読んで、気合を入れてもらいたい。