紙の本
「巨匠」ならではの大長編
2015/08/28 14:30
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投稿者:LOW-FI - この投稿者のレビュー一覧を見る
島に流れつく死体、狂気的な女の行動の謎、「星籠」という歴史上の秘密、猟奇的な誘拐事件、強大な犯罪者との対決…作者の故郷の瀬戸内海を舞台に、御手洗の縦横無尽の活躍が存分に楽しめるスペクタクルな大長編。
超人的な御手洗潔の頭脳と"権力"がなければ解決しえない事件だったろう。「梅沢家の占星術殺人」から作中時間で14年でよくもここまで、と感慨も深い。御手洗ものの「国内最後の事件」としては、よい事件譚だったと思う。『暗闇坂』以降の広大なスケール感が好きな人には、とてもオススメ。国内を舞台によくもここまで大きなスケールの物語を書けるな、というあたりは、さすがは「ミステリー界の巨匠」。
だけど。第9章の冗長ぶりはなんとかならなかったものか(第2章のあれにはまだ説得力があるのに)。全体が半分の分量に収まっていれば、またはその冗長なボリュームが、犯人の極悪人ぶりの裏打ちに向けられていれば…。素直に「傑作」と呼べる要素はたくさんあっただけにもったいない。破綻こそしていないが、書きどころのエネルギー制御がうまくいかず暴走してしまった感じが否めない。その荒っぽさを「巨匠」だから許されると済ましてよいものなのか…。
80年代の「時代の反逆児」だった島田荘司を知る者には、ビッグネームならではの"権力"を纏ってしまった作者に、思うところも多いだろう。
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御手洗シリーズ最新作。
久々の御手洗石岡コンビの活躍が見られて嬉しい。しかしどうもキャラ的に御手洗と石岡君というよりはBBCのシャーロックとジョンがちらちらして仕方なかった。石岡君こんなキャラでしたっけ…??
教祖の話がいきなり出てきたり御手洗の推測でがんがん物語が進むとか相変わらず超展開に口開けてポカーン状態だけど(危機感抱いて盛り上がってるのが御手洗だけな感じする)どう収束するのかが楽しみ。圧巻の風呂敷畳みを期待!下巻に続く。
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御手洗シリーズの最新作。
上巻は最初の謎を解きつつ、次々と謎を散りばめて、下巻に引っ張っているといったところ。分厚いが読みやすいのであまり長さを感じない。
御手洗の、『探偵小説の名探偵』らしいアクの強さが、上巻ではあまり発揮されていないのがやや残念。他にも引っかかるところはあるが、下巻を読み終えるまで判断保留。
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上下巻の上巻を読了。最初本の厚みにビビりましたが読み始めるとぐいぐい読めました。下巻の展開が気になりますー。
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1993年の福山市鞆の浦を舞台とした御手洗潔日本篇最終章。 久しぶりの御手洗・石岡コンビがとにかく嬉しい。上巻で提示された謎がどのように収拾していくのか下巻に期待大。
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島に流れ着く謎の遺体。海流の流れから遺体の発信地を計算した御手洗。小坂井茂の人生。喫茶店で働き看護学校に通う辰見洋子との恋と宗教団体への参加。ある雨の夜に洋子に呼び出された小坂井。洋子を縛り性交し腹をミノで指すように要求される。陽子から受け取った包みの秘密。御手洗の捜査。国際手配される詐欺師パクの存在。黒船来襲時に書かれた古文書に書かれた「星籠」という言葉の謎。村上水軍を研究する滝沢加奈子と彼女に好意を寄せる同僚。宗教団体から脱退した滝沢加奈子。彼女につきまとう元婚約者。
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瀬戸内の小島・興居島に漂着するいくつもの死体は、なぜどこからながれついているのだろう?
