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投稿者:渡り鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は、大手商社を退職し、国内最大手の運送会社に再就職したエリートサラリーマンの吉野公啓。転職後、着実に実績を残し、順調に第一営業部の次長まで出世する。独創的なアイデアと強烈な行動力で、次々と成果を築き上げ、本人も自信満々。ところが急に人事異動の発表が。部下が殆どいない新規ビジネスを開発する新しい部の部長への異動命令。部下も評価が抜群に悪いやる気のない男性担当者1名だけであり、庶務の女子社員を除くと実質2名の新組織の長。次長から部長と昇進のように見えるが新組織は、実体の殆ど無い窓際組織で吉野のモティベーションは、一気に低下する。上長の常務に今回の異動に関し文句を言うが、けんもほろろに。常務から、吉野の過去の仕事振りを否定される。独創的なアイデアで次々に売上を拡大していくが、その過程で吉野に関わる社内のメンバーが疲弊する。あまりにも高圧的な態度,他に妥協を許さない姿勢、鉄拳等、周囲からは極めて評判が悪い。部下はついていけないと何人も会社を辞めていく。そんな人間は組織に必要ないと常務から引導を渡される。
新規ビジネスを立ち上げなければ実績がでないと言う事で組織を潰され、次には決定的な左遷が待っている。何しろ、常務から要注意人物と目をつけられている。生き残る為には、新規ビジネスを開発して、会社に貢献するしかない。ここから吉野は、大逆転を目指して、獅子奮迅の働きをする。
果たして、吉野の道は拓けるかは、この本を読んで確認の程。
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オールドエコノミーの象徴ような「物流」その大手企業でやり手として活躍しながら窓際に追いやられた男が起死回生の一打とした、ビジネスプラントは…?会社の中で起業すること、組織対個人、相手の組織を動かすこと(≒相手が動かざるを得ないような状況を作ること)、大きなプランを描くこと、そしてその実効性を詰めていくこと…など会社人、経済人であれば手に汗握って一気に読める内容では。惜しむらくはタイトルから小説の内容を推し量れないことくらいか…。
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2008.7
物流業界を革命する一冊。も、ネット業界にいた人間に言わせると、非常に無理がある物語。しかし、経済小説でありながら物語性もあって、悪くない!
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新ビジネス立ち上げ、読んでるうちに応援したくなってくる。
やっぱ仕事っていいな と思わせる作品。
でも、
会社って、、、組織って、、、上司って、、、怖いな とも思ってしまった。
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城山三郎「価格破壊」に続けて読んだ流通業界本。
大手商社からスバル運輸に転職した主人公吉野公啓は、
抜群の営業、企画能力を持つ。
しかし組織の中では異端児であるため、左遷人事により
新規事業開発本部部長とされる。そこで課せられたノルマは
年商4億円。使えない部下の立川、元甲子園優勝投手の
蓬莱夫婦とともにプランを形にしていく…
文具通販大手のプロンプトに対抗すべく下位のバディと組んで
文具通販と地元家電店をネットワークで結びつけ、文具通販を
コンシューマーマーケットとつなげる。個人情報により広がる
マーケティング戦略。
「気づく」ための人間関係、提案を通すために
先回りしてあらゆる弱点を補うこと、そしてたまには嘘や
強引さで乗り切ること、win-winの関係をいかに広げられるか
が大事だと思った。
『これからは頭に汗をかけ。脳味噌に錐を刺し込んで、血が噴き出るまで
まで考えろ。』
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経済小説というんでしょうか。
物流企業の手腕はすごいが波風を立てすぎる部長が頑張っていく物語。楡周平だったら物流でしょうという素人には(私にも)わからない物流知識がいっぱい。
考えられたビジネスモデルの採算性(PHSの通信料が莫大になるよねとか)が心配な面はあるが面白かった。
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流通を舞台にした経済小説。
主人公の吉野を中心に、プロジェクトの苦難と成功を描いている。
個人的にもプロジェクトは必ず3度ヤマがくると思っているけど、なかなかしんどいヤマを登って行かなければならない。
プライベートとの関わり方、仕事に本気で取り組んでいる人の気迫、組織の論理にまかれるサラリーマン的役員、悩む若手など、現実にほんとうにあるだろうなという環境がいやにリアルだ。
説明的な文章もあるけれども、一方で前提はしっかりと読者に伝えてくれるので、
その辺が逆にリアリティに一役買っている。
いろいろな人から教わってきたビジネスの面白さ。自分が何を誰のために残せるのか。
大きな息をはくように、立ち止まって考えるきっかけと、エネルギーをくれる。
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運送会社にて新規事業を立ち上げる新規事業開発部・吉野部長の物語。
主人公から感じられたこと。
・会社においては、個人として優秀であっても、組織の中で与えられたミッションをこなせないと、評価や活躍の場が与えられない。
