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投稿者:キラキラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ピーターさんのラジオに対する真摯な向き合い方に頭が下がります。毎回、全力姿勢のピーターさんだからこそ、
リスナーの方に充実した時間を与えられるのではないでしょうか。リスナーのためのラジオ、ということを自覚されているピーターさんは、リスナーを楽しませる術を知っている方なんだなあと思いました。何度も何度も読み返している本です。
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ミュージック・マガジン、シティロード、ポッパーズMTV、ウィークエンドサンシャイン…考えてみればピーター・バラカンさんとのつき合いも30年以上になる(つき合いといっても、読者でありリスナーであるというだけだけれど)。
来日してから現在までの色々な事が語られる。とても興味深い内容だった。そのひとつひとつに対してコメントをしたい気持ちだけれども、それはとてもこの場では書ききれない。
ラジオへの想い、そして現在のラジオへの危機感にはとても共感する。魅力あるDJが選曲して音楽を語る、そんな番組がもっとあればいいと思う。でも、マニアックともいえるバラカン氏や山下達郎氏の番組が支持されているのを見ると、いい音楽を聞きたいというニーズはあるのだと思う。でも、今の若い人はほとんどラジオを聞かないんだよな…と思うと、やっぱり将来は暗いのかもしれない。
★を4つにしたのに特に意味はありません。5つ★でも良かったのですが、なぜか遠慮しちゃいまいした。
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ピーター・バラカンファンとしては読まない訳にはいかない。
大学生の頃、「ポッパーズMTV」をよく見てました。
ロバート・クレイやスタン・リッジウェイを知ったのもあの番組でした。
映画もいろいろ紹介してくれました。
私は相当バラカンさんの影響を受けて青春時代を過ごしました。
これはバラカンさんの音楽人生を辿る本です。
70年代から現代まで、日本と世界の音楽を取り巻く状況を振り返りながら。
バラカンさんはラジオでは淡々と喋るけど、私はその中にいつも強くて固い芯を感じてきました。
その固い芯の部分に少しだけ触れることができます。
日本に来て音楽業界で働き出した頃の話がとても興味深いです。
業界の裏話もあります。
日本の文化やビジネススタイルに戸惑いながらもバラカンさんが音楽と誠実に向き合ってきた様子がわかります。
現在はネット配信なしには音楽ファンや映像ファンは生活できない時代です。
バラカンさんはそれらの可能性をおおいに認め、取り入れながら自分が良いと思う音楽を伝えていく方法を探っています。
「ラジオに魔法を取り戻す」キャンペーンなんて素敵すぎますね。
年代ごとにバラカンさんが選んだ10曲も載っています。
これらの曲を探してじっくり味わうのも楽しいでしょう。
バラカンさんが日本に来てくれて本当によかった。
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ピーター・バラカンによるピーター・バラカン伝。音楽とのつき合いを語るはじまりは、パイレーツ・ラジオやジョン・ピールの話から。音楽の好みはそんなに重ならないけど、大事な場面で影響受けてる。自分の音楽体験も振り返って。読んでる間ずっと、あの静かな声が語りかけてきて心地よい。
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ピーター・バラカンのラジオを通した自伝。
元々、老成したイメージのある人だけれど、音楽に関しては一貫して協調性がない点が面白い。
苦手な音楽を否定する事はないが、後から好きになるといったことが殆ど書かれておらず、ディスコなどに関しては一貫して冷淡な様子が意外だった。
このある種の協調性の無さからか、自分が関わったラジオやテレビでもずっと自由な編成を求めていたことがわかり、そこから著者の誠実さが浮かび上がってくる。
時代を振り返る本としても読め、ラジオというメディアの最良の部分も感じさせてくれる良い本です。
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バラカン氏のファンなので買ってしまいました。
音楽への情熱、それからあの日本語のうまさの秘密(あれば)探りたい。
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ラジオDJ、Peter Barakanの半生をまとめた自叙伝。特に来日後のラジオやテレビなどメディアの活動を中心に業界の置かれている状況が語られています。欧米で考えられているラジオと日本で考えられているラジオの立ち位置が対比で書かれていてとても興味深かったです。また彼の選ぶ10年毎の10曲はチェックしてみたいです。業界を目指す人は読んだほうがいいと思います。余談ですが、彼の尊敬するジョン・ピール氏のDJの模様は、様座なアーティストが出しているBBC sessionsのようなCDで実際に聴くことができます。
