- 販売開始日: 2013/12/01
- 出版社: KADOKAWA
- レーベル: 富士見ファンタジア文庫
- ISBN:978-4-8291-3281-4
スプライトシュピーゲルIV テンペスト
著者 著者:冲方 丁 , イラスト:はいむら きよたか
大量虐殺による戦犯法廷――そこに召喚されたのは「七名の証人」だった。彼らを守るために動き出すMSS。証人たちが次々と殺されていく中、MSSとMPB、六人の特甲児童の運命が...
スプライトシュピーゲルIV テンペスト
商品説明
大量虐殺による戦犯法廷――そこに召喚されたのは「七名の証人」だった。彼らを守るために動き出すMSS。証人たちが次々と殺されていく中、MSSとMPB、六人の特甲児童の運命が今、交差する!!
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世界統一ゲーム
2008/06/01 10:27
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
キャラクター達にテーブルトークRPGで世界政治を見せるのは秀逸
並行のオイレンシリーズよりいまだキャラが幼稚で、ひとりひとりの見せ場が少なめな感じ
ストーリーは相似性を持たせながら、政治色を絡めてうまく展開している
バトルは逆にトラップと力押しと暴徒が混ざり合って、ちょっと分かりにくいかも
護衛していた相手が次々と殺される、しかもです、昔はともかく現在は立派な人たちが機械化少女たちの目の前であっけなく死んでいく、彼女たちの焦燥が伝わってきます、はい。ま、今は立派でも結構きな臭い人々ではあるんですが・・・
2008/08/25 22:41
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
カバーと巻頭のカラー口絵に関しては、私は圧倒的に『オイレンシュピーゲル』の白亜右月のCGに軍配をあげるのですが、本文中の手描きだろうイラストとなると『スプライトシュピーゲル』の口絵・本文イラストを担当するはいむらきよたかと互角じゃないか、って思います。カラーの印象はそれほどに鮮烈です。ちなみに、『スプライト』のカバーデザインは、designCREST。
そして驚くのがその頁数。『オイレン 四』の429頁にも驚きましたが、こっちは541頁というのですから、この手の文庫としてはかなりのもの。ちなみに、『オイレン』には初出記事がないので書き下しなんでしょうか。ま、お話がこちらの「テンペスト」と対応しているので、書き下しでないと辻褄を合わせにくいし、なんて思ってしまいます。ではその100頁以上の差を生んだものは何でしょう?
早速、目次を見てみましょう。
・フロム・ディスタンス 彼/彼女までの距離(前編) (「ドラゴンマガジン」2007年10月号)
・フロム・ディスタンス 彼/彼女までの距離(後編) (「ドラゴンマガジン」2007年11月号)
・テンペスト(書き下ろし)
1章 六人の証人――スケルツォ
2章 第一の死者――夢見ぬ人
3章 第二の死者――夢魔の精
4章 第三の死者――夢の音色
5章 第四の死者――夢想
6章 第五の死者――夢と祈り
7章 第六の死者――ドリーム・オブ・バタフライ
エピローグ
・おまけ小劇場 ジェダ○の桃太郎と世界を救えナンセンスで
・スプライトシュピーゲルあとがき
となっていて、あとがきが100頁であれば、これは事件ですが、いかに異常文体を駆使する冲方とはいえ、そんなことはしません。一目瞭然、こちらには三つのお話(最初の二つは前後編なので、二つのお話、のほうが良さそうですが)が入っています。量的にも内容的にも圧倒的に「テンペスト」が重いのですが、頁数は「フロム・ディスタンス」の存在が大きい。
その「フロム・ディスタンス」は冬馬・ヨハン・メンデルと鳳・エウリディーチェ・アウグストの恋物語というか初デートの話で、それにちょっかいを出そうとするのが水無月・アドルフ・ルックナーと雛・イングリッド・アデナウアーという構図で、コミカルな、萌え系のお話。ただし「テンペスト」の前振りという気配はまったくなし。読んでいる時も???でしたが、評を書こうとあらためてチェックして、まったく別のお話と捉えたほうがいいと確信しました。
