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投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
とびきり屋シリーズ第一巻。
実はこのシリーズの「ええもんひとつ」「赤絵そうめん」などを先に読んでいたので、登場人物のイメージはかなり固定されていた。
続刊から比べると、真之介とゆずの姿が明らかに初々しい一冊。
幕末の有名人たちが難問を持ち込みます
2020/02/18 21:31
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投稿者:KazT - この投稿者のレビュー一覧を見る
幕末の京都を舞台に、ほのぼのした雰囲気の道具屋の若夫婦が難問にぶつかりつつも、道具屋なりの解決策で乗り越えていく姿が描かれています。
山本謙一の作品が好きで多数読んでますが、歴史上の人物を主役にした長編と異なり、フィクションの短編ものは肩の力を抜いて気楽に楽しめる作品になっていると思います。
毎回、幕末の有名人たちが難問を持ち込みますが、それ以上に難問の駆け落ち同然で夫婦になったふたりのことをどうやって両親に認めてもらうかといった難問も連作ものとしてのストーリーを面白くしてます。
幕末の激動の時代に向かって、道具屋の若夫婦がどのように成長するか今後の展開が楽しみになる第1作です。
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ゆずが格好よかった。旦那はいささかヘタレだけども^^ゆずのお父さんもいいキャラしてた。お道具の描写とか読んでたら、なんか色々なお道具に触れたくなった。
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幕末を舞台にした時代小説ですが、幕末で活躍した志士たちを脇役にして京の都に道具屋を開いた若き夫婦を主役にとらえ、ある意味で”立場が逆転した”物語といえます。
一般市民から見た幕末の世を楽しむ一話完結型の小説です。
京屈指の茶道具店から駆け落ち同然で飛び出した真之介とゆずの夫婦が営む道具屋に訪れたり関わったりする客たちの中には
坂本龍馬、武市半平太、岡田以蔵、勝海舟、高杉晋作、芹沢鴨、近藤勇、土方歳三等々…とまさに幕末オールスター。名前はあまり出ていませんが沖田総司や田中新兵衛らしき人も登場します。
短い出番の中でそれぞれの志士たちの個性をよく捉えて動かしている印象を受けました。それはおそらく、真之介が観相学を心得ており初対面の相手の人相を「鑑定」して顔の特徴を詳しく説明をしてくれるのでイメージを膨らませやすくなっているのだと思います。
ただ、新撰組は真之介・ゆずに対して悪役のような扱いなのでファンにはお勧め出来ないのかもしれません。でも、虎徹を巡って近藤勇が気迫だけで二階から真之介を外に押し出してしまう流れには笑ってしまいましたが。
骨董品を扱う事もあるだけあって幕末志士に限らず、戦国時代の武将の名も突然出てきたりします。
物語の中心となる道具の数々もどこかで聞いたような名前が幾つか出てきてそういうことが好きな人にはたまらない作品です。
あと、真之介やゆずの方言も気持ちいいです。特にゆずの京弁は志士や読者たちをメロメロにさせている気がします。
どんなトラブルに巻き込まれても道具屋らしさで解決し、最終的には読んで恥ずかしくなるぐらいにお互い愛しあう幸せな夫婦で締める物語です。
しかし、大切な娘を駆け落ちで取られたゆずの両親の怒りを鎮めることは出来るか? 波乱に満ちてきた幕末の世の中を夫婦はどう生きて行くのか!?
今後の展開が楽しみなシリーズ物です。
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ゆずは、幼い頃から父の元で道具の良し悪しを見る目を養っています。一方、夫の真之介は、赤ん坊の時にゆずの父親に拾われて、そのまま奉公人として育ちます。
その二人が、夫婦となるのですが、当然両親は大反対!駆け落ちして、町人向けの道具屋を開きます。
時代は幕末。龍馬、勝海舟、近藤勇といった有名人(?)が「とびきり屋」を訪れ、夫婦はどんどん渦中に巻き込まれてしまいます。
真之介とゆずの仲の良さがほっこりなごませてくれます。はんなりした京言葉を話ながらも、きっぱりとしたゆずの強さに胸がすっとします
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皿ねぶり とっても好きです
お琴さん 今どうしてるのかなぁ...
