0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
田舎で暮らすのは覚悟がいる。そんな手助けになる田舎暮らし本。準備することは多々あるが不安を解消するにはそれなりの努力が必要。
投稿元:
レビューを見る
食環境ジャーナリストとして活躍する著者が、全国800あまりの農山漁村をくまなく歩き、取材・執筆した。地域の持つ潜在力を、これまでとは逆転の発想で、最大限に発揮する。そんな「田舎力」が、都会もうらやむ活力と雇用を「ふるさと」に創出した成功例を紹介する。
各地の現場を回って見てきた著者は、農山漁村で暮らす人たちや行政の人たちと一緒に地域づくりにかかわるようになった。生産者と消費者、田舎と都会、ジャーナリストと地域おこしアドバイザーという複眼的な視点から、本書はまとめられている。
「なにもない土地に眠る宝を探す発見力」「ビジョンを抱いて、きちんと作るものづくり力」「ヒットの秘訣は地方に訊け、のブランドデザイン力」「食材の背景を知り、発信する食文化力」「持続可能なコミュニティを目指す環境力」。この5つの「田舎力」で、都会に逆転ホームランを放った、地域おこしの秘策が挙げられている。
「そのままの日本」で海外の学生を魅了した長崎県の小値賀島、農家レストランの先駆者として年間16万人を集める大分県大山町の農業組合、人口8,000名の山間地で体験型複合ファームを運営し、43億円の売り上げを誇る三重県伊賀市の農業法人etc…。
元気な田舎から元気をもらえる1冊。(S)
投稿元:
レビューを見る
○201「東京の人は元気だよな。これだけ農薬ぶっかけてるのになかなか死なないもんな」
★これが農家の本音なんだろうな。心が寒い。
投稿元:
レビューを見る
地域おこしのさまざまな成功事例を知ることができ、それぞれの地域に行ってみたいと思わされた。細かな試みの再評価や反省・得られた課題などがもっと書かれていればより実用的だったけど、テーマがら、そういう本ではないものな。
何よりもよかったのは「あとがき」で、作者がこういうテーマに携わるようになった経緯が書かれており、それが自身の生ととても深くかかわっていたこと。それにより、各事例にたいする評価が客観性をやや欠いてしまうとしても、彼がどういう人間として田舎に赴いているのか、その姿勢がわかって、僕は好きなのだ。
投稿元:
レビューを見る
金丸さんが粟島に来られるってことで、読んでみました。
いろんな事例が取り上げられており、非常に勉強になりました。
食のワークショップと、「食のテキスト」作りは本当に面白そうです。
ぜひ、粟島でも取り組めたらと思います。
以下、メモです。
長崎県小値賀島「NPO法人おぢかアイランドツーリズム協会」
地元の方が、家に泊まった(アメリカの)学生に、おなかがへってないかとか、お風呂はどうだいとか、また食事の世話をしてくれたりと、気にかけてくれるのが、とても喜ばれる。
地元のお母さんたちのホスピタリティの感激するらしい。
その土地に住む人々が、その土地にもともとあるものを再検討し、それらを組み合わせ、プログラム化したことが成功を決定付けた。
例:島に広がる海、漁村の暮らし、花火、盆踊り、漁師一家の家庭料理など
手つかずであればあるほど、逆にパーソナリティを生み出しやすい。
大分県竹田市長湯温泉
「B&B&C」(ベッド&ブレックファスト&カルチャー)
お客様の半分近くが1週間滞在
長期の方は、直売所や道の駅で買い物して自炊
地域全体で連携するという考え
奈良県奈良市
ろうそく、器に水を入れて、防火対策
最初から、ボランティアを中心に考え、参加者自らが着火するというユニークなお祭りに
法則1 発見力
・「地域の独自性(パーソナリティ)はなにか」、とことん考える。
・「よそ者」、特に都会も海外も知っている若者や女性の視点で見つめ直す。
・都会やとその地域を安易にまねしない。
活性化のいちばんのポイント・・・自分たちがきちんとしたオリジナルな商品を生み出すこと
農産物の加工、販売、レストラン経営までを行い、地域にお金が回る仕組みを作ればいい。
地元特産の魚で料理と言っても、スーパーで売られているような「もどき」調味料が平気で使われている。
「もどき」調味料・・・大量生産の精製塩や、「みりん風調味料」といった類
ほとんどが輸入物
典型的なのは醤油
漁港とコラボレートしてブイヤベースを作るワークショップ
