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優しくって少し ばか
著者 原田宗典 (著)
男は、いけない。女もいけない。いけない二人が一緒にいるから、なおいけない。けれど一人じゃいられない。答えは出ないと知りながら、次から次へと問題提起。重なったり、離れたり、...
優しくって少し ばか
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優しくって少し ばか
優しくって少しばか (集英社文庫)
商品説明
男は、いけない。女もいけない。いけない二人が一緒にいるから、なおいけない。けれど一人じゃいられない。答えは出ないと知りながら、次から次へと問題提起。重なったり、離れたり、擦れ違ったり、傷つけたり。危うい男と女の関係を縒り合わせて編んだ、問題の多い六つの中短編。第八回すばる文学賞佳作受賞作品を収録の、原田宗典の第一作品集。
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紙の本
男も女も
2002/06/25 18:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アセローラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
原田氏のエッセイしか読んだことのない人には、少しびっくりするというか、意外に感じるかもしれません。私もそうだったので。
この本には、女の怖さや不気味さが描かれていておもしろかったです。「雑司ヶ谷へ」は女が中絶をする話なのですが、男側の気持ちも、女側の気持ちもわかるし、どうしようもない現実というのが強く伝わる話です。小説の書き方が、技術的でもあり感覚的でもある、何度も読みたくなるなと感じます。
紙の本
センスのいいラブソング
2002/02/19 09:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とんぼや - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編がいくつか納められた作品集。
中でもタイトルにもなっている「優しくって少しばか」がセンスよく、気持ちのいいラブソングのような響きをもっている。ある朝の隣に寝ている彼女との会話を中心に少しだるい朝のようすを書いた作品なのだが、原田さんらしい、言葉のいいまわしや間のとり方が絶妙。日常的で飾り気の無い素朴な日々、でも優しさが暖かい。
紙の本
男という生き物がかわいく見えてくる
2001/02/13 13:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:麒麟 - この投稿者のレビュー一覧を見る
神は小さき所に宿る、という言葉があります
ぼくは神さまはあまり信じませんが、この場合の神は、愛に置き換えられるような気がします。ごく些細なこと……例えば階段を下りる時に君の足元から目を逸らさずにいること。眠る前に肩が出ないように毛布を掛け直してあげること。悲しそうな顔をしていたら理由は聞かずにそばにいてあげること。そんな所に、愛は宿っていると思えるのです……。
だからそんな所から、ぼくは君と始めたいと思います
こんな素敵な手紙が書けちゃう「ぼく」が主人公の『優しくって少しばか』。物語は、彼の一人語りで進んでいく。
彼女のふとした言動に、いちいち反応し、内心あれこれ思いを巡らす「ぼく」の姿に、思わず笑みがこぼれてしまう話だ。
初めは少し読みにくく感じる文体(不自然な箇所で改行されたり、句読点があるべきところになかったりする)も、整頓されていない、彼の生の心の声を聞いたような気持ちにさせる、良い効果を生んでいる。
『優しくって少しばか』は、男の視点で書かれた小説だけれど、女性にこそ、読んでほしい。通常、表に出てくることのない心の言葉が物語中に溢れていて、男性の楽屋裏を見たかのようなうれしさが、そこにはある。
また、気取りがち、強がりがちな男の人の、素の部分を見ることで、男という生き物が、なんだか、かわいらしくも見えてくる。
恋愛モードに入っている女性に、お薦めの一冊。
ただ、『優しくって少しばか』に登場するカップルは、とても素敵な二人。自分と自分の彼との間には、こんな素敵な関係はないと、溜息をつく結果になることもあるので、要注意。
また、収録されている表題以外の作品は、『優しくって少しばか』とはカラーが異なる。とても不気味な作品もあり。