紙の本
恋ヶ窪ゆりこと独身(30)
2008/11/12 17:49
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回はきちんと登場し、意外にもちゃんと先生していた独身(30)への敬意を表したレビュータイトルだが、本名が二つ名になって違和感が無いという、ある意味凄い先生である。しかし、本巻の主題はこんなことではない。大河の想いを知ってしまった竜児の困惑と葛藤、進路指導に端を発する今後の生き方と母への思い、みのりんや亜美とのことなどなど、少しずつ明らかになっていく思惑を盛り込んだ内容である。急にいろんな事柄が押し寄せて狼狽し、動きが取れなくなる竜児の姿は高校生らしさに溢れている。大人でもすぐに答えを出すのが難しい事がたくさんある。それを(貧乏)高校生の立場で必死になって考え、悩み、少しずつ行動に移していこうという態度が好ましい。必ず答えがある授業やテストとは異なり、明確な答えの無いことを自分なりに正しいと考えながら試行錯誤していく姿は、すなわち大人になるということ。このことにブチ当たるお年頃の葛藤を、竜児だけでなくみのりんや亜美も体験している。最初は孤立感に苛まれていた竜児がそのことに気付いていく。悩んでいるのは自分だけではないことに気付いていく過程が上手に描かれている。作者の真骨頂とも言える。また、みのりんや亜美とのやりとりでは過去のエピソードが語られ、物語がクライマックスに近づいていることを予感させる。そんな中でみのりんの独白が輝いた終盤の展開は秀逸。亜美とは物別れに近い形で可哀想なところもあるが、みのりんとの関係は今後に明るいものを残せる上手な結末である。ここにもみのりんと亜美の器用さの違いが表れている。いっぱいいっぱいになった状況に窮屈さを感じながら相応に光明も見えてきた前向きな展開とも言えよう。それだけに最後に訪れた大河と竜児の危機が次巻以降でどのような結実を迎えるのか大変待ち遠しい限りである。余談だが、本巻で初めて「奇数巻の表紙は大河」のパターンが崩れた。
紙の本
何も変わらない教室に見える、でも元のままではいられない
2009/03/28 22:39
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
気づいてしまったことに気づかないふりをしながらやり過ごそうとする竜児。自らの恋愛模様を気にしながらも、進路の選択という否応のない現実が押し寄せてくる。自分がどこに向かうか、何をするか、何を選ばないか。何となく流されるまま、失いたくないという恐怖に抗う事が唯一の人生の指針だった竜児にとって見ると、いま迫られていることは、初めて何かを得ようとする選択、あるいは何かを得ない決心なのかもしれない。
自分の心をこれまで封じ込めてきた、亜美の、実乃梨の、そして大河の叫び。これまでは揺らがないと信じてきたほんわかとしたものが、竜児の選択によって綻びを見せ始める。大河と竜児が見る未来は…次巻に続く。
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せっかくハマったのに次巻で完結ってマジか!そして3月10日までやきもきしなきゃならんのかぁあああ!
竜児が好きすぎてやばい!これはみんな惚れるわ!なんていうか、真中的な?「なんでお前があんな美少女たちに!」感が皆無!どうしたって幸せになって欲しいんだよぅ!
やっちゃんの気持ちはわかるけど、竜児はそこよりも一歩踏み込んだところで苦しんでる。早くそれに気づいて、「絶対にそんなことない、大丈夫」って言ってあげて欲し・・・とか言ってる間にあのエンドかぁぁぁあああ!あと20日強、どうやって過ごそう・・・。
気になっちゃうからいっそ忘れてたいのに、ちょくちょくアニメあるから忘れてらんねーっw
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憧れて苛立って落ち込んで苦しくて悲しい中ではっきりと見えたもの。よく走り噛みつき吼えるタイガー&ドラゴンの青春と愛の逃避行。
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それぞれの思いに決着が・・・・・・!
大河の本当の気持ちを知ってしまい戸惑う竜児、落ち着かない日々を送る中、進路を巡って泰子と対立してしまいます。
一方今まで密かにみんなのために頑張っていた亜美の本音が爆発!彼女の底なしの孤独が明かされます。
精神的に追い詰められながらも自分の気持ちにケリをつけた竜児、憧れの存在であったみのりんの強さの理由を知り背中を押されたことで前に進み始めます。
竜児と大河、やっと幸せを掴もうとした二人に最大の試練が待っていました。
続きが待ちきれなくなるラストです!
