電子書籍
ドイツの歴史
2022/03/13 16:42
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドイツの歴史についてよくまとまっている。アジールという視点でドイツ史を見ているところが新鮮な視線で興味深かった。
紙の本
いつの時代の、どこの地域が、ドイツ史に含まれるべきなのか
2024/02/24 18:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
1871年以前については、どこの地域での
出来事を記述の対象とすべきか、
が既に大問題である、かの国の歴史を、
新書1冊の分量で語ろうとする、
かなり大それた企画に、本書では、
著名な中世史家が挑んでいます。
しかし残念ながら、この狙いが首尾よく
達成できたようには思えません。
なお、アジール空間についてのくだりは他書に
見られない論点であるように思いました。
紙の本
興味深い
2022/06/09 10:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドイツの歴史が、中世から描かれていて、興味深く読むことができました。ドイツという国家のありかたが、よくわかりました。
紙の本
連邦共和国
2022/10/08 05:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヨーロッパの中心国と言っていいドイツ。その歴史残念ながら太古がどのような様子であったかは解説が無い。また土地感が無ければ文章だけでの理解は難しい。
投稿元:
レビューを見る
ドイツをまとめるのは大変だなあ・・・と思ったのが一番の感想です。
私の読解力を棚に上げて言えば、なんか内容がまとまってないような。
そもそもドイツ自体がまとまった国家として日が浅いのからかもしれません。
みなさんも知っての通りドイツの原型は9世紀前半のカール大帝死後、その子供たちによって行われたヴェルダン条約およびメルセン条約によるフランク王国分割により形成された東フランク王国です。
まあ実質的なスタートは962年オットーの戴冠による神聖ローマ帝国成立と考えていいでしょう。
しかしこの帝国は諸侯や都市の力が強く、帝国内の半独立国としてときに皇帝に刃を向けます。
宗教でもルター以後北部のプロテスタントと南部のカトリックと16世紀を中心に争い続けます。
だいたい、ドイツ史を描くならば中世末から近代まではハプスブルク家を中心にせざるを得ませんが、ハプスブルク家の領土は今のオーストリア、ドイツではありません。
現ドイツの形を完成させたのは東方に興ったプロイセンであり、17世紀頃から力をつけ始め、あれよという間にオーストリアと比肩するようになり、1871年にオーストリアをのけ者にしてついにドイツ帝国をまとめてしまいます。
第二次大戦後東西ドイツに分かれていたことは書くまでもありません。
極論を言えばドイツという地域は歴史的に統一性がないのです。ですから地域史として描けても一国史として新書でコンパクトにまとめるのは無理があるのではなかったのではないでしょうか。それこそ山川の歴史大系ほどの分量が必要となってしまいます。
あと著者が中世史家ということもありますが、中世に関する内容が細かすぎるのも気になります。その所為か、近世までは比較的文化や心性なども取り上げていたのが、ナポレオン戦争以後の内容が政治史中心の簡略された事象の羅列になってしまった感があります。ビスマルクについては比較的多く取り上げられていましたが、ヴィルヘルム2世やヴァイマール体制、ヒトラーなどについてはもう少し詳しく書いてほしかった気がします。
しかし、この本を読んで考えさせられたのは、阿部先生はこのほんのテーマの一つに世俗の権威や法律が適用されないアジールという空間をとらえてますが、その伝統が中世都市などで適用されていたこと、大陸国のドイツはそのためいろんな民族が国内に入ってきたこと、その伝統が今でも生きていること。
日本は難民受け入れが厳しいと非難されますが、このような伝統を持つヨーロッパと単純に比較できるのかということです。
日本にもアジールは存在しますが、その対象はあくまで同民族です。日本には他民族が自分たちの周りで普通に生活するということは想像にもありませんでした(渡来人などは一過性のものでしかもすぐに同化する)。
ローマの万民法も他民族との共生が前提にないと成立し得ないように、ヨーロッパには他民族との共生というのが通常の状態という時代が1000年以上続いているわけで、日本と思考が全く違います。
もはや国際化した世界における日本の立場として難民受け入れを積極的にしなければならないのは言を俟ちませんが、単純にヨーロッパと比較してどうこうというのはちょっと短絡的かなと思うわけです。受け入れを広げるにしろ狭めるにしろ歴史的な日本の民族性というのも考慮の一つに入れないといけないと思います。
「歴史とは過去と現代の相対化である」とはE.H.カーの言葉ですが、現代を見るには過去を知ることが欠かせないことを改めて感じました。
投稿元:
レビューを見る
現代の亡命に影響を与えた概念、アジールをサブテーマにしているのは、2010年のメルケル首相の発言の背景の一端が見えて面白い。けれどもアジールの記述をはじめ挿話が多く、リズムよく読めなかった。
