- 販売開始日: 2013/06/28
- 出版社: 新潮社
- ISBN:978-4-10-109834-0
夜のかくれんぼ
著者 星新一
宇宙からきた意味ありげな電波、壁からはえた人間の手、神からテレポートの能力をさずけられた男etc。信じられないほど、異常な出来事が、次から次へと起るこの世の中。科学もふき...
夜のかくれんぼ
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商品説明
宇宙からきた意味ありげな電波、壁からはえた人間の手、神からテレポートの能力をさずけられた男etc。信じられないほど、異常な出来事が、次から次へと起るこの世の中。科学もふきとび、理屈も引っこむ摩訶不思議な世界に、あなたもまきこまれるかもしれません。ひと足さきに、活字の世界で奇妙な体験をしてみませんか。ミステリアスな世界にあなたを誘うショートショート28編。
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良い本です
2024/06/29 16:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
摩訶不思議な出来事ばかりのショートショート28編を収録しています。相変わらずの時代を先取りした作品群です。パソコンなどが一般的ではない時代に書かれたものでありながら、勝負という一編ではコンピュータウイルスが登場するあたりは驚異的だと言えるますね。
結末に込めた皮肉や嘲笑、隠された真実を楽しむ28編
2010/03/24 18:54
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
キレのある、アッと驚かされるどんでん返しを期待している人には、少々物足りなく感じるかもしれない。
本書は、意外な結末を目的とした作品群ではなく、結末に込めた皮肉や嘲笑、隠された真実をクローズアップするために描かれた作品群のように感じた。
また最終行末に「……」を付け、微妙なニュアンスを含んで終わる作品が多く、星新一の持っている数多くの作風のうちの一つをまとめたもの、と言ったほうが本書の特徴を表しているように思う。
その中から気に入った作品をピックアップ
『ある故郷』
一人っ子だった彼は両親を亡くし、孤児となった。
先祖代々の遺産で金には困らなかったが、なぜか村人の向ける同情の視線が気になって仕方がなかった。
同情の真実と、彼の秘められた真実が絶妙に組み合わされた作品。
最終末行の「……」に、真実を語ったものの思いと、真実を知った彼の心境を混在させ、複雑で絶妙な読後感を残している。
『自信』
西島正男の部屋に、一人の男がやってきた。
西島正男と名乗るその人物は、西島正男に自信を持ち、誰もが彼を西島正男と認めるのだった。
TVの「世にも奇妙な物語」を想起させる作品。
奇妙な世界をお楽しみください。
『はじめての例』
老人は、悪魔を呼び出すことができる、悪魔専門家のところへやってきた。
悪魔について色々な説明を受けたあと、老人は、彼に悪魔の訪問を依頼した。
悪魔との契約は、三つの願いの対価として、死後に魂を渡すことが原則。
老人の悪魔に言った三つ目の『願い』が、なんとも曖昧。
その曖昧さと悪魔の行動を、スルメのごとく味わってください。
『一家心中』
彼は、宣伝に対し謹厳な責任感を持っている。
彼が惚れ込んで心血を注ぎ宣伝してきた商品は、有害な結果をもたらした。
とある人物の行動を、商業的尺度で見つめ直した作品。
『金の粉』
「なにとぞ、この男に金をもうけさせたまえ……」という謎の声がある。
一方、金銭的にも精神的にも余裕のない、薄汚れたその男は、道で札束が入った箱を拾った。
謎の声と、金を次々と儲け始める男の謎の真相が、最後に明らかにされるSFミステリー作品。
『追われる男』
「おまえにテレポート能力をさずける」男は夢の中で神の声を聞いた。
男は、さまざまな所へテレポートしてみたが、事態は悪くなるばかり。ついにはどこへ行っても追われる者となってしまった。
神様が、男に能力をさずけた真相がなんとも。
サービス過剰というべきか。
おかしな風味の短編集
2022/10/11 23:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
ごく初期の切れ味するどい作品とは少々趣が異なり、奇想でとらえがたいものとか、ストレートでブラックなもの、戦争の暗い影を漂わせた暗いもの、スラップスティックものなど、こちらが勝手に抱いていたイメージを覆す作品が多かったのでこれはこれで感心。懐の深いこと。
1985年の発行だがドキッとさせられる
2021/08/09 00:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しょひょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供の書棚にあったのを見つけて懐かしくなって通読(といっても星新一はずいぶん読んだが本書は初めて)。
シュールで少しブラックなショートショート28編。
ロボット化、自動化が進み何もしなくてよくなる人間、それでも不安や悩みは消えない人間、といったモチーフは著作から40年近くたった現代を言い当てられているようでドキッとさせられる。
中高生の頃に読んだ星新一とはまた違った苦み、少しの心に棘が刺さるような痛さを感じるのはこの作品のせいなのか、自分が年を取ったからなのか。
手元に置いてふとした時にまた読みたいと思った。