- 販売開始日: 2024/09/05
- 出版社: 新潮社
- ISBN:978-4-10-125421-0
十九、二十
著者 原田宗典 (著)
僕は今十九歳で、あと数週間で二十歳になる―。父が借金を作った。ガールフレンドにはフラれた。せめて帰省の電車賃だけでも稼ごうとバイトを探したが、見つかったのはエロ本専門の出...
十九、二十
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商品説明
僕は今十九歳で、あと数週間で二十歳になる―。父が借金を作った。ガールフレンドにはフラれた。せめて帰省の電車賃だけでも稼ごうとバイトを探したが、見つかったのはエロ本専門の出版社だった。岡山から東京に出てきて暮らす大学生、山崎の十代最後の夏は実にさえない夏だった。大人の入口で父の挫折を目にし、とまどう青年の宙ぶらりんで曖昧な時を描く青春小説。
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暑くだるい青春時代。
2001/07/01 13:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うり - この投稿者のレビュー一覧を見る
彼女にふられ、父親は借金をつくり、始めたバイトはエロ本出版社だった。
人生、上手くいかないときは、とことん上手くいかない。そんな中で20歳になろうとしている主人公・山崎は、
勇猛果敢に戦うでもなく、かといって逃げ出すでもなく、次々やってくるさえない出来事を、ただただ受け止めて困惑して、イライラしてやり過ごしていく。そこが、とてもダサくてとてもリアルだ。
青春小説なのだけれども、そこで若者に教えを説こうとか、勇気を与えようなどというおせっかいは一切しない。読み手側にとっても、読み終わったからサッパリするとか、希望を与えられるなんてことは、一切無い。
けれども、生きてく上での普遍的なダサさ、やるせなさがこの一冊につまっていて、「そうなんだよなぁ」と頷ける一冊。
永遠に続くかのような、けだるい十代最後の夏
2002/07/28 17:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:17Caesun - この投稿者のレビュー一覧を見る
さえない主人公の、華のない十代最後の夏。
どんなに落ちぶれても、若者であるかぎり、未来だけはその手の中に残るといわれる。
しかし、主人公の父は借金を抱えている。借金もまた未来に残る。希望の持てない
状況のはずなのに、けだるくとも絶望感までは漂っていない。
バイト先の潰れかけたエロ本出版社では、周りの大人もロクデナシばかり。
それでも、時々そんな大人たちが後輩を気遣う姿勢を見せる。本当に気遣ってくれている
と思える人物もいれば、それすらも単に、先輩面したいだけなのではないかと思えるほど
のロクデナシもいる。
そんな登場人物に騙され、時に助けられ、また騙されて、主人公の毎日はやっぱりけだるい
だけの生活。それでもこの宙ぶらりんの状態から、いつかは抜け出せるような気もする。
同じ大学生活を扱った作品でも、鷺沢萌の著作はまるきり正反対で、車でデートして、
皆で楽しく飲んで・・・といった明るいこと、格好いいことばかり強調されている。
しかし、それでも将来に対する不安が行間から頭をもたげてくる。楽しかろうが、
苦しかろうが、この状態がずっと続くわけではない、という点では同じだ。
いつかは終るはず、でも先が全く見えない、そんな雰囲気で話は進む。
退屈な展開のはずなのに、そこに漂う空気は現実的で、どこかで体験した事がある。
主人公は何事にも受身の姿勢で、
積極的に状況を打開しようとか、或いはそこから逃走しようとは考えないのだが、
起こってしまった事態にはそれなりに懸命に対処する。それでもうまくいかない。
もがいても前に進めず、ただ何となくじりじりと、時間だけがゆっくり過ぎてゆく。
焼けるような黄色いバックに、うつむいて歩く表紙の絵が内容を現していて面白い。
ただ生ぬるいだけの僕
2001/05/30 03:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:緑川 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ビンボーだった。激しく悩んだ。それでも世間からは隔離され、<世界の王様>でいられたのに、突然現実が身にしみる。残されたのは、欲望に身をこがすこともできないどんよりと生ぬるいだけの<ぼく>。大学生活の空気までがリアルに再現される。