投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
ヨーロッパ連合が結成され、国境線が事実上の意味を失いつつある現在、その進捗はドイツにどのような変化をもたらすのだろうか。
ドイツの誕生から今日にいたる歴史に、「ドイツ的」とは何かを思索する。
[ 目次 ]
ドイツ史の始まり
叙任権闘争の時代
個人の誕生
神聖ローマ帝国
中世末期の苦悩
宗教改革の波
一五・一六世紀の文化と社会
領邦国家の時代
三十年戦争の結末
ゲーテの時代〔ほか〕
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
投稿元:
レビューを見る
ドイツに旅行に行くためにお勉強。この本は思想・文化的背景からの歴史アプローチが多く、ただの歴史本ではないため興味深い内容となっている。
今回は、なぜドイツで魔女狩りやナチスの台頭が起こったのか、ということが大きな命題だった。
魔女狩りについては…
ドイツは森が多く、日本と同じようにそこには神々が宿っていると信じられていた。キリスト教の支配下になっても、他の地域より土着の宗教が長く生活の中に取り入れられていたのだろう。それ故、どの地域よりも強力な方法で人々のキリスト教化と土着宗教の弾圧が行なわれたのだと思った。
ナチスについては…
ドイツは地理的にヨーロッパの真ん中に位置しているため常に他国からの侵略の脅威にさらされており、統一も遅れたために公領のるつぼだった。統一も遅れれば帝制の崩壊も遅れ、植民地への進出も先を越される結果に。日本もそうだが、出遅れた領土拡大政策を取り戻すべく、過激な行動に出た可能性が高いと思った。
思えば今のドイツは私が生まれてから出来たまだまだ若い国。統一ドイツでは東西格差が未だ大きな問題になっているという(友人の話だと「東の人は見れば分かる」とのこと)。一方、ドイツには亡命者を受け入れる法律(アジール法)が存在するため、たくさんの人々(もはや難民)が押し寄せているという。「外国人保護よりも旧東ドイツ国民に職を!」ということで、外国人に排他的な風潮やネオナチの台頭を招いているという。
世の中は不安定要素があると自分を守るために民族主義・排他的傾向に走ることが多い。今の中東でのイスラム回帰も同じようなことが言えるのかもしれない。
色々なことを考えさせられた一冊であった。
投稿元:
レビューを見る
ドイツ通史の文庫本。人名で誰が誰であったのか少し混乱したが、それ以外はわかりやすく読ませてもらいました。文庫本なので、致し方ないですが、人物について説明を省いているところが多々見られた。そのあたりはさておき、ドイツの歴史はほとんど白紙状態だったので、これで少しヨーロッパ史を補強できたと思います。
投稿元:
レビューを見る
ドイツの歴史を通じてEU の中の国民感情の変化、中世にあったアジールという庇護権、多くの音楽家を産んだドイツ的なものとは何かという3つの視点で書かれたドイツ史。音楽に焦点を絞ったドイツ史も執筆するつもりだったらしいが書かれることなく亡くなられたらしく非常に残念。神聖ローマ帝国という高い理念と領邦国家の分立による国民国家形成の遅れと市民の政治参加への挫折が深い内省的な芸術や哲学を生み出す土壌になったようだ。
投稿元:
レビューを見る
ドイツの歴史の本を探そうとすると、ナチス関連の本・世界大戦前後の本がとにかく多い感じですが、これはドイツ史の始まりから世界大戦を経て現代に至るまでの歴史が通して読めるので面白い。中世以前からドイツに現れつつあったひずみがヒトラーのような独裁者を生んでいくことにつながる、というところに、歴史は地続きで流れているのだなぁとしみじみ感じました。
投稿元:
レビューを見る
(2003.07.03読了)(1999.08.26購入)
ドイツ的とはなにか
(「BOOK」データベースより)amazon
ヨーロッパ連合が結成され、国境線が事実上の意味を失いつつある現在、その進捗はドイツにどのような変化をもたらすのだろうか。ドイツの誕生から今日にいたる歴史に、「ドイツ的」とは何かを思索する。
投稿元:
レビューを見る
11世紀まではヨーロッパに商人が十分に成立していなかったから、ユダヤ人はそれに代わる存在として必要とされており、各地でユダヤ人に対して寛容な政策が取られていた。
十字軍の頃に変わった。
投稿元:
レビューを見る
再読、いつ読んだのかは全く覚えていませんが。
通史概論なんで粗っぽい面は致し方ないけれども、やっぱり専門から少し外れるからか、近代の叙述が乗っていないというか、それこそ無難感あり。
逆に中世のくだりは濃密感あり、あとがきのドイツ音楽(当方クラシックは全くの門外漢ですが、ちなみに)と中世史という観点での本を是非読みたい。というか世に出せたのかな?この本も結構晩年近くに書かれている本のようだし。
しかしなんですね、この国とナチスという組み合わせがやっぱり解せない。この本でもその解説を試みてますが、今ひとつ納得できない。今のドイツを見ているから余計にそう思うのだろうけれど、ほんと人間のダークサイドというのは底知れない。その一方、ナチスと同時代の日本はさもありなんと腹に落ちてしまうというのも同様にその闇の深さを物語るような。
投稿元:
レビューを見る
92物語 ドイツの歴史 阿部謹也
・ドイツ的とは何か:ドイツほど、数多くの優れた作曲家を輩出した国はない。音楽と切り離せない
・アジールに関して:ドイツ寛容、日本厳格