紙の本
隙あらば、イノベーション。
2010/02/27 16:42
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kc1027 - この投稿者のレビュー一覧を見る
イノベーションは企業家に特有の仕事である。それが本書の主張だ。
ドラッカー先生の著書は日本に広く普及しているが、この主張が日本の
社会において真に活かされているとは言い難く、でも今後もしこの主張を
取り入れたイノベーターが増えるとしたら、本書は『孫子の兵法』の
ように、ただ勝つだけでなくて生きていくための指南書のようになって
いくと思う。というより自分にとってはすでにそうなっているので、
ささやかながらもっと多くの方々に読んでもらいたい。
だって本書はドラッカーワールドの中でも抜群に楽しいから。
イノベーションは富を創造する能力を資源に与え、それどころか
イノベーション自体が資源を創造する。1985年に発表された本書は、
世界の隙間やひずみや歪みを見つけ、そうであったかもしれない未来を
実際に生み出してしまう指南書でもある。
ドラッカー先生曰く、イノベーションの機会は7つあり、
1.予期せぬ成功と失敗を利用する
2.ギャップを探す
3.ニーズを見つける
4.産業構造の変化を知る
5.人口構造の変化に着目する
6.認識の変化をとらえる
7.新しい知識を活用する
これらの機会を探ることで、イノベーションは駆動し始め、
そのイノベーションがまたイノベーションを生む。
だからイノベーションの出発点は社会を生態学的に見る透徹した視点に
ある。あるいは言い換えれば、イノベーションとは重層的な世界を
パラレルなままに見ながら、それがジンワリと溶けていくような境界線を
現実の中に見出すという、何かお笑い芸人のネタ作りのような作業から
始まるのだ。
とはいってもイノベーションは企業家に特有の道具である。
この翻訳もなかなか味噌で、「企業家」であって、「起業家」ではない。
カイシャを起こすことだけがイノベーションではなく、組織で働く
全ての人にとって、イノベーションは仕事であり、イノベーションこそが
仕事を通じて社会に価値を生み出すものとなる。混沌渦巻く2010年代の
世界は、イノベーションの機会の万国博覧会。不確かさがベースとなる
ワクワク感は、それだけで価値だ。
紙の本
ドラッカー氏の代表作です!
2018/06/09 14:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ドラッカー氏の代表作とも言われる一冊で、イノベーションと企業家精神を生み出すための方法論やノウハウについて丁寧に解説した一冊です。組織で働く人々がどのようなモチベーションをもって、どのように行動しているかをつぶさに観察しながら、その中におけるイノベーションが生まれるまでの道程を検討した非常にためになる経営書です。
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ドラッカーの比較的新しい著作、といっても1985年刊行。原題は『Innovation and Entrepreneurship』とそのままです。
有名なイノベーションの7つの機会について具体的なケースを散りばめて説明されています。
1.予期せぬ成功と失敗
2.ギャップの存在 (業績、認識、価値観、プロセス)
3.ニーズの存在 (プロセス、労働力、知識)
4.産業構造の変化
5.人口構造の変化
6.認識の変化
7.新しい知識の出現
そしてこれらの機会を捉えて分析し、知覚し、意思決定して、具体的に行動しなくてはならないと説いてます。本書では、そのための体系的な理論がまとめあげられています。読み物としても一級品ですし、各コトバに抜群の説得力があります。
「イノベーションの機会がすでに存在する分野において、資源の最適化にとどまることほどリスクの大きなことはない」
イノベーション(=変化)をよしとする企業家精神はベンチャだけでなく、現在では特に既存の企業にこそ必要ということになります。これからも何度か振り返ってみたい本です。
やっぱり星5つ。
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この本の中にはひとつとても目からうろこの格言が書いてあります。
ドラッカーはこういいます。
「情熱というのは心のありようではない、行動の様式だ」
素晴らしいです。僕もそう思います。
激しいモチベーションをもちながら、なんとなくそれが伝わらない、から回っていたちょっと前の自分にみせてやりたいです。
出会えてよかった一冊だと思います。
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ドラッカー第二弾となります。どれでもよかったのですが仕事上この内容が一番はまりそうなので選びました。
さすがの内容ですが、ここからどうしようという疑問と内容がぎっちりで再度読み直し本に決定です。
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(K) シュンペーターは創造的破壊と呼び、ドラッカーがイノベーションと呼んでいる新しいことを創造するプロセスについてまとめた本。イノベーションというと、「当たるも八卦当たらぬも八卦」という博打的な要素が濃いと思いがちであるが、ドラッカーはイノベーションはコントロールできると言い切っている。そのために、何に目をつければ良いのか、どこにイノベーションの芽が隠れているのかを洞察した内容。「予期せぬ成功と失敗」にイノベーションの芽が隠れているらしいが、言われてみれば特に予期せぬ成功はほとんど分析されていないということに気が付く。そういう意味では、我々の組織にはイノベーションを創造する文化が埋め込まれていないのではないかと感じる。