奇妙な事件の調査を依頼された御手洗潔は、石岡和己とともに瀬戸内へ。
感想は下巻レビューにて。
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幾つかのエピソードがそれぞれの章として進展する。事件と謎の提示がある。ああ、早く下巻が、続きが読みたいっ。
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久々の御手洗シリーズで大喜びしたんだけど
あれ、御手洗さんってこんなキャラだっけ
と、とまどってしまった。
後半に期待。
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まだ上巻しか読んでないので、とりあえずあらすじだけ。
瀬戸内海の興居島に流れ着くたくさんの遺体。
それは福山市から流されていることがわかった。
福山では、日東第一教会という宗教が入り込んでおり、
その導師は犯罪者の男だという。
阿部正弘の新資料に出てくる、対黒船の”星籠”とは何なのか。
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御手洗潔シリーズの現代ミステリでありながら、歴史ミステリでもある一作・質量ともにボリューム満点で楽しめました。
とある島に次々流れ着く身元不明の死体、という事件から始まる物語は、どんどん広がりを見せて実に壮大な謎解きへ。途中に挿入された登場人物たちの物語も謎だらけで、上巻を読み終えた時点では、事件の形すら見えていない状態。頭の中は「?」でいっぱい。
そして下巻からの展開はもう一気読み。ある女性がとった行動の意味、御手洗と敵との息詰まる攻防の決着、そして黒船に対抗できるほどの兵器「星籠」の正体、とにかく盛りだくさんな謎がどんどん解けて爽快な読み心地でした。
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瀬戸内海の島に次々と流れ着く身元不明の死体。依頼をうけて調査に訪れた御手洗は、瀬戸内に大きな陰謀が広がりつつあるという…
古代から栄えた「潮待ちの港」福山を舞台に、現在起こりつつある怪事件と歴史の謎に迫る。
分厚いし村上水軍などの蘊蓄もちりばめられているが、意外と読みやすくてあっという間に読んでしまった。
御手洗のパート以外にも様々なストーリーが配されていて、下巻でこれがどうつながってくるのか楽しみなところである。
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のっけから横浜での、石岡君と御手洗さんのコントのような会話で、当初からファンの私にとって懐かしい人に再会できたという喜びがMAXに。
小坂井の生い立ちからの話はどうつながって行くかも分らなかったけれどこれはこれで一つの読みモノ。そのぐらいの面白さ、深さはありましたので満足。
ただ、本 上下巻ともに余白が多く読みやすい・・・を通り越してもったいないという気持ちに。「これじゃあ、早く読み終わりすぎてしまう・・・」
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上巻一気読み。ひさしぶりの御手洗シリーズ長編。怪しい動きをみせる新興宗教団体、それを隠れ蓑にした犯罪シンジケート、村上水軍の秘密兵器、と結構大風呂敷の三題噺で、ボリューム満点です!装丁も美しくていいなあ。
瀬戸内海の小島に、不定期に流れ着く遺体。これだけで、あー潮流の加減でね、と読むのは難しくない。もちろんここはほんの導入部なんだけど、水理実験場の描写に理系脳がさっそくワクワク(笑)。
章が変わり、一転して若い男女の恋愛と挫折の物語がはじまると、うう、辛い…。異邦の騎士でも辛かったもんなあ。でも読んでおかないと、後半の謎解きに支障があるのでガマン(笑)。
なんだか異常に御手洗さんが張り切っておられる、と思ったら、世界を股にかけた犯罪者を見つけていたんですね!もう石岡くんが完全に着いて行ってなくて、空気みたくなってるけど、まあいいか…f(^_^;)。
ちょっとドキッとしたのは、反日はそう操作されているのだというくだり。えーまじか( ゚д゚)。ホントか嘘か判断のしようはないけど、こういう可能性もあるのだよ、ということに気づかされた。視点がグローバルな人はすごいね。
だんだんと、章分けして語られていた御手洗捜査パートと他のパートが絡んできて、さーて後半はどんな風にまとめてくるかな?パクは逮捕できるかな?星籠ってどんなものかな?レッツ下巻!
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久々の御手洗さん。
2人別れてからかなと思いきや一緒の時代での事件。読んでいてわくわくしてこの部分がどう事件と繋がるのだろうとなっていました。