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V-LOWのバタバタと並行して読了。バラカンさんと直接お会いしたことはないのですが、イギリスのラジオ事情を丁寧に書いてあって、なぜInterFMの役員を引き受けられたのか、想いがよくわかりました。
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ピーター・バラカンが自分史を語ることで、日本の音楽(業界)史を語る。自由に選曲させてもらえない鬱憤など、いちいち興味深い。
ラジオというメディアに悲観的でありながら、ラジオに魔法を取り戻したい熱意。読んでるとラジオを聴きたくてたまらなくなってくる。
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ピーター・バラカンって坂本龍一のサウンドストリートに時々出てたときから知っているわりには、どんな仕事をしてきたか全体像がわからなかったのですが、本書にはライフヒストリー的なことやメディアとの関わりが語られていて、ようやく彼のスタイルや立ち位置が理解できました。
ラジオへの愛、共感できます。
インターFMの執行委員をやっているというのも初めて知りました。今まであまり聴いていなかった局だけれど、これからは聴いていこうと思います。
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ラジオを聞いていたのは高校生だった91年から96年くらいかな。その頃音楽に興味がわいてきた時期だし、バイト先のレコード屋でずっとかかっていたのもあるかも。好きな番組も出来て毎週かかさずチェックしてたように思う。大学に入るとインターネットにどっぷり浸かってしまい、まったく聞かなくなってしまった。ラジオの記憶というと、92年の秋くらいかクラプトン特集が深夜に一週間くらいあって、ちょうどその年の9月に出たアンプラグドで大好きになって勇んで聴いてみたら、クリームとかデレクアンドザドミノスのオリジナルなレイラを聴いて衝撃と戸惑いを感じたのを今でもよく覚えている。ピーターバラカンさんのこの本を読んで、みんなそれぞれの思い出をたどるのではなうでしょうか。
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普段から語り口や選曲が好きな人でしたが、どういうふうに日本で今のような立ち位置に至ったか、どうして今のような番組のスタイルになったのか、そういうことが判って興味深かったです。
70年代から各時代の思い出深い曲を各10曲ずつ紹介するリストや、時代を動かしたプロテストソング50曲などのリストも載せられています。
何曲かリストに沿って解説を読みながら聴いてみましたが、ピーターさんの番組をそのまま聴いているような気分になれました。続きも徐々に聴いていきたい思います。すごく贅沢な時間が得られます。
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ピーターさんが74
年に来日してから現在までの回想。ディジタル放送、ネットラジオを経て、クラウドサービスとの競合時代と、変遷を重ねるなかでラジオの意義を考える。
このひと、とっても真面目に真摯に自分の業に取り組んでいることがまっすぐ伝わってきて、読んでいてとっても清々しい。音楽好きとして勉強になりました。
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ぼくが来日した頃、沢山あった音楽雑誌の中でもFM誌の人気は高く、エア・チェックするリスナーのために各番組の中身が細かく掲載されていました。しかし、実際に番組の選曲をするようになった八〇年代半ば以降、番組内容を放送の一カ月前に決めて欲しいと言われて愕然としました。要するに、隔週発行のFM誌の締め切りがあるからです。ただ、そんなに早く決めてしまうと、世の中で起きていることに反応したタイムリーな選曲ができないのがつまらなく、納得行かないので、いつも「曲目未定」と掲載してもらい、後から情報を送るようにしていました。
九〇年代に入ると放送事情が色々と変わり、特に昼間は生放送のワイド番組が主流になった関係で、エア・チェックする人が減り、リスナーがFM誌を重宝する習慣が薄れました。八〇年代には人気を競っていた四~五誌が段々消えて行き、最期に残っていた『FM fan』も二〇〇一年に休刊しました。(「ラジオのこちら側」 ピーター・バラカン)
「最近の若い人」なんて言葉を使うのも何だが、最近の若い人の中には、「エア・チェック」なんて言葉を知っている人が随分減っているのではないか?