発展途上国が急速に力をつけ、我々をキャッチアップしている現在、我々先進国がやるべきことはイノベーション以外になくなってきている。その危機意識が不足しているというのも恐ろしい事実である。その危機を我々一人ひとりがもっと実感し、何をしなければならないのかを語り合い、そして行動を起こしていくことが重要である。本書はそのディスカッションのきっかけを与えてくれるはずである。
でも、正直言えばなかなか頭に残りにくい本だった。ドラッカー独特の言い回しが文章の意味を広げすぎていてわかりにくくさせているという部分もあるが、何よりも読み手のレベルが追いついていないというのが大きな問題だと感じた。数年後に改めて読み直してみると、別の発見があるのかもしれない。
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「もし高校野球の女子マネージャーが…」がベストセラーとなりさらに脚光を浴びつつあるP.F.ドラッカーの「イノベーションと企業家精神」。
前半の第Ⅰ部ではイノベーションのための7つの機会について書かれており、後半の第Ⅱ部で企業家精神、第Ⅲ部で企業家戦略について書かれてある。
同類書籍ではクレイトン・クリステンセン教授による「イノベーションのジレンマ」が非常に有名であるが、その書籍に記されている破壊的イノベーションについても、本書で既にその骨格は示されている。
変化を好まない、不確実性を恐れる企業家的でない者は意思決定ができないため、あらゆる現代の仕事に向かないとドラッカーは説く。つまり「変化」を「機会」ととらえることができる企業家精神は全ての人間に必要だということである。
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イノベーションを起こすために必要なものが明解に語られている。これまでに読んだどんな本にも優る本だった。新事業を立ち上げようと考えている方は、読んだ後是非とも手元に置きたいと思うに違いない。
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改めて経済が低迷し市場が成熟化しているなか、イノベーションとは何かを考えさせられる。
企業家にとって必要なことは、変化を脅威ではなく、機会として利用すること。
それは誰かが掲げている標語でも精神論でも絵空事でもなく、行動として日々体系的に分析することから始まる。
予期せぬ成功からは機会を、失敗からは問題だけでなく機会を発見する。
イノベーションはこんな日々の仕事から生まれることに気付いていただろうか?
イノベーションとは、本書の冒頭にも書かれてあるとおり、企業家の性格や心理ではなく、「姿勢と行動」なのである。
そして、イノベーションにとって最大の障害は、既存の事業そのもの。特に、成功している事業。そんな過去の成功体験も「廃棄」して変化していかなければいけないと痛感する。
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[ 内容 ]
本書は、一九八五年、著者七五歳のときの著作である。
イノベーションと企業家精神が誰でも学び実行することができるものであることを明らかにした世界最初の方法論である。
[ 目次 ]
第1部 イノベーションの方法(イノベーションと企業家精神;イノベーションのための七つの機会;予期せぬ成功と失敗を利用する―第一の機会 ほか)
第2部 企業家精神(企業家としてのマネジメント;既存企業における企業家精神;公的機関における企業家精神 ほか)
第3部 企業家戦略(総力戦略;ゲリラ戦略;ニッチ戦略 ほか)
企業家社会
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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2007年発刊当時何度も読んだ。
今になって、ここに書いていることのいくつかが
思考の原点として染みついていることに気づく。
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初めてのドラッカー。結論を与えるのではなく、事例を淡々と紹介し、分析して行く。恐らく読み返す事でもっと効いて来る気が。世は哲学ばかりでなく、ドラッカーも流行りらしい。意外に勤勉なんだな日本人。日本再生も意外に早かったりして。
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イノベーションは知っておいた方がいいと思う。しかし、私には難しく読みづらく入門書としてはおすすめできない。
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イノベーションとは新しい技術ではなく、顧客の創造である。
ベンチャーに求められる要件
①市場志向
②財務計画
③マネジメントチーム
④創業者の役割の規定
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イノベーションの意味すらわからない
僕でしたが、読んでなるほどと
思えました。
さすがドラッカーと
いうべきでしょうか。
イノベーションとは
「より優れた、より経済的な財やサービスを想像すること。企業はより優れたものを創造し供給しなければならない」
福祉業界は(公的機関)イノベーションの難しい状況とありましたが、それは
絶対に不可能というわけではないと
思います。
私たちに何ができるか?
ドラッカーを深く学んでいきたい
と思います。