- 販売開始日: 2013/09/06
- 出版社: 新潮社
- ISBN:978-4-10-113101-6
夜と霧の隅で
著者 北杜夫 (著)
第二次大戦末期、ナチスは不治の精神病者に安死術を施すことを決定した。その指令に抵抗して、不治の宣告から患者を救おうと、あらゆる治療を試み、ついに絶望的な脳手術まで行う精神...
夜と霧の隅で
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商品説明
第二次大戦末期、ナチスは不治の精神病者に安死術を施すことを決定した。その指令に抵抗して、不治の宣告から患者を救おうと、あらゆる治療を試み、ついに絶望的な脳手術まで行う精神科医たちの苦悩苦闘を描き、極限状況における人間の不安、矛盾を追究した芥川賞受賞の表題作。他に『岩尾根にて』『羽蟻のいる丘』等、透明な論理と香気を帯びた抒情が美しく融合した初期作品、全5編。
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夜と霧の隅で
2022/12/21 20:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作を含めた短編集。解説が埴谷雄高という意外性もだが、その内容もよかった。「夜と霧の隅で」の中で日本人が登場するというのは、日本人がナチスの犠牲になっていないため、読者に自分に近い事として読ませるための工夫というのは同意。
収録作品のなかで一番すきなのは「谿間にて」。台湾の山奥で幻の蝶を求めた男が、学生に自身の経験を語った作品。色んな読み方ができる作品だと思った。
初期作品5作収録。
2017/05/21 20:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:igashy - この投稿者のレビュー一覧を見る
岩尾根にて:墜落死体はどちらかの未来かあるいは現在の姿なんだろうなぁ。谿間にて:これは昔から記憶に残っている。虫屋の語る、山版「老人と海」のような話。そして白米が本当においしそう。 夜と霧の隅で:正に「隅で」行われていたナチスの精神病患者の抹殺計画。それに抵抗しようとする精神科医。ただし当時の医療知識では、まるで彼ら自身が人体実験を繰り返しているかのよう。インシュリンショック療法は当時本当に統合失調症(分裂病)に用いられていたんだ。色々な立場・視点での群像劇で、やはり素晴らしい作品。
重い作品
2015/11/13 13:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
電子書籍になっていたので40年ぶりに読んだ。
特に表題作の「夜と霧の隅で」は、ナチスの蛮行というよりは「世の中に役に立つ人間、役に立たない人間」の区分 区別がどのような結果を招くか 深く考えさせられる。
濃密で暗いお話
2019/01/28 16:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の1960年度の芥川賞受賞作。これまで、北氏についてはドクトルマンボウものなどでの「胡坐をかいていて、左足を少し上げた時に(かなりいい加減な記憶)田淵がホームランを打ったので、縁起をかついでそのままの恰好で野球を見続けた」というようなユーモアのあるエッセイしか読んだことがなかったので、この作品群の濃密さにはまいった。そのうえ、解説が「死霊」の埴谷雄高なのだから、よけいに濃密度が増す。表題の作品は、ナチスドイツの安死術の施行に抗おうとした医師を描いたものであるが、結末はハッピーエンドではなく虚しい抵抗に終わってしまうのであるが、北氏の精神医学への思いが伝わる作品である