商品説明
ミュージシャンを目指してバンド活動をしている、誰もが振り返る美少女のクロノ。四人の中で唯一“初体験”を済ませていて、生徒会長に片思い中の睦実。弓道部で活動していて、友だち想いの夏海。そして、落語家を目指す大好きな彼氏が出来て、ファーストキスをしたばかりのまひる。悩みも夢も違うけれど、時に応援し合い、なぐさめ合い、確かに繋がっている四人のクラスメイト。だがある日、まひるを思いがけない試練が襲い……。
光り輝く宝物のような時間は大切にしないと、シャボン玉のように消えてしまう。最高の仲間と過ごした高校生活を鮮やかに描写し、多くの紙誌で絶賛を受けた、青春小説の新たな金字塔!!
著者紹介
椰月美智子 (著)
- 略歴
- 1970年神奈川県生まれ。2001年「十二歳」で講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。「しずかな日々」で野間児童文芸賞、坪田譲治文学賞を受賞。ほかの著書に「フリン」など。
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紙の本
高校生の一日一日には、人生の縮図のように大切な時間なのです。
2017/12/27 10:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
思春期と十把ひとからげに書くのは気が進まないが、中学生・高校生の
時間は特別なんだと再認識した。一日一日を大切に生きるのは、
子どもも大人も、その間の世代も変わらない。
さんざん悩んだけれど、「その間の世代」としか書けない人たち。
男なら青年と少年の間。女なら少女より上。
けれども、そもそも青年に対応した女の呼び方が思いつかないという、
言葉に当てはめることのできない時期。
大人と子どもが完成系とは思わないが、その間は変化中の状態だと
いうことをぐるぐると考えてしまった。
一日一日を大切に生きる。うん。そうだね。
まひるは、廊下側の壁の下にある四つの横長の小窓を
見つめていた。風通りがいいようにすべて開放してある。
残暑が厳しい。
三つ目の小窓を上履きの足先で、半分まで閉めては開けることを
繰り返す。もしかしたら小さなおじさんが現れて、
ひょいと顔を出すのではないかという期待。
まひる。窪田。夏海。むっちゃん。クロノ。
小さいおじさんの話を始めたのは窪田。
男子の前でも平気でスカートの上からパンツの食い込みを直したり、
シャープペンで耳掃除をはじめる人だ。
小中学生の時に出会ったら、友だちになっていないかった
かもしれない人たち。
なぜか魅かれあい、刺激しあい、成長を見つめあう。
一人一人の描き方が、個性を大事にしていてどきどきする。
見過ごしてしまいそうなカケラを拾い集めて話をつないでいる。
物語は、いろいろなことが起こるけど、大きな流れでは
何も起こっていないかもしれない毎日。
「その青の、」はどんなアオ?
「その先の、」は、見えそうで見えないその先?
タイトルがじんわり沁みてくる。
何かありそうで、何もないかもしれないあの頃の一冊。
変化の流れの中に浸ってみるのも悪くない。
紙の本
余韻があって、広がりがあって、雰囲気がある
2015/08/31 20:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うおざ - この投稿者のレビュー一覧を見る
全く予備知識なしで読みはじめたら、
うっかりノンストップで読んじゃった。面白かった。
中学生と高校生におすすめ。もちろん、それ以上にも。
主人公は、高校2年生の女の子、まひる。
そのまひるの高校2年の夏前から、高校3年の春までの約一年間の物語。
まひるは、特に美人でも勉強ができるわけでもなく、
部活やサークルに打ち込むわけでもなく、
ごくフツーに、目立たなく、穏やかに、生きている。
まひるの家族は、父と母、そして小5の弟。
「カレシ」の亮司は、男子高の2年生。落語家を目指している。
同じクラスで仲良しなのは、
バンドのボーカル美少女のクロノ、
弓道部でピンと筋の一本通った夏海、
おっとり天然系のむっちゃん。
全然タイプが違うけど、仲良しの4人組。
まひるをとりまく「日常」が、丁寧に描かれる。
四人でのたこ焼きパーティー。
クラスでの「ヒエラルヒートップ」のイケイケ女子たち。
まひるの高校の文化祭、亮司の高校の文化祭。
クロノのバンド仲間で亮司の友達のミナト。
亮司とでかける寄席。
少しずつ時間がたち、
それぞれに、いろいろなことがおこったりおこらなかったり。
まわりが少しずつ変わっていき、自分も少しずつ変わって、
だんだんいつのまにか、年をとって、大人になって・・と
まひるは、ぼんやりふわふわと自分の人生について考えていたんだけど、
ある日突然、厳しい現実がまひるの目の前に現れる。
そして・・・・。
何が起こったの~? と気になる方は、
ぜひ、本を読んでみてください。
一気読みをおすすめします!
タイトルがいいなあ、と思う。
余韻があって、広がりがあって、雰囲気があって。
読んでいる間は、結構集中して読んで、
涙が出ちゃうところもあったはずなのに、
読み終わってちょっと時間を置いたら、
なんだか印象が薄れてしまった。あれ?
タイプの違う女の子たちが、
それぞれのやり方で懸命に生きているのが描かれていたと思うんだけど、
その「刻まれ方」が浅い、というか、なんだろう?
描き方がうますぎるのかしら。なんか、ひっかからない。
この「ひっかからなさ」は、けれども、
ある意味とてもリアルな感じがする。
若い、それこそ、高校生や大学生あたりの子たちを見ていると、
こういうスマートというのか、浅いというのか、
そういうのを漠然と感じることがある。
いや、別に、だから悪いと言っているわけじゃないんだけどね。
単にわたしが年取って、
若い子たちの「リアル」を感じとれなくなっている、というだけかもしれないし。
中学生や高校生は、どう読むんだろう。