時代は違うけど、身近な気持ちが沢山ありました
「私の見立ては正しかった」と思える毎日を過ごそっと♪
...でした
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幕末の世の時代、主役になりやすい志士達が脇を支える町人の新婚夫婦のストーリー。
大店の娘と奉公人が恋をして…、家を飛び出て道具屋を二人で切り盛り。
単にラブラブなだけでなく気持ちのすれ違いが起きてぎくしゃくしたりするのが妙にリアル。
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道具屋・からふね屋から駆け落ち同然で夫婦となったお嬢様と奉公人。
2人が営む道具屋・とびきり屋へは、近藤勇や高杉晋作がふらっ商品をを見にきたり、武市半平太が依頼をしにきたり、更には空き部屋に坂本龍馬や勝海舟が下宿したりという美味しすぎる設定。
山田風太郎の明治物のようにおまけとしてチラッと出てくるのではなく、がっつり話に絡んでくるのがいい。
しかもそれでいて特別な感じがしなくて、普通の登場人物として出てくる。オーラの無い芸能人みたいな感じ(笑)
一般の商人から見たヒーローがとても親しみやすい。
ただ新撰組はわりと小物として書かれている。近藤勇なんて主人公に「あいつ、あほやで」とか言われてるし……。
新撰組に限らず茶道の家元など、悪役が割としょぼかったかも。それが残念。敵がしょぼいと勝負までしょぼくなる。
新撰組や人斬りが悪く描かれているのには、この小説が町人視点からだというのもあると思う。当時の民間人は、私たちが歴史小説を読むときの「人殺しだけど国のために頑張った人」という見方はできなくて、「迷惑をかける人=悪」になってしまう。
ただ「悪」として描かれることと小物として描かれることでは訳が違うので、もっと強そうとか、敵には敵なりの考えがあるみたいな、もう少しいい悪役として書いて欲しかったなぁ。
その辺はともかく、主人公夫妻のラブラブっぷりや、機転をきかして問題を解決していく様子はみていて幸せになった。お道具の描写も素敵。
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幕末の京都、駆け落ち同然の若い夫婦が営む道具屋の話だが、客としてやってくるのは新選組や高杉、龍馬など。一般人から見た幕末ってこんなだろうなと思う。
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新撰組が出てくるので、購入しましたw
これ読んだら、新撰組が少し嫌いになってしまった・・・笑
とても旦那思いで賢いゆず。とてもかっこぃぃ&度胸のある女性ですw
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連作の時代物です。
京都の大店の娘と、その店の番頭だったオトコが駆け落ち同然に結婚して、新しい道具屋を開いて奮闘する話です。
この人の作品は初めて読むんですが、人への視線が優しくて良いかんじでした。
主人公は娘と旦那で基本的にラブラブな二人です。
でも微妙に行き違いから口論になったり、その後すぐに自然と仲良くなったりして良いかんじです。
時は幕末で、いろいろな有名人が出てきて主人公たちとからむんですが、あれだけ有名な幕末偉人と市井の人々のからみって、なんとなくほのぼのしていてよかったです。
それに娘の京都弁もはんなりしております。
でも実はかなり気が強いんだよね。
読み終わったら、まだ物足りないなぁ、続きはないのかなぁ?と思ったら、めでたくこのシリーズの続きが出ておりました。
まぁまだ明かされていない伏線も結構ありから、どこまで続くのか楽しみです。
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京都は三条木屋町の道具屋「とびきり屋」を切り盛りするのは、茶道具の大店から駆け落ちした娘と番頭。
大店の主人に仲を認めて貰いたいと思いながら道具屋として奮闘する二人の元へは、近藤勇や高杉晋作、勝海舟や坂本竜馬などが訪れ、騒動を起こしては去っていきます。
町人目線から幕末を描いたということで、大物を描いた政治的でシリアスな話ではなく、時代の流れよりは目の前の生活が大事、という感じで、かなりライトに描かれています。
京都の町人たちは、血気盛んで物騒な志士たちをけっこう冷めた目で見ていたんだろうなぁ、と感じさせます。
中でも、道具を目利きするのと同じように、人相からその人の性格をはかる、観相学を随所で利かせているのが面白かったです。
ぜひ、幕末志士たちの写真や肖像画と見比べながら読んでみたいですね。
京都弁も、頭の中で再生されるくらい言い回しが良かったです。
主人公夫婦が駆け落ちした身分ということで、周囲から嫌味を言われることも多々あるのですが、京都弁の嫌味ってほんときっついですね。読んでて悔しさゆえに歯ぎしりしてしまうくらい。
ただ、京都弁の「ほっこり」は「疲れた」という意味なので、「ほっとする」という意味で用いるのは誤りであることを、ここに密かに主張しておきます。
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「火天の城」「白鷹伝」に続いて山本兼一さんの作品。
前に読んだ2作とは文体がぜんぜん違う。同じ作家とは思えないが、でも面白い。
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全1巻。
幕末の京都で、
新撰組や高杉晋作、坂本龍馬ら
有名どころを脇におき、
「目利き」を武器に懸命に生きる
道具屋若夫婦が主役の人情もの。
シリーズとして続くのかな。
設定は興味深く、
職業小説が得意な著者にぴったり。
これ1冊だけだと、
有名どころや時勢との関わりが
やや物足りない感じ。
まだ若夫婦や店のみんなに愛着も薄いし。
すごくアクの強いキャラもいない。
商人の立場で有名どこと
時に対立、時に手助け。
続くようなら面白くなりそう。
京都弁溢れるはんなり系物語。
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舞台は幕末の京都。老舗の茶道具屋の娘ゆずとその店の奉公人だった真之介は、駆け落ち同然で夫婦となりの「御道具 とびきり屋」という店を開いたばかり。物だけではなく人と状況をも見抜く目利きと度胸で厄介事を乗り越えていく。近藤勇や坂本龍馬などの歴史上の有名人が次から次へと脇役として登場するのも魅力の一つ。連作短編集という構成とテンポの良い京言葉で、時代小説に馴染みがない私でもさくさく読めた。「金蒔絵の蝶」と表題作の「千両花嫁」がダントツで好き。