- 販売開始日: 2013/05/17
- 出版社: 日経BP
- ISBN:978-4-8222-4921-2
機械との競争
著者 エリック・ブリニョルフソン (著) , アンドリュー・マカフィー (著) , 村井章子 (訳)
MITスローン・スクール、デジタル・ビジネス・センターの研究者2人が2011年に自費出版した本書の原書であるRace Against The Machineの未来予測は、...
機械との競争
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商品説明
MITスローン・スクール、デジタル・ビジネス・センターの研究者2人が2011年に自費出版した本書の原書であるRace Against The Machineの未来予測は、アメリカ国内外で大きな反響を呼んだ。
リーマン・ショック後、世界的な経済危機は脱しても一向に失われた雇用が回復しない状況に、経済学者は頭をひねってきた。代表的なのはポール・クルーグマンが唱える景気循環説。雇用の回復が弱く、需要が不足していると見る。第二の説明は、タイラー・コーエンが提唱する技術革新の停滞説。経済を進歩させる新しい強力な発想が生まれてないからだと見る。
これに対して、本書の2人は、技術の進歩が速すぎて起きる雇用喪失説の立場をとる。つまり、コンピュータとの競争に人間が負け始めていることこそ、雇用が回復しない真の原因であると主張する。
目次
- 第1章 テクノロジーが雇用と経済に与える影響
- 第2章 チェス盤の残り半分にさしかかった技術と人間
- 第3章 創造的破壊 加速するテクノロジー、消えていく仕事
- 第4章 では、どうすればいいか
- 第5章 結論 デジタルフロンティア
- 解説 小峰隆夫・法政大学大学院教授
著者紹介
エリック・ブリニョルフソン (著)
- 略歴
- MITスローン・スクール経済学教授。デジタル・ビジネス・センターのディレクター。
アンドリュー・マカフィー (著)
- 略歴
- MITスローン・スクール、デジタル・ビジネス・センター主任リサーチサイエンティスト。
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書店員レビュー
本書はテクノロジーが雇用を減ら…
ジュンク堂書店京都店さん
本書はテクノロジーが雇用を減らし、失業率アップをもたらすという衝撃的な問題を論じている。いままで人間が行なってきたことをコンピューターがし、それにともない、その仕事がなくなる。人間のみでコンピューターでは代替出来ないとされてきたことが急速な進歩により、コンピューターでもできるということが起こっている。益々不安で複雑な心境になってしまう。
競争するというよりか、共存して高めあっていくという考え方はできないのか。何かが良くなれば、一方で負の部分がでてくる。
本書では、最終的には楽観論で終わっているが、そう落ち着く為には人間のたえまない努力と勉強が必須であると考える。
山中
機械との競争
2013/02/22 23:48
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TM - この投稿者のレビュー一覧を見る
現在の米国の失業率が高止まっている要因を考察した本。
バーナンキFRB議長らは需要不足によるシクリカルな要因によるところが大きいと主張している。一方で、タイラー・コーエン氏は容易に収穫できる果実が食べつくされたことによる長期的な停滞が原因と主張する。
著者が主張するのは、コンピューター等の技術進歩が速すぎることで、人間がその進歩に追い付けないことが失業率が下がらない背景だと主張する。
米国経済、日本経済を見通すうえで重要な視点を与えてくれる。
来るべき機械化された社会に備える
2015/09/23 15:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Michiyuki - この投稿者のレビュー一覧を見る
今年に入り、人工頭脳や自動化を巡る話題へ注目が俄然集まっている。30年後の 2045年にでもやってくるという技術的特異点 (Technological Singularity) もかなり大真面目な議論対象となってきた。
一体どういう事態になるのか理解を深めたいと思っていた中で読んだ本だ。
この本を手に取ると一目瞭然だが、装丁が独特だ。更に黄土色の厚手の紙質に紺色の印字という大胆な製本が読む者の気持ちを引き付ける。そしてページ数が少なめだ。僅か 200 ページあまりしかない。しかし内容は十分だ。様々な経済統計や資料、調査結果を列挙して「機械」によって多くの雇用が失われ実感の乏しい経済成長が進んでいる実態を浮き彫りにしている。
何度もキーワードとして現れるのが「チェス盤の残り半分」である。指数関数的な影響力の増大を表す表現で、今まさに機械化の影響が一気に加速する場面だと警鐘を鳴らす。
半導体の性能向上指標である「ムーアの法則」を例に出すまでもなく、コンピューターは高度化していき、我々は年々依存度を増している。単に依存するだけではなく、様々な業務分野で労働者が駆逐されているというのがこの本の中での大きなテーマになっている。
しかも駆逐されるのは比較的単純な業務とは限らずむしろ高度な専門知識が要る分野も含まれるというのだから無関心ではいられない。
機械を「持つ者」と「持たざる者」との対立が明確になるとの記述は背筋が寒くなる思いがした。
しかし著者らは将来に楽観的な見通しも立てている。人間と機械の最良の組み合わせを模索すれば優れた結果をもたらせるだろうということだ。具体的な方法は各方面で様々な取り組みの中から見出すしかなさそうだが、この先に現在は想像だにしなかった新たな職種、労働市場が生まれることを願う。
著者らがまとめた政策提言も興味深い。教育分野重点化はまったくその通りだと思うが、労働流動性促進のため住宅補助を打ち切れとの内容はドラスティックだと思う。現状のアメリカですら労働流動性が足りないとの認識であるが、著者らは日本の労働市場をどのように見るだろうか?
