- 販売開始日: 2013/05/15
- 出版社: 新潮社
- ISBN:978-4-10-107231-9
楽隊のうさぎ
著者 中沢けい (著)
「君、吹奏楽部に入らないか?」「エ、スイソウガク!?」――学校にいる時間をなるべく短くしたい、引っ込み思案の中学生・克久は、入学後、ブラスバンドに入部する。先輩や友人、教...
楽隊のうさぎ
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商品説明
「君、吹奏楽部に入らないか?」「エ、スイソウガク!?」――学校にいる時間をなるべく短くしたい、引っ込み思案の中学生・克久は、入学後、ブラスバンドに入部する。先輩や友人、教師に囲まれ、全国大会を目指す毎日。少年期の多感な時期に、戸惑いながらも音楽に夢中になる克久。やがて大会の日を迎え……。忘れてませんか、伸び盛りの輝きを。親と子へエールを送る感動の物語。
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ブラス!!ブラス!!ブラス!!!
2003/03/23 03:29
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:homamiya - この投稿者のレビュー一覧を見る
引っ込み思案の中学生・克久は、入学後、ブラスバンドに入部する。先輩や友人、教師に囲まれ、全国大会を目指す毎日。少年期の多感な時期に、戸惑いながらも音楽に夢中になる克久。やがて大会の日を迎え……。
ストーリーは背表紙に書いてある上記のあらすじそのままで、それ以上のことは何も無い。実に平凡でありがちな感じがするが、本の良さは、あらすじだけではないのだという事を改めて感じた本だった。
この本には、リズムがある。
ブラス!!ブラス!!ブラス!!!
例えばこれは第四章のタイトルだが、県大会を目指して、寝ても覚めてもブラス!という夏を送る部員達をとてもリズミカルに表わしている。
わかりやすくリズムのある言葉に導かれて、読み手も克久と共に色々な気持ちを味わい、大会の日を迎えられるのだ。
心を灰色に塗り固め、学校で何も感じないようにしていた入学当初から、部活に入り、個性豊かな同級生や先輩とのやりとり、親とのやりとり、初めての大会で味わう敬虔ともいえる舞台、学年が上がってまた部活三昧の毎日、2度目の大会。
学生時代の部活というのは不思議だ。プロというわけではない。お金ももらわない。しかし、半ば強制力みたいなものもあり、時間をかけて同じ面子で何度も練習をすることになる。みんなで一生懸命がんばって何かを作る、と言葉で書くと何だか陳腐だが、そこから得られるものはなかなか他の時期・場所では得がたいものだと思う。
「うまい演奏や深い演奏はできても、こんな真剣な音は今しかできない」
と克久の先輩が言ったように、それを克久が「温かな生き物の体を抱きしめるように解った」ように、それは経験した人にはわかるのだろう。
そして、本を読んでその経験を疑似体験する読み手にも、わかるような気がするのだ。
登場人物もいい味を出している。
私のお気に入りは、1人は部活顧問の森勉、通称ベンちゃん。
音楽に燃える、クレイジーな先生で、指揮者でもある。部員達は彼の悪口を言い出すと止まらないが、ほかの先生と違って、ベンちゃんの悪口は言えば言うほど楽しくなる。そんな先生だ。この先生は、部活を通して「他者と比べては生まれないような質のプライドを生徒たちの中に作り出してしまう」すごい先生だ。学校でこんな先生に出逢えたらいいなと思わせるキャラクターだ。
もう1人は克久の胸に住む、うさぎ。裃をつけてはっはあと頭を下げたり、歌を歌ったりする。このうさぎが克久の成長に一役買っているのだが、ふつーにこういううさぎが登場するあたり、作者の遊び心と、そのウマさに感心する。
読書感想文に
2015/10/30 18:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くれあ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読書感想文で、この本を読ませていただきました。
吹奏楽部員としても、とても面白かったです。
あれから30年
2013/12/21 16:46
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:月 光 - この投稿者のレビュー一覧を見る
中沢さんお元気でしょうか。「えっ元気すぎるほど、おげんこ」それは結構。しかし中沢さんあなた、ちょうど当時来日していたフランソワーズ・サガンさんを見て「わたしの30年後を見るようだ」がとうとう来ましたね。どうでしようか、細身のサガン女氏とあなたの・・・・・のようなを体付きの中沢さん。しかし「海を感じる時」売れましたね。ほんと。どうでしょう綿屋りさの「蹴りたい背中」の感想文。お書きくださいませんか。ご自身のご自身のご体験をもふまえた文章を。
しかし中沢さんってそんなにお勉強がお好きだったとは、日大講師から法政大教授とそのような人生を歩まれるとは当然あの当時を知るものとしての、偽ざる感想です。
入試問題に頻出
2015/12/12 14:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けんたん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は,国語の入試問題に頻繁に出題されています。
主人公が中学生であること,イジメ等の学校内の問題にも触れられていることが,その理由でしょうか?
受験勉強の合い間に読んでおかれることをお勧めします。
作者は女性なのに,中学生男子の心理を深く理解しておられることに感心しました。