参加者の声「地域の魚の生息する環境や魚の特徴を知って料理をすると面白い」
女性を巻き込むことが大切
大分県日田市「木の花ガルテン」
農家と連携した直売所と直営レストランというビジネスモデル
これからの農業は、一次産業に留まらず、二次、三次産業を巻き込んだ、六次産業の時代。
地域特性を活かしたものづくり、付加価値を高めて自ら消費者に届ける。
法則2 ものづくり力
・地域の特性に合ったものを栽培し、加工する。
・地域の環境��豊かさを大切にする。
・国内外の視察で得た学びを地域特性に合うようアレンジする。
・商品開発には、食感度の高い女性を巻き込む。
生産・加工・販売に加え、体験や滞在を楽しめる食と農のテーマパーク
高知県「馬路村農協」
徹底的に「田舎を売る」
ゆず湯、パッケージが28種類もある
「愛と勇気あふれる湯」、「恋する人の湯」、「なんとなくその気になる湯」、人生100年の湯」、「夢を見る湯」、「しあわせをかき集める湯」、「ツキを呼ぶラッキーな湯」、「うれしいことがあった日の湯」などなど。
でも、全部中身は一緒。パッケージだけが違うという意表をついた商品。
遊び心が馬路村にはある。
広告、パンフレット、ホームページには、地元の少年や、じいちゃんたちが登場
「都会のまねをしない。都会の考えをまねしない」
森を通っていかないと工場にたどり着けない。
村らしさの演出。
森をトレッキングするツアー、ゆず収穫、木工体験など、村の産業を活かしたメニューづくり。
ブランド化するには、まず自分たちの商品が置かれている現状を根本から見直すことが必要。
養豚農家が子どもに、「お父さん、うちの豚肉は輸入の豚と比べておいしいの?どこでいくらで売られているの?」と聞かれても、答えられないのはおかしい。
地域のブランド化
「ヨーロッパのすごいところは田舎が格好いいところ。田舎を売るなら格好よくせなあかん。」
自分が作ったイモが原料の焼酎。ある意味究極のオリジナルブランド
法則3 ブランドデザイン力
・ソフトと人材の開発にお金を使う
・ものづくりを核に、体験メニューで消費者を巻き込む。
・徹底的に「田舎」の物語を織り込んで売る。
・長期的視野で地域全体をデザインする。
・地域同士、賢い田舎同士、知恵をつないでますます発展する。
「食のテキスト」作り
郷土の食材や食文化について学ぶこと
食材の背景や歴史などから学び、実際に食材を食べるワークショップ
素材がシンプルで明確であれば、感受性の強い幼児や小学校の児童ほど、素晴らしい反応を返してくれる。
奄美の塩の話
『人間は脳で食べている』
おいしさの4分類
・生理的な欲求に合致するものはおいしい
・生まれ育った国や地域あるいは民族などの食文化に合致するものはおいしい
・脳の報酬系を強く刺激するおいしさはやみつきになる
・情報がおいしさをリードする
※アミノ酸、油脂、甘味はやみつきになる。
朝早く起きて、夜更かしせず、運動して、規則的な食生活をする。間食を減らして、ごはん、野菜、魚、豆類、海藻、肉類など食事のバランスをよくとることがダイエットの大原則。
長崎県平戸市
漁師によるシイラ料理のワークショップ
(参加費2500円���定員30名)
法則4 食文化力
・特産品を売りたいなら、まずは地域の食文化、その背景を学ぶ。
・誰もが学習できるテキストと、体験できるワークショップを効果的に組み合わせる。
・アンテナショップやラボなど、文化を伝える「場」を作る。
・食を売り込む戦略で、次世代の「味覚と健康」を守る。
兵庫県豊岡市
コウノトリと共生するまちづくり
スローシティ(イタリア・ブラ市の例)
派手な看板や自動販売機などは一切ない。
町の景観保護条例で規制
法則5 環境力
・地域の農家や加工業者など伝統的な生産者や作り手を表に出す。
・「環境のため」が地域住民の誇りになる。
・身の丈に合った経済規模が持続可能のポイント。
・伝統的な建造物を大切にする。
・景観保護のために町全体のデザインに配慮する。
投稿元:
レビューを見る
地方活性化の具体的手法が書かれており、参考になった。
地域をとことんまで突き詰めたブランディングに勝機がある。
まだまだやれることがある、とやる気が出る内容であった。
投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
「ないないづくし」にあえぐ地方の中から、都会もうらやむ活力と雇用を創出する田舎が出てきた。
地域おこしの成否は、いったいどこで決まるのか。
