- 販売開始日: 2013/08/02
- 出版社: 新潮社
- ISBN:978-4-10-125222-3
働きざかりの心理学
著者 河合隼雄 (著)
「働くこと=生きること」責任ある立場に立ち、人生の光と影を背負いながら誠実に働くことは、それだけで充分に難しいこと。「働きざかり」の世代が直面する“見えざる危機”を心身両...
働きざかりの心理学
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商品説明
「働くこと=生きること」責任ある立場に立ち、人生の光と影を背負いながら誠実に働くことは、それだけで充分に難しいこと。「働きざかり」の世代が直面する“見えざる危機”を心身両面から探り、解決のヒントを提案します。「つきあいの功罪」「会議と疲れ」「妥協と協調」「男女の迷走」「いじめの病根」そして「中年の危機」。誰もが避けては通れない大切な課題を考えるための心のカルテ。
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働きざかりが迎える人生の秋
2007/06/26 00:17
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
「働きざかり」とは一般的に中年の世代を指すと思われる。青年期は知識やエネルギーを蓄え、中年期に力を発揮し、一家の大黒柱としてバリバリ働く、というのが働きざかりのイメージである。あとがきによると近年は「中年の危機」だという。「青少年問題」、「老年問題」だけでなく、その中間の世代も多くの問題を抱えている。不況やリストラ等で近年、中年男性の自殺が増えているのはよく知られている。職場で家庭で、地域で様々な問題を抱える世代である。
本書の原著は20年以上も前に刊行されたものだが、内容的には全然古くないし、現在の日本の状況も心理学的には当時と大差ないということだ。言い換えれば何も改善されていない。あとがきで著者は働きざかりはただ働いているだけではいけない、考え、学ぶことも必要だ、と言っている。
(心理学を学ぶ者や研究する者にとっては、)職場での人間関係、夫婦の関係、親子の関係など、日常茶飯事のなかに多くの心理学の課題が転がっているとも言っている。心理学者から見れば、日常生活から経済活動など、全てのものに心理学を当てはめようとするのも、専門家の性(さが)だろうか?
”思秋期”という言葉を本書で初めて知った。家族の「子供の思春期と親の思秋期は年齢的に一致することが多い」というのは面白い。その時期に家族には問題が起きやすいそうだ。
また著者は中年(壮年)というものを総合的に研究すべきで、「中年学」というものが必要だろう、とも言っている。「人間社会の一番中核となるところを、この人たちが支えている」のだから。