日本再生のキーワード。
2010/06/24 08:59
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は三菱商会を創立した岩崎弥太郎、三菱グループの礎を築いた弥之助など、三菱四代の物語である。しかしながら、読み進むうち、岩崎家の生きざまを紹介しながら、著者が日本再生のキーワードを発していることに気づく。
・たとえ、その人脈がプラスにならなくても、さまざまな人間と接触することで、視野は確実に広がる。
異業種交流会に参加することで未知の人物と知り合い、そこから利得を引き出そうとする人が多いが、目的は利益の誘導ではなく、自身の社会観察眼、人物の観察眼を鍛えることにあると説く。
・国家目的に立った為政者的な見地から、弥太郎は事業を経営したのである。
企業人として企業は「公」であることを訴えている。一時期、株主還元を求める声が高かったが、株主のための企業ではなく社会に求められる企業でなければ肝心の会社がつぶれてしまう。今の時代、すべからく欧米流の金銭による利得だけで勘定するが、それだけではない経営哲学があることを本書は教えてくれる。
今、日本は「パラダイス鎖国」と言われている。住み心地の良い日本から若者が飛躍しようとしないそうだが、それは国際人を養成しなければという国家の指針から外れた現状となっている。この点も著者は教育改革として問題を提起する。
この一冊を三菱四代の記録として読むか、現代の混沌とした社会を生き抜く心構えと読むかの違いだが、著者の目的は後者にある。
投稿元:
レビューを見る
三菱財閥創始者・岩崎弥太郎の豪放かつ緻密な経営術
其の壱:接待費を湯水のように使い、交渉相手は酒と女で籠絡する。
其の弐:士族にも商人の格好をさせ、顧客サービスを徹底する。
其の三:あえて社則で社長の独裁を宣言し、組織の結束を固める。
其の四:万が一に備え、いつも第4の策まで考えて行動する。
其の五:高い給料で超エリートを採用、外国人もどんどん採用。
だそうです。覚えておこう♪
投稿元:
レビューを見る
龍馬伝の実質的主役(になっちゃった)
とも言える、岩崎弥太郎。
日経新聞の広告を目にして
ちょっと読んでみようと3時間くらいで通読。
史実の整理、軽い文体。
歴史の入門編、という意味ではおもしろぃ
ビジネス立志伝的要素も取り込まれようとされていますが
その辺の筆者の意見と批評が、独自性と論理性において
若干ぺらぺらなのは、「新書」を意識してのコトでしょう
そう考えると、790円は高い。
新書って、ホントはワンコイン(500円)の価値を提供する
そんなフォーマットなんじゃないかなぁ
なんて感じた一冊でシタ
投稿元:
レビューを見る
NHKの大河は見ていないけど、面白かった~。
三菱の弥太郎、弥之助、久弥、小弥太と続く4名の創始者の話。
会社の馴れ初めもわかる。
この著者が自分の意見を結構織り交ぜて書いているから、なおさら面白かった。
昔の人の話ってある程度美化されて伝わってるんだろうな、とは思うものの、歴史って面白いなぁと思った。
投稿元:
レビューを見る
NHKの「龍馬伝」から岩崎弥太郎に興味を持って読んでみた。
三菱の規模の大きさ、それを作り上げた岩崎家4代のすごさを実感した。
投稿元:
レビューを見る
今、龍馬伝で注目を集めている岩崎弥太郎とこれに続く岩崎家全四代の絵巻を解した本。非常に面白かった。弥太郎の成り上がり、それを引き継ぐ弥之助の冷静な事業拡張、久弥への禅譲、さらに小弥助の事業拡大。国家と企業という関係を鮮やかに描いていて、一気に読んだ。三菱グループの成り立ちというものを明確に理解できた。何より語り口がわかりやすい。小弥助の言葉「我々は大いに競争すべきである。然し私は我々の競争をして量の競争たらしめず寧ろ質の競争たらしめたい」という言葉はまさに日本の競争政策の根本的な問題を喝破しているものだと思った。わかりやすさの面で良書。著者の他の著作もぜひ紐説いてみたい。
投稿元:
レビューを見る
一言で言って、
龍馬伝とは違います。
①弥太郎の弟、二代目弥之助の禅譲は鮮やかです。
②日本は近い将来、昭和恐慌が再び起きるでしょう。
③弥太郎は、漢詩が得意でした。
④偉人は、大人になっても夢を持ちます。大風呂敷は、大切です。
⑤弥太郎は、牢で商売を覚えました。
⑥弥太郎は、長崎で人脈を広げました。アポなし面談をしていました。
⑦人間は、性欲と食欲は抑えられません。
⑧成功には、努力が必要です。
⑨三菱商会は、士族の誇りを捨てました。
