- 販売開始日: 2013/10/04
- 出版社: 新潮社
- ISBN:978-4-10-130701-5
幻の光
著者 宮本輝 (著)
人は精がのうなると、死にとうなるもんじゃけ――祖母が、そして次に前夫が何故か突然、生への執着を捨てて闇の国へと去っていった悲しい記憶を胸奥に秘めたゆみ子。奥能登の板前の後...
幻の光
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商品説明
人は精がのうなると、死にとうなるもんじゃけ――祖母が、そして次に前夫が何故か突然、生への執着を捨てて闇の国へと去っていった悲しい記憶を胸奥に秘めたゆみ子。奥能登の板前の後妻として平穏な日々を過す成熟した女の情念の妖しさと、幸せと不幸せの狭間を生きてゆかねばならぬ人間の危うさとを描いた表題作のほか3編を収録。芥川賞受賞作「螢川」の著者会心の作品集。
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精
2002/07/25 00:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アセローラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人を生の側につなぎとめているものとは何なのだろう。この小説の中で、主人公ゆみ子の祖母・前夫が突然プツリと切れた糸のように死の側へ行ってしまう。愛する人を突然亡くしたゆみ子の喪失感が、今暮らしている奥能登の海を背景に痛いほど伝わってくる。生と死は対になっているものではなく、同じ線上にあるのだと思います。生へつなぎとめるものも、死へと向かわせるものも、これといった理由があるわけでもないのかもしれない…。「精」というものが人間には大きく渦巻いているような気がしました。