全体を通して、現在の世界的な景気減速や恩恵の行き渡らない経済成長は、根底に機械化や自動化が起因していると思うようになった。著者らの主張が正しければ、各国政府が実施している経済政策は根本に誤りがあるかもしれない。
機械に労働が奪われている現実を直視し、知恵を絞って次世代の雇用を考える必要性を痛感する。
しかし、日本版の解説を寄せた元経済企画庁のエコノミストは、ご自身が官僚時代労働派遣の規制緩和を実現させて日本の企業や労働者が90年代を乗り切ったという趣旨の事をあっさり書かれているが、派遣労働者の大多数が賃金、待遇、そして生活でずっと辛酸を舐め続けていることはご承知されているのであろうか?
「経済学的に正しい」機械による人類支配の可能性を書いた本
2013/10/14 17:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:でんしゃずき - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔から機械,具体的にいうとロボットやコンピューターの「反乱」によって人類が支配下に置かれる,奴隷となる,果ては滅亡する,てなSFものがあった。そちらの方は不勉強だが,未だ「人間の思考レベルには機械は到達してはいない」ようである。
しかし,本書を読むと機械化の進展が人間を「経済面において」不幸にする可能性はむしろ高まったという印象を受ける。この200年ほど,経済活動における機械化はそれにより奪われた「以上」の雇用を創出したという。しかし,近年は「そうではない」というのだ。
製造業においては,我が国ではこの十数年ほど,人件費の安い新興国への「産業構造の空洞化」が問題視されてきた。製造業への派遣労働解禁も「国内雇用を守るため」という理由もある。しかし,3Dプリンターの例がそうだと思うのだが,「国内でしか出来ない製造技術」も「機械」に取って替わられる可能性が出てきた。
国内製造業の雇用問題といっても,正規・非正規問わず,労働者は「新興国」と「高性能な機械」の「2つの敵」に挟み撃ちされつつあるといえるだろう。
もっとも,この「2つの敵」は同根ともいえる。低賃金で高品質の製品を製造し,輸送コストも低く抑えられるのもITの発展に支えられているはずだから。
よって,このまま機械が進歩すると「仮定」した場合,「仕事それ自体」が減少し,多くの人々が低賃金どころか収入を得られず,上記のSFのような世界が出現する,というわけである。即ち,思想や行動ではなく,「経済的な面」で人間は機械に打ち負かされ,自由を失い,服従させられるという「反ユートピア」が出現する,という嫌な予想である。
もっとも未来,特に人間社会のそれは極めて予想が難しい。日本語版解説者は疑問の立場を取っている。
内容は短いくらいで読みやすい,デザインに凝り過ぎている印象はある。しかし,前述の解説と合わせ,「これからの世を生き抜いていく」という意思をお持ちの方に「参考書」としてお勧めしたい。そう,正確な未来など分かるわけはないのだ。
セカンドを読むのであれば不要かも?
2015/12/28 12:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しんしん - この投稿者のレビュー一覧を見る
セカンドオブマシンエイジを読むための前提で読むのであれば、恐らく不要と思われます。セカンドで大体内容が被ってます。