全国800の農山漁村をまわってきた著者が、「発見力」「ものづくり力」「ブランドデザイン力」「食文化力」「環境力」の5つの力に焦点を当てて検証する。
ふるさとに生きがいと誇りを取り戻す1冊。
[ 目次 ]
第1章 発見力―「なにもない」土地に眠る宝を探せ(海外の学生を魅了した「過疎の島」;「そのままの日本」 ほか)
第2章 ものづくり力―ビジョンを抱いて、きちんと作れ(食による地域おこしは「きちんとした」ものづくりから;間違いだらけの「特産品」 ほか)
第3章 ブランドデザイン力―ヒットの秘訣は地域に訊け(ものづくりを拠点に地域をブランド化;あらゆるアイデアでゆずを売る馬路村 ほか)
第4章 食文化力―食材の背景を知り、発信せよ(食文化の学びと発信の有効な結びつき;「おいしさ」の表現が豊かになるワークショップ ほか)
第5章 環境力―持続可能なコミュニティを目指せ(環境は、取り戻せる;農薬を減らせる「耕さない」田んぼ ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
投稿元:
レビューを見る
主にその地方の「食」を活かして、町おこしをする。
筆者の経験からその方法が示されている。
「地産地消」とか「伝統料理」とかいっても、
「地産地消」の現状は単にその場所で栽培・消費されているだけに過ぎず、
その種はアメリカ産の改良品種だったり、調味料も化学調味料だったりと、
本当の意味で「地産地消」ではなく中途半端。
徹底してやることが大切だという筆者。
これを読んで思ったことは、
まちづくり・まちおこしは第一にいかにその地域の人を巻き込んでやる気にさせるかであって、
そのきっかけとして人間三大欲求の1つである食欲に訴えかけながら進めていくことは有効なんだろうなってこと。
その際の仕掛け、さらには対外的にどうするかを考える段階になって、
この本に書いてあることは参考になりそうだと思った。
投稿元:
レビューを見る
この本は主に農と食に重点をおいた地域力の本である。内容は元気のある田舎の成功事例を元気いっぱいに熱く語っていて読みやすい。1.「発見力」では、海外の若者が感動した「そのまま」の五島列島の暮らしを紹介している。2007年,people to peopleという学生大使の交流事業で48プログラム中、1位に評価されたそうだ。現代の若者にはヨーロッパ旅行などの経験から、「本当の田舎はかっこいい」という認識をもつ人も増えているようだ。2.「ものづくり力」では大分県日田の野菜をあげており、3.「ブランド力」では高知県馬路村の柚子、三重県伊賀市の畜産「もくもくファーム」などが紹介され、4.「食文化力」ではイタリアのスローフード運動を紹介し、大分県竹田市のサフランや茨城県常陸太田市のソバなどの例をあげている。5.「環境力」では、兵庫県豊岡市の農業や教育などを巻き込んだコウノトリ保護事業を紹介している。農政については、生産ばかりに注意してはいけないという。消費などの出口を見据え、加工・サービスなどで付加価値をつけた6次産業化の取組が大事であるという。また、調味料の材料や種の品種まで検討しなくては本当の地域限定の素材は発見できないとしているところは徹底的で優れている。その意味で、伝統野菜や流通に乗らない雑魚の価値を発見するべきだと指摘している。
投稿元:
レビューを見る
取材と構成。そこに説得力が生まれている。
基本は「食」の問題提起。国際価格競争力、工業並みの効率、大量生産が安定経営。
幻想ではなく破たんし、被害をうけているのは消費者と農業者自信とする。
ファストフード、添加物で補完する食糧の工業化。
結果に千葉の農民の弁。「東京の人はたいしたもんだ。これだけ農薬を使ったモノを食べても、死なない」。
TPPは、消費者の問題である。そうしたことを、今、考えさせてくれる。
投稿元:
レビューを見る
タイトル負けしていると感じるが、ちょっとした希望を感じることはできる本。背後に同じようにやろうとして失敗した人たちの存在を想像できるため、若干の後知恵感がある。でも正解の無い問題なので事例は貴重。
投稿元:
レビューを見る
著者は食環境ジャーナリストの金丸弘美氏。
ゆずで有名な高知県馬路村や、三重県のモクモク手作りファームなど、地方の強みを生かして、食のブランドを作った成功例を紹介している。
地方分権時代に入り、地方が地方で強くなっていかなければならない時代。地域ブランディングに悩んでいるところも少なくない。B級グルメのような食によるブランディングは、しきいは低いが、それだけでは成功しないのではないか。
