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人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか(新潮新書)
著者 森博嗣 (著)
熟考したつもりでも、私たちは思い込みや常識など具体的な事柄に囚われている。問題に直面した際、本当に必要なのは「抽象的思考」なのに――。「疑問を閃きに変えるには」「“知る”...
人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか(新潮新書)
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人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか (新潮新書)
商品説明
熟考したつもりでも、私たちは思い込みや常識など具体的な事柄に囚われている。問題に直面した際、本当に必要なのは「抽象的思考」なのに――。「疑問を閃きに変えるには」「“知る”という危険」「決めつけない賢さ」「自分自身の育て方」等々、累計1300万部を超える人気作家が「考えるヒント」を大公開。明日をより楽しく、より自由にする「抽象的思考」を養うには? 一生つかえる思考の秘訣が詰まった画期的提言。
著者紹介
森博嗣 (著)
- 略歴
- 1957年愛知県生まれ。作家、工学博士。「すべてがFになる」で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。他の著書に「スカイ・クロラ」「神様が殺してくれる」など。
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紙の本
執筆後の原題は『抽象思考の庭』だそうな。
2015/11/01 01:09
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:朝に道を聞かば夕に死すとも。かなり。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の結論は「もうちょっと考えよう」です。
「よく学び、よく遊べ」…ビジネスで成功して遊んでいる人がいて、どう考えても遊んでいるけど、「遊んでいる時に仕事のアイデアを思い浮かんでいる」と語る人は抽象的な頭を持っているからそういう別分野での発想を活かせる。で、これがわかんない私は嫉妬の炎に苦しむわけです。
抽象画は抽象度が高いと多くの人はわからなくなる。抽象度のすぐれた文章ってのは、そういうもの。ただそれでも自分が感じたものの記述に関して「よくわかんないけど、これなんかすごそう」ってのが伝わる文章があります。
森さんはこう述べます。知識を与える教育は効果がある。しかし、抽象的思考は果たして教えられるのか?教育は具体的知識しか詰め込めない。才能を育てるのはもともとあった才能が活かされる場を用意するだけ。発想の仕方は教えられない。
仕事の多くは具体的な課題に向き合い、具体的な成果を求められる。そういう立場であればどうしても具体的事象にとらわれる。ある意味とらわれないと仕事にならない。抽象的に考えていたら時間的ロスも増すから、遠くの目標よりも、近くの道に目がいく。手近な作業に没頭することで、小さな安堵が得られる。ついつい近くの安心に逃避する。客観性を増すと「すべてが虚しくなる」しかし、虚しい事は悲しい事ではない。幸い、日本は虚無は悪徳ではない。
抽象的思考は雑草を引き抜き、こんなのがあればいいという種をまく。人間の脳は「庭」である。人間の頭脳は自然であり、比較的自分の勝手になる庭。楽しく学ぶのは幻想であり、勉強は辛いが、遅い判断の方が正しさに近い。抽象的に考える人はこうした留保がある。庭が広い。自分の庭はこつこつと作ろう。
私が思うに、感情は大脳に起因しており、抽象的思考は前頭葉処理ですので、どうしても思考が遅く、感情、つまりは自分の道徳観に沿わないものは排除したい気持ちは誰にもあり、遅い思考で留保してもいいから「もうちょっと考えよう」と抽象的に考える事は、自分の庭のカスタマイズができたら景色が違うよっていう事なのでしょうね。