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とっておきの詩(し)
国語の時間、「ふ・ゆ・や・す・み」の文字を、一文字ずつ頭につけて文章をつくる、ことば遊びの勉強をした。冬休みに「詩」をつくる宿題をだすから、そのための練習だって。北森先生...
とっておきの詩(し)
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とっておきの詩 (とっておきのどうわ)
商品説明
国語の時間、「ふ・ゆ・や・す・み」の文字を、一文字ずつ頭につけて文章をつくる、ことば遊びの勉強をした。冬休みに「詩」をつくる宿題をだすから、そのための練習だって。北森先生、また文集をつくるみたい。冬休みに入って、ずっと考えていたけど、ひとつも「詩」できんかった。ほんまは今日ひとつできたけど、母ちゃんが激怒して、ボツや。けっこうおもしろいと思ったけど……。次の日、「詩」の材料がおちてるかもしれないからって、母ちゃんと一緒に買い物に行くことになった。ぼくは、商店街で見たまま感じたままを書いてみたけど、家族のみんなは、どれもいまいちだって。ついに冬休みも今日で終わり。のんびり一日かけて考えようと思ってたら、朝からファンヒーターがこわれてしまった。父ちゃんとふたりで電気屋に行く途中、ついに、いい「詩」を思いついた!素直でユーモラスな詩が笑いを誘う、愉快な幼年童話。詩をつくる楽しさが伝わります。
著者紹介
村上しいこ (作)
- 略歴
- 三重県生まれ。「かめきちのおまかせ自由研究」で日本児童文学者協会新人賞、「れいぞうこのなつやすみ」でひろすけ童話賞を受賞。ほかの作品に「ランドセルのはるやすみ」など。
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なんでやねん
2010/05/28 08:20
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
子どもたちだって大変です。
夏やすみでも冬やすみでも春やすみでも、大嫌いな宿題があります。
小学二年生のつよしだって、そう。冬やすみの宿題は、「詩」を書くこと。担任の先生が夏休みにつづいて、文集を作ろうとがんばっています。
でも、つよしには「詩」がどんなものかよくわかりません。せっかくできた「詩」もお母さんの大反対にあってボツになります。「かあちゃんの ケツは でかい」と書いたからかもしれません。
つよしはおかあさんと一緒に町の商店街にでかけます。そこでみかけた光景を「詩」にしてみます。でも、やっぱりおかあさんの猛反対にあって、ボツ。
もう、なんでやねん。
大阪弁で書かれたユニークな童話。ことばがいきいきととび跳ねているのは、大阪弁の力が大変効いています。
さまざまな風景をいろいろ観察することで、主人公のつよし少年は、「とっておきの詩」にちかづいていきます。
文中になにげなく挿入されている詩ですが、子どもたちはこんなふうにしてものごとを言葉にしていくのだとすいこまれます。そして、子どもたちの素直な表現が、おとなになる知恵を背負い込んで、かざったり嘘をまじえたりゆがんでいくようで、すこし残念です。
できれば、かぎのかかるひきだしにしまった子ども時代の「とっておきの詩」にみなさんが出あえたら、とっても素敵なんですが。
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。