- 販売開始日: 2013/01/24
- 出版社: 徳間書店(トクマコミックス)
- レーベル: Chara comics
- ISBN:978-4-19-960122-4
銀河英雄伝説(11)
著者 田中芳樹 (原作) , 道原かつみ (作画)
ヴェスターラントでの虐殺を黙認したラインハルトをとがめるキルヒアイス。強い絆で結ばれたふたりの間にいつしか隙間風が。そして貴族連合との闘いは最後の決戦を迎える。ハイネセン...
銀河英雄伝説(11)
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商品説明
ヴェスターラントでの虐殺を黙認したラインハルトをとがめるキルヒアイス。強い絆で結ばれたふたりの間にいつしか隙間風が。そして貴族連合との闘いは最後の決戦を迎える。ハイネセンでは敗北を悟った救国軍事会議議長グリーンヒル大将の死でクーデターは終結した。地球教信徒に匿われていた国家元首ヨブ・トリューニヒトが政治に復帰するが…
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戦いに救いをもとめるラインハルト
2002/07/23 18:18
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:麒麟 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初のページを開いて衝撃が走る。
そこには、真っ赤な血にまみれて横たわる、キルヒアイスのすがた。
キルヒアイスとの間に溝を深めてしまったラインハルトは、取り返しのつかない事態に陥る。
帝国軍無敵と思われたラインハルトの、もろく繊細な一面が描かれる。
そしてそれを乗り越えるため、喪失感を埋めるため、ラインハルトは戦うこと、勝ちつづけること、征服することに魅入られてゆく。
ヤンは、相変わらず、自分の心に忠実。だが、それゆえに、意のままにならないヤンを快く思わない者も出てくる。ヤンの行く手にも、敵国以外の敵が待ち受けているのだろうか。
貴族軍には勝ったラインハルトだが、キルヒアイスを失ったことで、どこか狂いはじめているように感じられる。世界を制することに一直線だったラインハルトも、個人的にはあまり好きではなかったが(世界征服も個人的な欲望だから)、その目的よりも戦い、勝利することに見入られようとしているラインハルトのすがたには、ぞっとするものを感じる。こんなふうにして、人は少しずつ狂わされてゆくのだろうかと恐ろしくなる。
人の死がそこここにあふれている戦争というもの自体が、すでにふつうではないのだから、いつ狂ってもおかしくないのかもしれない。
この作品の架空の世界ではなく、現実の地球上の過去の戦争を考えてもそうではないだろうか。戦争は、人に理性や道徳心、平常心をなくさせる。人をいとも簡単に狂わせる。正義の名のもとに、人の命をうばうことに、罪悪感など感じなくなる。人の命をたくさんうばった者が、その国のヒーローとさえなりうるのだから、こんなに恐ろしいことはない。
銀河英雄伝説は、作り話の世界ではあるけれど、たかがまんが、たかが小説という人もいるのかもしれないけれど、その登場人物は現実に生きているように身近に感じられ、生き生きと動きまわるものだから、つい真剣に戦いというものを考えてしまうのだ。