- 販売開始日: 2013/08/30
- 出版社: 新潮社
- ISBN:978-4-10-109837-1
なりそこない王子
著者 星新一
乞食王子、白雪姫と七人の小人、はだかの王さま、赤頭巾ちゃん、シンデレラ、そしてピーターパン……。おとぎ話の主人公たち総出演の愉快なパロディ「なりそこない王子」をはじめ、深...
なりそこない王子
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商品説明
乞食王子、白雪姫と七人の小人、はだかの王さま、赤頭巾ちゃん、シンデレラ、そしてピーターパン……。おとぎ話の主人公たち総出演の愉快なパロディ「なりそこない王子」をはじめ、深夜の道路を走る霊柩車が拾った死体をめぐるてんやわんやの騒動を描く「死体ばんざい」など、時間と空間を超えて、現実と非現実のはざまでくりひろげられる12編の不思議なショートショートを収録。
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素晴らしい本です
2024/06/29 16:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
個人的にはこちらのほうが好きです。どの作品も本当に古さを感じさせません。ゾッとする「合法」「魅惑の城」、こういう感情の伝染は実際にありそうな「ミドンさん」、あっと驚く「収容」が好きですね。
拡がり続ける奇想天外な空想の物語12編。
2011/04/03 19:14
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者はあとがきで、風俗小説的手法を持ちながら、急速に進歩する社会の波に乗るとバランスが悪いことを感覚的に悟って、これを捨て、風俗を描かなかった自分そのものが、ひとつの時代、ひとつの風俗の産物であると言った。そして、この風俗を伴わない作品は、前例がないのでけなされることもなく、好きなようにやれたと述懐した。
この『好きなようにやれた』というのが著者にとって大きな力になったに違いない。アイデアが必須である著者の作品にとって、好きなように創造できる空想こそがエネルギーだからだ。誰にも邪魔されずに空想を膨らませることができた。
本書には、そんな空想を膨らませた奇想天外な作品が、多く収録されている。その拡がり続ける空想は、登場人物でさえも止めることはできないのだ。
【死体ばんざい】
遺体を運ぶ霊柩車。しかし棺が無くなっていることに気付き、来た道を引き返した。後部ドアが開いていたのだ。幸い道に転がっている遺体を見つけて霊柩車に載せたが、棺は落ちた衝撃で粉々になったのか、その破片すら見あたらなかった。
死体を見つけて喜ぶ人がどれだけいるだろうか。そんな空想の産物の作品。
遺体を落っことした霊柩車の人物に始まり、死体を見つけて喜ぶ人物が次々と登場。
【なりそこない王子】
乞食のトムは王子と入れ替わり、元に戻ったあとも職にありつくことができた。しかしトムは、自由な人生を得るため、王子姿で旅に出た。旅先の森では、白雪姫と七人の小人に遭遇。白雪姫からは、赤いずきんを被って狼を退治した武勇伝を聞かされ、彼女の父である王は、愚か者には見えない服を買わされ、さらには……。
さまざまな童話の人物が次々と登場するパロディ作品。
童話の登場人物の相関づけが面白い。
【そして、だれも】
新しい惑星発見のため、宇宙を飛び続ける宇宙船の中。さっきまで居た隊長が消え、隊長を捜していた通信士が消え、さらに……。
暗黒の宇宙に一人きりとなる恐怖は想像を絶する。その恐怖を誰かが利用したとしたら……。
【流行の鞄】
駅の荷物預かり所で、同じ鞄の引き取りが重なり、どれがどちらの鞄か分からなくなってしまった。中を確認したかったが、相手は頑なにそれを拒み、また私も相手に鞄の中を見られたくなかった。そこにまた同じ鞄を持つ人物が……。
鞄の持ち主を巡って膠着し、悪化する状況に読者もイライラ。
早く打開策を打ち出してくれと願うばかり。そこにもたらされる真実と結末に驚かされる。
【その他収録作品】
ものぐさ太郎、合法、エスカレーション、ミドンさん、魅惑の城、善良な市民同盟、新しい政策、収容。
ショートショート
2022/02/18 19:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
特に面白かったのは、鞄のおはなしと、童話のパロディといえるお話でした。他にも、世の中への皮肉も込められ、10代への警告みたいなエピソードがあって……。
発想力
2002/04/01 17:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みっつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ショート・ショートの先駆者的存在である星新一の作品。1つ1つの作品の発想力はさすがです。現代社会を風刺しているようなものもあり、うまいなぁと感じました。
しかし、最初の2,3作以上進むと、新鮮さも消えわくわくする感じもなくなってしまいました。やはり現実離れした世界がつぎからつぎへとばたばたと起こっていくとついていけないのでしょう。このショートショートも何回かに分けて読めばきっともっとちがって楽しめたのではないかとおもっています。
この本のなかで特に私が印象にのこったのは、宇宙船の中で乗務員が一人ずつ消えていってしまう話です。SFならばここまで空想の世界にとんでほしいものです。中途半端なものはどうにもはいりこめません。