- 販売開始日: 2013/11/15
- 出版社: 早川書房
- ISBN:978-4-15-030902-2
そばかすのフィギュア
著者 菅浩江 (著)
新作アニメ「ダグリアンサーガ」キャラコンテストで最優秀賞を受賞した靖子。彼女のもとに送られてきた村娘アーダのフィギュアは、最新テクノロジーで自在に動き、設定に応じた感情ま...
そばかすのフィギュア
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商品説明
新作アニメ「ダグリアンサーガ」キャラコンテストで最優秀賞を受賞した靖子。彼女のもとに送られてきた村娘アーダのフィギュアは、最新テクノロジーで自在に動き、設定に応じた感情まで持っていたが……。少女とフィギュアの優しく切ない交流を描いた星雲賞受賞の表題作他、初期傑作八篇を収録。
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星雲賞受賞作ほか
2019/06/27 22:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かんけつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作は前から評判高く、気になってた。魂を備えたAIぽくてもはや超技術の世界。オタクの夢の実現であり、成長譚でもあり。水準高い。
凄いか、っていわれると、さほどではない気がします。どれも誰かが既に書いているような・・・でも、きっと気のせい、だって「お夏 清十郎」なんてなかなかのもの。でも、オチがはっきりしすぐりお話は、イマイチかな
2008/01/19 23:26
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
星雲賞受賞の表題作他、代表作『永遠の森』以前に発表された8篇を収める初期作品集だそうです。菅は好きな作家ですが、どうもSF作品については理解できないところがあります。まず代表作『永遠の森』に心動かされなかったのが大きい。むしろミステリタッチのほうが分りやすい。おまけに初期作品だし、高校在学中の作品まである。
そういう私自身の傾向から、不安だったんです、楽しめるのだろうか?って。少なくとも、カバーイラストは合格。菅作品にピッタリ。何より清潔な可愛らしさがいい。菊池 健担当。カバーデザインはハヤカワ・デザイン。カバー後の案内文は
新作アニメ「ダグリアンサーガ」
のキャラコンテストで最優秀賞を
受賞した靖子。彼女のもとに送ら
れてきた村娘アーダのフィギュア
は、最新テクノロジーで自在に動
き、設定に応じた感情まで持って
いたが・・・・・・。少女とフィギュアの
優しく切ない交流を描き星雲賞を
受賞した表題作、高校在学中に発
表されたデビュー作「ブルー・フ
ライト」、文庫初収録のファンタ
ジイ「月かげの古謡」など、初期
傑作8編を収録した待望の作品集
です。各話を初出と合わせて簡単に紹介しましょう。
・雨の檻 〈SFマガジン〉1991年4月号:世代型の移民船に乗って何百年もかけて新しい地球を見つける旅をしているシノと彼女のために作られた感情型人工物フィー。シノのお守役でもあったフィーが徐々に狂い始めて・・・
・カーマイン・レッド 〈SFアドベンチャー〉1991年4月号:辺境のスカラッチ美術専門学校で不安定な精神状態にあった僕が出会ったのは、教育委員会が絵かきの一員にしたがっている自動人形ピイ。教師のタグロット先生はピイにつらくあたって・・・
・セピアの迷彩 〈SFマガジン〉1992年4月号:クローンの良美・ミルザップのもとに、彼女に身勝手な要求を突きつけて去っていったオリジナルの三好智子が現れた。しかも新しい恋人ドリュー・ウェイアンドとともに・・・
・そばかすのフィギュア 〈SFマガジン〉1992年8月号:富田靖子と山下、近藤の三人組はシナリオのコンテストの商品として三体のフィギュア、アーダとコリン、ガル王子をもらった。コリン姫に恋するガル、ガルに想いを寄せるそばかす少女のアーダというのがシナリオの設定だが・・・
・カトレアの真実 〈SFアドベンチャー〉1992年1月号:例の病気に掛かっている私が愛しているのは、病んだ女が好きだという冷酷な男、そんな彼がレイミと付き合うと・・・
・お夏 清十郎 『雨の檻』への書き下ろし:白扇流の若い家元で時遡能力を持つ白扇奈月は今も亡き芙月のことが忘れられない。そんな奈月のもとに次期家元と目される16歳の夢月こと花山俊子があらわれて・・・
・ブルー・フライト 〈SF宝石〉1981年4月号:菅、17歳の時発表されたデビュー作。試験管ベビー(T・T・B)たちに負わされた親たちの身勝手な思い入れに、アヤとジェニーは・・・
・月かげの古謡 〈グリフォン〉1993年夏号:父親に認められたくて宝捜しにでかける領主の息子は・・・
解説/香月祥宏
となっています。心配をよそに、どの話も楽しめたのですが、今風としては「そばかすのフィギュア」が一番かもしれません。フィギュアそのものも、掲載時から15年経った今では当たり前の存在になってしまいましたし、アマチュアの投稿というのも常態化しています。ロボットも身近になって、SF的な部分は少なくなっていますが、小説の部分が光っているの今後も読み継がれるでしょう。
じっくり読ませる、という点では「お夏 清十郎」。やはり和ものというのは、しっとりとした情感があっていいです。文章も濃密で、頭を使いながら読まないと、状況が見えない可能性もあります。でも、好きなお話。「雨の檻」「カーマイン・レッド」も最後に腑に落ちる、その部分が悪くはありません。
その点、「セピアの迷彩」「カトレアの真実」「ブルーフライト」は落ちる。「月かげの古謡」は、あまりにファンタジー色が強くて、菅らしさを感じないというか。とりあえず、呼んで圧倒される才能は、この文庫からは感じられません。とりあえず、読んで損はしないけれど、得もないかな・・・