- 販売開始日: 2013/05/15
- 出版社: 新潮社
- ISBN:978-4-10-126431-8
ロックンロールミシン
著者 鈴木清剛 (著)
賢司は入社二年目の“リーマン”。仕事は順調、彼女もいるのに、なんだか冴えない毎日。そんな時、高校の同級生・凌一がインディーズブランドを旗揚げした。気の合う仲間と作りたいも...
ロックンロールミシン
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商品説明
賢司は入社二年目の“リーマン”。仕事は順調、彼女もいるのに、なんだか冴えない毎日。そんな時、高校の同級生・凌一がインディーズブランドを旗揚げした。気の合う仲間と作りたいものを作る――そんないい加減なことでいいのかよ!? そのくせ、足は彼らの仕事場に向かい、曖昧な会社生活をリセット、本格的に手伝うようになるのだが……。ミシンのリズムで刻む8ビートの三島賞受賞作!
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20代の自分の姿と重ね合わせて
2002/07/16 11:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:べが - この投稿者のレビュー一覧を見る
仕事に嫌気が差して、会社を辞めた賢司は、インディーズブランドを立ち上げた高校の同級生と出会う。賢司は、成り行きで彼らの手伝いをすることになるが…。
アウトローな凌一たちの生き方に、少しずつ惹かれながらも、何か違和感を感じる賢司。自分に向いているものは何だろう? 自分の居場所はどこにあるんだろう?
遅くまで残業し、寝るためだけに家に帰る毎日を過ごしながら、自分にはもっとやることがあるはずだと信じていた20代前半の自分の姿と重なり、とても共感が持てました。
新しい事を始めようとして、でも躊躇している人へ
2004/10/15 02:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミスケピエール - この投稿者のレビュー一覧を見る
渋谷系として知られる若手作家、鈴木清剛の三島賞受賞作である。
サラリーマンの賢司を語り手に、彼と、その友人でデザイナーを目指す凌一とその仲間達のある一時期について描写する。
賢司は凌一たちの立ち上げたインディーズブランドを「遊び」だと見下しているにもかかわらず、だんだんと手伝いにのめり込んでいき、ついには会社をやめてしまう。一方、凌一は「作りたいものを作る」という信念を持ちながらも、ブランドとしての採算や発展を考慮したり他のメンバーの意見を入れたりするうちに、ずるずると不本意なものを作るようになってしまう。状況に巻き込まれるようにどんどん変わっていく自分、それに違和感を隠せない心、葛藤はやがて凌一を爆発させる。
不本意な作品を切り捨ててもう一度やりたいものを作ろうとする凌一、やはり自分にはサラリーマンが合っているのだと再就職先を探す賢司。形としてはもとに戻ったかに見える。だけど、そこにはすったもんだ苦しんで考えて、また少し自分というものについて知った彼らがあるんだと思う。
自分に合わないものに憧れたり、今の自分に不安になったり。でも、いろいろあってもやっぱり落ち着くところに落ち着くんだ。心配要らない。そう思わせてもらった。
今の自分のままでいいのか、新しい事を始めようか、そんな風に不安がっている人に。
本書を読むと、とりあえずその方向に思いっきり突っ走る気になれるかも。いつだって、もとに戻る事はできる、そう思えば不安だって少しは減るんじゃないかな?
ロックンロールミシン
2002/07/13 15:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:k.m - この投稿者のレビュー一覧を見る
こ女性1人に男性2人。この「ドリカム系」とも言える…そういえばもう3人じゃないんだっけ? それではこの「リトル・エブリシング…」…これも違ったっけ? そんな訳で必ずしも長く続くことのない(?)この組み合わせによる、建築系で言うと「ユニット系」は、この小説の柱となっている。賢司という刹那的な語り手である主人公への共感という楽しみもあるが、ここではむしろこの「装置」へ注目してみる。
まさに可動し、そして崩壊していく間を描いたもので、しかしこの組み合わせには事件が付き物だ。やはり3人の中に男女のペアが発生してしまうことが破綻へのキッカケなのだろうか。必ずしもこの小説では「それ」が原因として描かれていないものの、やはりペアは存在していた。ではもっとほかに構造的に見えてくるものはと言えば、それは創作にかかわる「立ち上」げと「挫折感」ではないだろうか。
椿は「確実」な技術力とは裏腹に、凌一の「粗雑」ながらも型破りな姿勢に創作の原点のようなものを見ているし、カツオや凌一も自分に足りないものを他の2人へ見いだし、3人の夢を叶える「装置」として「STOROBO RUSH」を立ち上げたのだろう。そして一度「可動」し出した装置は、その勢いに任せて進むのだし、それを動かしていく「意志」とのバランスによっては、少しずれたところで動いて行くものだ。
複数の意志を「一つ」の流れとして結合し、おのおの参加している「意志」を満足させることは困難だ。むしろ無理なことだと思う。しかし創造の過程に参加し、一つの意志を「引き受け」て、「自分」の作品として帰属していくことはあると思う。
では何が違うのか? 「前者」には妥協が目的化していく危険性があり、誰の意志によるものでもない、棚上げ感にも近い作品になってしまう構造がある。そして「後者」には、「妥協を許さない」という信念の様なものが、ひとつの「意志」となって、作品そのものの個別性とは違った、やや精神的なレベルでの繋がりを生み出すからではないだろうか。
何れにしろ作品を作り上げる「意志」というものは一つしか存在出来なくて、この物語のように「装置」を可動し続ける目的のなかに3人が持ち合わせた「それ」が回収されてしまった事への危険性に、「まった」をかけたのが凌一であって、鋏で切り刻む事が破綻への「儀式」でありまさに「リセット」であった。
創作とは本来厳しいものであって、それに立ち向かう勇気を「ユニット」は生んでくれた。そして次へのステップへと向かわせるための「儀式」によって締めくくられた。これ以上充分に「可動」出来た「装置」はないのではないか。ラストのフリスビーへは、むしろその充実感すら感じてしまう。
若い...
2002/06/11 11:52
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ラマ姉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
bk1で面白そうなのないかなーと物色してぶつかった本です。一晩(数時間)で読める軽いおはなしです。そして若いです。
登場人物を「今時の若者」っぽく作りすぎていないところに好感をもてます。時代背景をずらしても成り立つような、いい意味での「薄い」現実味がありました。会話が多いのも「若い」と感じた理由のひとつかもしれません。そのへんにいそうな若者たちの、そのへんできけそうな言葉。
強く共感を覚えたり、感動するような本ではないけれど、自分は本当は何がやりたいのか、というより、そもそも何が出来るのか、なんてことを少し考えさせられました。
フツーの青春小説
2002/07/03 13:05
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投稿者:白井道也 - この投稿者のレビュー一覧を見る
夢に向かって服を作っている奴らがいる。そんな奴を尻目に会社勤めをしたものの、なんとなく退社して、同僚の恋人ともうまくいってない奴がいる。服を作ってるやつらは「まったく新しいものを作るんだ」と息巻いたり、「本当にオリジナルなものなんて存在しないのよ」と反論したり。
どこにでもある光景だし、どこにでもある思想だし、一度読めばどこかに行ってしまう文章だし。面白くなくはないけど、なんでこれが三島由紀夫賞を受賞してしまったのだろう。