地元の農家と連携する、地元の特産を磨き上げる、地元に利益を還元するといった本質的な取り組みがともなっていなければ、成功しないのではないか。仮にいっとき成功したとしても、継続は難しいのではないか。
投稿元:
レビューを見る
強みを活かせ!貧乏人チャートは目標達成シート。「おんしゃ、なにいいよりゃ?おんしゃの生まれた時代にも、おんしゃのやることがあるろがや!」(龍馬)。イザベラ・バード著「日本奥地紀行」
投稿元:
レビューを見る
長崎県五島列島の小さな過疎の島が世界でトップの評価を受けた。内容は民家に泊まって食事をとったり浴衣で散歩をしたりである。どこの田舎にもある暮らしを体験するだけのものなのだが、一般家庭に泊まり世話をし気にかけてくれるホスピタリティーが多くの人々に感激を与えた。田舎の情緒、風景。そのままの日本が称賛の対象となった。何にもないところからのスタート。自分たちが日ごろ何とも思っていないものを使っての成功譚。このほか、山間地とか過疎とか離島といわれたところで、地域活性化の大きな成果をあげているところが沢山紹介されている。発想の転換を促された。
投稿元:
レビューを見る
国内のいくつかの地方に焦点を当て、田舎という環境をアピールポイントに変えて、地方活性に動き出している事例を紹介している本。
かつては「都会対田舎」という図式ができあがっており、「田舎=遅れている、カッコ悪い」というイメージがありましたが、情報社会、流通社会となった今では、以前ほど中心と地方の落差は無くなって来ているように感じます。
ただ著者は、当の田舎の方では、21世紀になってもなかなか意識が変わらず、ほとんどの田舎の地域づくりは、まだまだ都会のモノマネをしているにすぎないと指摘しています。
確かに、都会の移り変わりを追っているだけでは、その土地の持つ魅力は引き出せません。
まずは独自の風土の持つ特色を生かし、宣伝していくという意識変換が必要だと説いています。
例として、ゆずで地域おこしをはかる高知県馬路村が詳しく紹介されていました。
馬路村「ゆず湯入浴剤」は、パッケージが28種類もあるものの、実は中身は全部一緒なんだとか。からくりではなく、その遊び心自体が大事なんだそうです。
また、兵庫県豊岡市でのコウノトリ保護運動についても述べられていました。
コウノトリと人が共存していく社会をつくるため、鳥が電線に引っ掛からないように電線の埋没工事や田畑のビオトープ化、水田魚道の設置などを行った話が事細かく記されています。
ちょうど、佐渡島でトキ育成プロジェクトを見学してきたところだったため、非常に興味深く読みました。
農業に疎い私は、収穫後の冬に田んぼから水を抜き、乾かす(乾田)理由がわかりませんでしたが、これは稲刈り機(コンバイン)を入れるためだそうです。
ただその結果として、カエルやドジョウ、そしてそれらを食べる鳥も田んぼに来なくなったため、環境保護のために冬季湛水水田を行う農家が増えてきているとのこと。
冬季湛水水田には除草剤を使わなくても雑草を抑制する効果があるため、農薬を使わない安全な米としてのブランド価値がつくそうです。
この動きがどんどん広まっていけば、よい流れが生まれるだろうと思いました。
あとがきに、総務省の地域力創造アドバイザーとして活動する著者が今の仕事を始めるようになったきっかけが書かれていました。
アトピーやアレルギーに苦しむ子供たちがいることに気づいてからだそうです。
ファストフード、ファミリーレストラン、コンビニといった外食産業や冷凍食品、インスタント食品といった栄養の偏りに加えて、光化学スモッグ、排気ガスなどが原因で、子供たちの健康は損なわれています。
まずは健康な食を子供たちに手渡したいという願いが、著者を動かしているのだとわかりました。
未来を担う子供たちだけでなく、誰でも健康な食生活を送ることが大切なので、文明が進むにつれて、一層重視されるべき分野となるでしょう。
「サイエンスも民俗学も美術も料理もある総合学習の楽しい学校」と表現する著者。子供たちへの教育も行っている様子が紹介され、自分たちの生活に根差したオールアラウンドな教育をほどこすことの大切さを感じました。
ところで、高知の人の7割くらいは坂本龍馬が夢に出てくるのだそうです。
高知出身ではない私は、たしかに一度も見たことがありません。
不思議なものですね。