・何があっても自分の目的を達成するという情熱
・アイデアの種は、多くの人に触れることでBrushupされる。ただ、芯となるコンセプトをしっかりと持ち続けるべし。
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ラストワンマイル同様流通の話だがおもしろい。
厄介払いされかけた人間が、再起をかけ偶然や必然等様々な要因から導き出されたアイデアを元にビックビジネスを仕掛けていく話。
読んでて勉強にもなる一冊。
ビジネスをものにするためには、相手にとって魅力的な提案をするのはもちろん大切だが、相手の痛いところを突くのも手段の一つだ。
プレゼンで大切なのは初期段階でどれほどの興味を抱かせるかだ。
資料は、要点が簡潔に纏められている事、提案の正当性を裏付けるだけのデータが記載されているかが重要。手渡す資料とプレゼンの画面が一緒なんて能無しのやること。プレゼン用の画面は、要点を絞り込み、資料はあくまで補強材料。
会社は組織の論理で動くもの・・。
プロジェクトを行うときは、最初に理想的な最終像をメンバーが共有することが大事
バッドニュースファーストはビジネスの基本
人をやる気にさせるのはターゲットの反響
頭に汗をかけ、脳みそに錐を差し込んで、血が吹き出るまで考えろ
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スバル運輸という運輸会社を舞台に、
新しいビジネスを立ち上げていくエンターテインメント経済小説。
抜群の営業成績を誇り、
類まれなビジネスセンスで新企画を次々立ち上げる吉野公啓。
しかし、彼は部下を自分の手足として働く道具としか見ておらず、
失敗した企画の後始末はしない、など
有能ではあるけれど敵も多いタイプ。
吉野が左遷され、到底実現できなそうなノルマを課せられるところから物語がはじまる。
いくつもの課題を乗り越えながら、
新しいビジネスが立ち上がっていくその過程に、
手に汗を握りながら一気に読み終えた。
エンターテインメント小説でありながら、
ビジネス本として読んでも参考になる。
アイディアをいかに創出するか、
それをどう形づくり、プレゼンするのか。
主人公の吉野をはじめとして、
その下で働く人間が成長していく姿にも惹かれる。
それにしても、
これほどまでに仕事に熱くなれることがうらやましい。
「オレもやってやる!」そんな気持ちになる小説だ。
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一気に読めた。経済小説でありながらハードボイルだった。ひとつの運送会社が新たなビジネスモデルを築き上げて行く工程が舞台。小さな家電店までをも巻き込みネットを駆使した新しいアイデアが果たして実現化されるのか。丹念な調査に舌を巻く。
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ちょっとタイムラグがありますが、楡さん作品を読み終えました。主人公は、物流企業に勤めるの"やり手"営業マン。
実力、能力は本物だが、部下を駒の1つとしか見ておらず、
役員も頭を抱えてしまうような強引なやり方により、
新規事業部設立に伴う事実上左遷となる異動を強いられます。
新しい部署での部下になったのは、
庶務の女性と、冴えない営業マンのたった2人。
その足場の緩い新規事業部で求められたのは期末利益4億円。
この会社の要求に答えられなかったら……という絶体絶命で四面楚歌の状況の中、
"やり手"営業マンは一体どう動くのか!?
…という、まさに企業小説!と言える作品だと思います。
物流業界の知識は皆無な私ですが、
読めば読む程、ぐいぐいと引き込まれました。
私自身、会社に勤めてはいるものの、
営業職でもなければ、経営企画部門でもないため、(私は専門職)
この作品での職場は、自分の職場とは全く違ったものではありますが、
組織と言う単位でものを見れば、
どこの企業だって、物事に対する鋭い洞察力や、深い知識とリサーチ能力、
そして勢いは、前に進んでいく上でなくてはならない能力なのだな、と。
今日、様々な業界において、沢山の企業がありますが、
自分達がただ存在していればいいという企業はほとんどなく、
どんな企業でも、リーディングカンパニーとなるべく様々な事業に挑戦していると思うと、
これはフィクション小説、と割り切れるものではないのかもしれないです。
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まず主役の吉野の明晰さが目につく。一人狼でアイデアマン。しかし、その本質は夢に生きる男であるだけ。そのために、吉野からは希望に満ちた言葉がたくさんでる。また、仲間である蓬莱や社主の言葉も熱い。
物流業界の描写が綿密であり、それを読むだけでもその業界にいる人には楽しめるのかもしれない。
ラストすんなりと終わってしまった感があったが、希望の持てる、明日から働く活力となる本である。おもしろかった。
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出る杭は打たれる。
まさに諺通りの処遇を受ける主人公。
そこから不退転の決意で臨んでいく様が描かれていく。
腐らずに最後まで諦めない。
そんな男たちの物語。
読んでいる人間が逆に勇気づけられちゃう。
運送業界についても詳細に記されているし、
著者の綿密な取材力にも圧倒される。
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宅配業界の新規ビジネス立ち上げ小説。
業界の動向や新規ビジネス立ち上げの際のプロジェクトの進め方などが参考になった。