エア・チェックとは、ラジオで流れる音楽をカセットテープで録音することをいい、ピーター・バラカンさんが書いているように、かつてたくさん存在したFM誌の番組表を調べては、自分が録音したい音源をいち早くチェックし、テープレコーダーを用意しては、録音したものだ。インターネットなどない時代である。音楽に関する情報は、ラジオか雑誌しかない有様であった。無論YouTubeなどない。今と違って、レコード店では試聴もできないから、ラジオで耳にしていいと思ったものをレコードで買う。LPレコードが一枚二千数百円した時代である。中学生の頃、ひと月の小遣いが二千円足らずという時代。一枚のレコードを買うことが、いかに大変であったかを思い出すと、大切に音楽を聴いたなと思う。現在のように、YouTubeで好き勝手に音楽を聴いたり、CDショップの店頭で試聴したりできる、まさに音楽の大量消費の時代ではなかった。
今思えば、熱心に音楽を聴いた時代だった。言うまでもなく、わずか三十年前のことである。当時よりも現代の方が、比較するまでもなく便利であるのだが、あの頃のように、今、全身が耳になるぐらい音楽を熱心に聴いているか、鑑賞しているかというと疑問である。自分でも時々感じるのは、音楽を消費しているなとか、または、垂れ流していなとか思う時間も決して少なくない。
僕は中学、高校と暇があれば、ずっとラジオを流しっぱなしにしていることが多かった。友だちの中にはAMで放送する「オールナイトニッポン」がおもしろいから、昨夜も寝られなかったというやつもいたが、僕はもっぱらFMで音楽を聴くことの方がずっと好きだった。ラジオの語りなんて面倒で聞いていられなかった。ただ、自分の知らない、聴いたことが無い、よい音楽に飢えていたのだと思う。
八〇年代の音楽は不毛だったなどと言われるが、そんなことはなかろう。いまさらここで、アーティストの名前をいちいち列記するのも馬鹿げているので書かないが、その時代にはその時代を表す音楽���必ず現れるわけであり、それは時代と時代とを比較して一方が不毛であるとか、一方が豊かであるとかといった単純な比較を許すものではない。
だから、僕の十代からFMラジオがなかったらと考えるとちょっとぞっとする。
ラジオで知った音楽の中で、これはいいと思ったら、こつこつと小遣いをためて、レコードを買った。
レコード店で買ったディスクを自転車のかごに入れて、帰宅すると、自分の部屋に行き、ステレオセットの前に座り込む。やっと買えた一枚のLPをジャケットから慎重に取り出し、盤面に付着した埃を専用のクリーナーで取り払い、静電気防止用のスプレーを振りかける。ディスクをおもむろにターンテーブルにセットした後は、レコードの針も専用のクリーナーで掃除する。静かにアームを持ち上げ、回転するレコードの端に、恐る恐る針を近づける。針を盤面に落とした瞬間、
「ブツ!」
という音とともに、暖かみのある、柔らかいノイズがスピーカーから流れ出す。そして、いよいよ鑑賞である。
小学生の頃には、ライン録音など知らなかったから、ステレオセットのスピーカーにラジカセをぴたりと並べて、レコードの音を直接カセットテープに録音したものだった。
さすがに、中学生の頃になるとライン録音によりレコードから録音したのであるが、どうにもレコードの立てるノイズが気になって仕方ない。やはりFMから録音するほうがずっと音がいい気がして、FM誌を毎週買っては気になる音源をエア・チェックした。そうして録音した中でも、忘れられないのが、ビートルズの唯一のライブアルバム「The Beatles at the Hollywood Bowl」である。これを中学一年生の夏にエア・チェックし聴いたことから、洋楽に興味を持つようになった。
あの頃、録り貯めた音はどこにいっただろうか。
ピーター・バラカンさんのこの本を読んでいて、今から三十年前を思い出してしまった。
かつてこんな時代があったということを紹介するこの本は、まるで、彼のラジオ番組のように、どこか時代の継承ということを意識したものかもしれない。
デューク・エリントンがいうように、どんな時代にも、音楽にはいい音楽と悪い音楽しか無い。
There are only two types of music 'good' and 'bad'.
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バラカンさんが東京に来てからの40年をどう過ごしてきたか。
バラカンファンだけでなく音楽ファンには興味深く読めた。