10三菱の社員にロボットは、不要です。高いプライドと見識が必要です。
11今の企業人には、公共心が失われています。
12弥之助は、小早川隆景になりました。
13子供のときは、質素な生活をして、我慢を覚えます。
14国家が第一です。
著者は、現代を嘆いています。
投稿元:
レビューを見る
龍馬ブームの最中×テレビ番組で話題の著者
ともすればつまらなくて上っ面だけの本になりがちだが、この本は違った。
三菱グループ(正確には日本郵船。商事や他の企業は甥の弥之助)の祖である岩崎弥太郎の生涯を中心に、戦後までの三菱グループの成長を記している。
この本は歴史だけではなく、起業や何かを切り開く際の教科書にもなりそうだ。
ただ、後半の内容がせわしないのはざんねん。
100320
投稿元:
レビューを見る
大河ドラマ『龍馬伝』で香川照之演じる岩崎弥太郎が三菱を創業して以降4代目までの岩崎家の話。
とても面白いし、いろんな示唆に富んでいる。
「事業」ということが少しわかったような気がした。
投稿元:
レビューを見る
最近、大河ドラマの影響で坂本龍馬がブームになっていますが、ドラマ中、かなりの存在感をもって描かれているのが岩崎弥太郎です。
前帯に「カネと女を使い、ハッタリで成り上がった男の経営哲学」とありますが、内容は軽いものではありません。
恥ずかしながら、私は三菱グループの創始者であるという程度にしか、岩崎弥太郎のことを知らなかったし、弥之助、久弥、小弥太については全く知りませんでした。三菱グループの実質的な創始者は弥之助であるともいえるのですね。
大変面白くて、あっという間に読んでしまいました。
岩崎弥太郎だけでなく、続く人々が、その時代にぴったりあったパーソナリティであったことが三菱をつくりあげたことがよくわかりました。
彼らの経営哲学から、現代の経営者が学ぶべきことは非常に多いと思いました。
毎週「龍馬伝」を楽しみに見ているのですが、弥太郎のこれからがどう描かれていくのかも楽しみになりました。
投稿元:
レビューを見る
岩崎家は弥太郎だけにあらず!連綿と続いたDNAにより三菱は型取られた、特に弟の弥之助にしっかり光が当てられていて、岩崎家や三菱黎明期のことがよくわかります。上野恩賜公園の旧岩崎邸に行くかたならば、その前に是非読んで貰いたい一冊です。
投稿元:
レビューを見る
三菱がどのように発展してきたか、現代の三菱グループがどのように形成されたのかが、かいつまんで解る歴史書。最近の龍馬で岩崎弥太郎を知った人も多いと思いますが、どのような人かをざっくり知りたい人には良いと思います。
投稿元:
レビューを見る
三菱の成り上がり外伝がものすごく簡潔に書かれている
時代背景もちょっとですが伝わってくる読み物です。
明治維新〜昭和の終わりまでの三菱を束ねていたリーダー
岩崎弥太郎、岩崎弥之助、岩崎久弥、岩崎小弥太
の順で…少々の時代背景と流れと各人の簡単なヒューマンドキュメントと著者のちょっとしたツッコミなどが入った書です、文章も個人的にはまとまってて読みやすかったと思います。
頁数も200頁ちょっとなので、すぐ読み終えてしまうような
本です。
龍馬伝で明治維新とかが流行ってる中で自分自身読んだというのもありますが、日本の時代を変えた立役者。
龍馬の意思を継ぐかのような意思で三菱は構造化されていき、
世界にはばたいていった三菱、またその意思を確実に後世に伝えて行き三菱という巨大組織を下級の育ちで出世など不可能と言われた時代に1から作り上げていった岩崎弥太郎ドキュメント(簡単な)を読んで見たい方は是非。
もちろん、時代の流れにのっていてというのもあるが
それを見抜いて、また流れに上手く乗ってのリズミカルな出世を
思わせるような文章。この本では…泥臭いところとかが見えない?ちょっと見えたか?!最
初の方だけだったか、忘れた(笑
もちょっとそゆ部分を他の岩崎弥太郎ドキュメントで見てみたいと思いました。
岩崎弥太郎自身。導かれるような場面もあるが…直感でそれもその人の才能なんだろうとか思った。
ちょっと帯かな〜?サブタイトルが気にいらないので
自分的には評価3。
投稿元:
レビューを見る
面白かった。若い人に是非読んで欲しい。岩崎家にフォーカスされているが、明治から昭和初期における日本の胎動をリアルに感じられる。個人的には弥之助に憧れる。
投稿元:
レビューを見る
大河ドラマ「龍馬伝」で気になり本を購入。
岩崎弥太郎だけではなく、事業継承の巧みさにより三菱の繁栄の一部を知る事ができ良かった。
もっと2代目弥之助を知りたくなった。