- 販売開始日: 2013/03/08
- 出版社: 新潮社
- ISBN:978-4-10-121433-7
八月の博物館
著者 瀬名秀明 (著)
小学生最後の夏休み。少年トオルは、偶然に見つけた不思議な建物「THE MUSEUM」で、謎の美少女・美宇に出会う。あらゆる時代と場所へ、時空を超えて移動することが可能なこ...
八月の博物館
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商品説明
小学生最後の夏休み。少年トオルは、偶然に見つけた不思議な建物「THE MUSEUM」で、謎の美少女・美宇に出会う。あらゆる時代と場所へ、時空を超えて移動することが可能なこの建物の中で、過去のエジプトへ飛んだ二人。しかしその冒険は、長く封印されていた邪悪な力を召喚し、大人になった未来の自分自身さえも呼び寄せてゆく。壮大なスケールで展開する、物語のワンダーランド。
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扉の向こうへ。
2017/02/19 11:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:M77 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつもと違う道へ踏み出して博物館に入り込んだ子供時代の享と現在の作家である私。十九世紀、エジプトで遺跡を発掘し博物館に展示し、次代へ語り継ごうと奮闘するマリエット。幾つもの時間が博物館で交錯し、ついには現実が物語と溶け合っていく。
手を繋いで扉の向こうへ踏み出す享と美宇のイメージに心が踊る。
あの大名作への、オマージュ的作品。
2006/11/27 15:54
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
時間と空間を歪めてしまうといった物語は星の数ほどあるし、物語の内側と読み手のこちら側を交錯させてしまう、というのもそれほど珍しい手法では無い。
ミヒャエルエンデの「はてしない物語」等に代表されるその手法は、読み手を物語に引き込むのに、非常に有効的であると思う。果たして本作品は、ファラオの時代の物語に、そのファラオの墓を発掘する探険家の物語、そして現代の小説家と、その小説家の少年時代。そして、未来からきた少女。その5つの時間が、「博物館の博物館」を軸に交錯し、進んで行く。誰がどの時代の登場人物なのか!?いや一体誰が書いているのか?読んでる私は一体誰なのか!?
作者の意図するところは理解できる。それらの手法に小説の矛盾点や盲点(人称等)、それら全てを盛り込み、ミステリも冒険もSFも高い次元で融合させて物語として編み上げ、昇華させる。物語終盤は長いRPGのラスボス対決を読んでいるような、上等なアニメ映画のラストを見ているかのような錯覚を覚えさせられた。
確かに非常に良く考え調査されているし、書き上げるのに相当苦労されたのではないかと思われる。物語はパズルのように組み上げられ、見事に纏め上げられている。ただどうも何かこの「何でもアリ」感、覚えがあるような無いような・・・。それからどうも、内容に対してのタイトル・表紙絵に違和感があったのだけど。なるほど、最後の最後にその答えが書いてあった。日本人なら知らない人はいない、「あの大名作」へのオマージュ的な意味合いが含まれていたのだ。「あの大名作」とは・・・表紙絵の「扉」、がヒントw。
ただぶっちゃけ、解り辛いのだ。馴染みの薄いファラオの時代の用語が飛び交う中、時間空間に物語のあっちこっちに視点までがぐるぐる変わって、どうも落ち着いて読むことが出来ないのが難点と言えば難点か。