- 販売開始日: 2013/11/15
- 出版社: 早川書房
- ISBN:978-4-15-030634-2
魂の駆動体
著者 神林長平 (著)
人々が仮想空間へと移住しはじめた近未来、養老院に暮らす〈私〉は、生の実感をとりもどすため理想のクルマを設計する。いっぽう遥かな遠未来、翼人のキリアは、人類の遺跡から一枚の...
魂の駆動体
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商品説明
人々が仮想空間へと移住しはじめた近未来、養老院に暮らす〈私〉は、生の実感をとりもどすため理想のクルマを設計する。いっぽう遥かな遠未来、翼人のキリアは、人類の遺跡から一枚の設計図を発見するが……機械と人間の関係を追究してきた著者が、クルマと自由な精神の解放を謳う現代の寓話。
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人と機械の関係
2001/02/08 21:26
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:早坂千尋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自動車がまさに「自ら動く車」として交通システムに組み込まれた近未来、個人が車を所有することは不可能とは言わないまでも、現実的ではなくなった時代。主人公の老人は、林檎畑で見た一台の廃車と、旧車のレストアを趣味としていた父親の思い出とから、「自分の車」の設計を始める。
そして車どころか人間は滅び去った遠未来、世界は翼を持った鳥人の世界となっていた。そしてある時、人間の遺跡から「作られなかった車の設計図」が発掘される…
神林長平には、人間と機械との関わり合いを描いた作品として『戦闘妖精・雪風』という傑作がある。しかし、機械と人間の異質さ、すれ違いを軸とした『戦闘妖精・雪風』と違い、この『魂の駆動体』は人間と機械の相互作用、そしてそこから生まれ出るものを描いている。
『戦闘妖精・雪風』の機械は電子頭脳を中心とした人工知性体に近いもの、『魂の駆動体」の機械はオイルにワイヤーにボルトといったメカニックという違いはある。
これは自動機械としての機械と、人間の体の延長に存在する機械の違いだ。
『戦闘妖精・雪風』は巨大な電子機械への盲目の信頼と離別、そして『魂の駆動体』は人が徹底的に歩み寄ってやらなければその能力を発揮してくれない機械との付き合いと、人と機械がまさに共鳴した時のハーモニー、人の魂を駆動してゆく存在としての機械を、それぞれ描いている。
どちらがというわけではない。この二つは同じことの二面性でしかない。
そして、この二つは『グッドラック 戦闘妖精・雪風』において、一つの作品に昇華される。
この作品は、自動車を運転することに喜びを感じる人に読んでもらいたいと思う。
神林作品の手頃な入門書として
2002/06/16 12:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のらねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
神林長平という作家を代表する作品なら、ほかにいくらでもあげることができる。が、最近になって読む機会のあったこの作品は、わたしが考える「神林らしさ」があふれる佳作だった。
わたしなりに感じている神林作品の特徴を、いくつか挙げてみよう。
思弁的である。大胆な仮説を前提にして作品世界を構築する。メカニックへの偏愛。ネコがでてくる。
「魂の駆動体」は、これら全部の条件をクリアしている。
個人的に、元気で茶目っけたっぷりなじいさんたちがイカス(死語)と思った。妙に人間臭い未来世界の鳥人たちも生きいきしていてよい。
神林作品の入門書としては手頃なんじゃないかな。
不思議な作品
2017/03/16 09:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんと評していいか困ったのだけれど、「不思議な作品」というのが一番適切な気がします。テーマは、「車」であることは間違いない。これはまあいくらでも良くあるテーマであるけれど、ここだけが唯一普通な所かもしれない。後は物語も構成もとても不思議だなと感じました。まず作品の構成だけれど、時間軸を二つに分けて物語を進行させるというのもこれ良くあるパターン。大体「過去と現在」「現在と未来」なんてのが良くあるパターンで、「過去と未来」というのもあまり見た事が無い気がするけれど。本作品は「ちょっと未来とはるか未来」という二部構成になっている。この時点で不思議。そして物語の展開も何か不思議。第一部の近未来編、結構なボリュームをもってリンゴの話しが続く。近未来ではリンゴが貴重になっていて、二人の老人がそれをリンゴ園に盗みに行くと言う展開。そのリンゴ園に遠の昔に使用されなくなった(近未来では自動車はまさに自分で動く車で、運転という概念がない)、ボロボロになった車が捨てられているのを見かける。それに刺激を受けた老人二人はエンジンから車を作り始める。そこからの蘊蓄具合は、車好きには面白いかもだけれどもという感じ。そして作品ボリューム的にちょうど半分くらいの所、老人たちの車づくりが具体的に始まったあたりで、突然話しが全然違う「はるか未来」に飛ぶ。登場人物の名前も「カケリアス」とか「キリア」だったり、もう全然世界が違う。というか人々の背中には羽すら生えていて「翼人」と呼ばれていたりする。その一人があえて翼を無くして地上の世界に生きる事を決意する事から物語は始まる。そして地上に降りたある日、はるか昔の人間が遺した遺跡の中から車の設計図を発見。興味を持った主人公はそれを組み立てみようと決意するのだが…という流れ。これもオチがあるような無いようなな感じ。登場人物の名前がキリアやアンドロギアとかだったり、人に翼が生えていたり、なんだかギリシャ神話を彷彿とさせる内容。第一部も第二部も、全体的に哲学的な匂いも感じる。どっしり感はあるけれど、誰にでもオススメ、って感じではありませんでした。
魂の駆動体
2016/11/07 13:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:によ - この投稿者のレビュー一覧を見る
おもしろかった!
読後に裏表紙のあらすじを読んでみて、数行のあらすじではこの本のおもしろさもストーリーさえも何一つ現せないんだなぁと。
(だからこそ神林作品が読みたいんだ。)
近頃「人間は楽しむために生まれてきたのか」ということについて考えを巡らしていたので、ちょうど良いタイミングでのフムンだった。
でもすっきりしててこんなに明るくて前向きな気分になれちゃっていいのかしら…と疑う自分もいるw
まぁ、猫かわいいからそれでいいか!