メインの「テンペスト」は機械化少女たちが六人の証人を守る話で、これはオイレンシュピーゲルとリンクしています。で、その関連で言えば「オイレン」での陽炎とミハエル中隊長との恋愛に対応するのが、ハロルドと鳳の交情と受け取れます。同世代のままごとのような恋ではなくて、少女と大人の男性との微妙な付き合いが話の展開につれて重くなる。となると冒頭の冬馬の話が私には邪魔です。
でも、この年齢差を越えた想い、というのはあくまで彩り。この物語の核にあるのはスーダン共和国のハルツーム政権の最高権力者アブドル・アツィム将軍の国際法廷での裁判です。そこで証言することになった七人の証人、そのうち一人は不明なので、残りの六人を敵の手から少女たちが守る、それが今回の話です。
ともかく、登場人物がいいです。証人についてはあとで別に書きますが、スポーツカーで颯爽と登場する二人の女性、アデライード・白堊・ファーレンハイトとクラリッサ・灰叢・ディーゼルがいいです。アニメによくあるキャラですが、頭のよさと明るさのバランスがいい。二人は兵器開発局に勤める特甲の開発設計士で、ニナがタジタジとなるあたりも暗めの話の中では清涼剤です。
で、今回、新しくMSSの解析課の新課長に就任することになったアルことアルフォンスは、クラリッサの弟になり、姉にまったく頭があがりません。ちなみに、今回明かされる事実として、今は亡き開発設計顧問ヴェルナー・フォン・ブラウンは製造管理顧問であるトマス・バロウの愛弟子にして最大のライバルであり、そのブラウン博士の右腕がアデラードとクラリッサで、博士にゾッコンだったのが鳳ということがあります。
証人を紹介しましょう。
・マイトガング・ヴィテルス:欧州鉄工業グループの総帥にして欧州銀行の頭取でもあった老人で、”鉄と貨幣の王”とも呼ばれます。
・アンネリーゼ・アール:世界的な薬品開発グループの元顧問で、今は修道女として救済活動を行う、修道服姿の老女です。
・ブリギッテ・シュタイン:ベルギーの宝石商の末裔で、ハルツーム政権の違法ダイヤ流通について証言をする予定の50代の女性です。
・フランツ・=ヨーゼフ・フェルデイナント・フォン・ハプスブルグ・ミッターマイヤ:ハプスブルグ家の血を引く人物で、文化保全対象たる星十字教団およびエリザベス教団の代表で、精悍な老人です。
・ジャック・パーキンス:アメリカ国籍の通訳官として10数カ国を歴任、ハルツーム政権で通訳業務に従事、政権の内部を知り、公正に語ることのできる40代の男性です。
・ハロルド・レイバース:アメリカFBIの法務官で、紛争現場での証拠品を提出することになっている40代の格好いい男性です。
ついでに敵について書いておきましょう。まずホイテーロという名のリーダー格の人間がいます。そして、ホイテーロに大量の武器を渡したのがお馴染みのリヒャルト・トラクルで、逮捕され牢にいることになっています。ちなみに、重要な存在としてとして「特甲レベル3」という暴走の危険をはらむ装備と、そのレベルの特甲児童があります。少女たちを凌ぐ破壊的な存在です。
『オイレン』と『スプライト』、似ているようで微妙に違うのは前者には登場人物のプロフィールや組織図が巻頭についているのに後者にはない、という以外に、やはり文体です。具体的に言えば、体言止めが少ない『スプライト』のほうが遙に読みやすくて、リズムが取りやすい。体言留めが多い文体というのは、やはり流れるように読むわけにはいかないようです。
最後にカバー折返しの内容紹介。
→こちらをご覧下さい
内容紹介(カバー折返しより)
2008/08/26 09:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ビーケーワン - この投稿者のレビュー一覧を見る
近未来都市ウィーン――ミリオポリスと呼ばれるその都に、機械化された身体を持ち、治安を司る組織MSSに所属する三人の少女がいた。
「やめて、お願い!」鳳/アゲハ。
「絶対に守るって・・・・・・」乙/ツバメ。
「みんな死んじゃう!!」雛/ヒビナ。
とある戦犯法廷に立つ被告と七人の証人を保護する任に就いた三人だが、運命は、少女たちに未曾有の嵐をもたらす。
一人ずつ訪れる死。
二人目のリヒャルト・トラクル。
己を進化させる禁断の果実。
それでも、夢を抱いて嵐を飛び越え、蝶は真実の地平に舞い降りる―――。
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