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竜児と実乃梨、そして大河の関係に一応の決着がつくこの巻。
しかし一難去ってまた一難とはまさにこのこと、といった展開で、最終巻まで全く目が離せません。
とりあえず実乃梨が格好良かったです。
そして漏らされるあーみんの本音がもう、ね・・・。
あーみん派はとらドラP!で報われるしか(以下略)。
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修学旅行の冬の雪山で思いがけず大河の本当の気持ちを知ってしまった竜児。大河はそのとき事故によって意識朦朧となっており、しゃべってしまったことを覚えていなかった。そんな大河を前に竜児は態度を決めかねるが…。そして高校二年も残りわずかとなり、竜児は進路をめぐって泰子と衝突。なにかと先の見えない五里霧中の竜児に、一方では実乃梨と亜美が本当のところを見せはじめる―。超弩級ラブコメもいよいよ佳境に突入。
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ひょんなことから大河の本当の気持ちを知ってしまい、戸惑う竜児。そんな中、泰子と進路でまっこうから対立。
そんな中、竜児はついに自分の気持ちを決め、どこに向かうのかを決心。実乃梨に背中を押されながら自分で進んでいく。
しかし、思いを確かめようとした二人にある出来事が待ち受けていた・・・。
今回、竜児が大きく成長していた。今までの煮え切らない態度からようやく決心し、自分の足で歩き始めていてよかった。
亜美は今までの孤独な気持ちを竜児にぶつけたり、実乃梨は自分の気持ちにケリをつけ、かっこいいほどの行動をする。
三者三様の成長をみることができるこの巻は、非常によい。次回いよいよ最終巻。
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今回も8巻に引き続きとても苦い話。
カバー絵になっている亜美はさほど出番があった訳ではないのだけれど;;
大河は自分の想いを隠しつつ(当の竜児には知られてるんだけれど)、竜児を助けようとする。
実乃梨は自分の進む道を決め、ひたすらにその道を進もうとする。
亜美は本音を吐き出し、後悔の念で去ろうとする。
竜児は奇しくも知ってしまった大河の本心を忘れようとするが、忘れることが出来ず、何が良くて何が悪いのか悩みに悩んでどこへ進んでいいか分からなくなってしまう。
後半はまさしく「怒濤の展開」。
実乃梨と竜児の関係は、当初竜児の希望していた恋は実ることはなかったが、その次に芽生えた「絆」という場所にたどり着いて、ひとまずの決着。
で、最後の最後に「超展開」。
実乃梨関連だけでも十分びっくりな展開ではあったのだが、最後にも。
本当はうまくいっていなかった大河と本当の母親との関係。大河を父親側から強制的に引き取ろうとしてて、それに反対してた大河。
エゴでいい母親でいようとする泰子に対し初めて爆発する竜児。
同じ母親だが全く正反対の母親から、手を取って逃げ出す大河と竜児。
次の巻が気になって仕方がない。
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クライマックスに向けいろいろと動かしまくっている内容でした。
ちょっと全体的に流れが悪いかなという気もしなくはないですが、竜児が自分で決めるということを重点において、ストーリーを展開させているのは悪くないですね。
ただ感情の変化については正直よくわからないです。こういう形で展開させたいからこういう感情にしておきましたよという部分も多少はあるのかもしれません。
最終巻への助走と考えれば十分かとも思うのですが、もう少し高いレベルを期待していたのも確かですね。
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ぁ~あ、竜児とみのりんが切れちゃったぁ~
みのりんが可哀想だ…
大河がいなかったらみのりんが竜児を好きになることはなかったし
大河がいたから竜児はみのりんより大河を選んじゃった…
竜児がみのりんに抱いてたのは恋じゃなくて憧れで、恋と錯覚したからみのりんを傷つけたように見える。
結局みのりんを一人にしちゃったじゃん…
一人なのは大河もあ~みんもみのりんも変わらない気がするんだけどな。
大河には親らしい親がいないってことだけじゃん。
竜児は弱い者に同情してるだけな気がする。
みんな同じくらい弱いのに…
それに気づかない竜児はやっぱり馬鹿なんだろう。
駆け落ちしちゃった二人。
後は今まで無駄に反発してた二人がくっつくだけなんだよね。
落ち着くところにやっと落ち着いたんだなぁ~
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大河のことを意識しだす竜児、孤立していく亜美の心境、進路を巡って高須家親子の軋轢などなどがバレンタインに向けて収束していく。亜美の本心が垣間見えた場面と校内追っかけっこの場面がよかった
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それぞれのキャラの心理描写が丁寧に描かれ、物語がついに最終局面へ向かっていった。
前回のもやもやが晴らされた巻でもあった。
みんなは竜児と大河の恋愛を応援してくれているのだということが分かり、大河ともそのままうまくいくかというところで今度は大河の母親が登場。
進路のこと、大河のこと、竜児がどのような結論に至るのか最終巻で確認しようと思う。
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いよいよ佳境、起承転結の結らしい展開の、バレンタインまでの9巻。
大河ちゃんの本当の気持ちを知った竜児くんはどう動く?
自分が想いを語ってしまったことを知らない大河ちゃんは、というところで、なかなか苦しい展開が続く。
そしてついにみのりんの、亜美ちゃんの、それぞれの想いが明かされることになるんだけども。
みのりんは本当に、本当にかっこよくて強くていい子なんだぁと。みのりんと竜児くんの想いは繋がらなかったけど(これはみのりんが大河ちゃんのことを大好きすぎて、竜児くんとくっつけなかったんだろうと想像はつく)大河ちゃんを挟んで、揺るぎない友達関係を構築できた時点で、2人の関係はある意味ハッピーエンドなのかもしれないと思った。
亜美ちゃんに関しては・・・自分がおせっかいをしたから皆が上手くいかなくなった、本当はみのりんとも仲直りしたい、タイガーともみんなとも友達で居たい、と泣く亜美ちゃんがかわいそうでなぁ。
中盤での何を考えてるか分からない亜美ちゃんの行動原理がこれだったのかあとやっと腑に落ちた。
恋愛という舞台には上がらなかった印象だけど、亜美ちゃんってほんと魅力的だなぁ。性悪チワワだけど、その実おせっかいで皆を放って置けない、そんな亜美ちゃんが好きだなぁとしみじみ思ったのでした。
そしてバレンタイン、大河ちゃんの気持ちを暴露したのはみのりんで、ここから怒涛のラストへ!この後10巻も一気読みしました(笑)。
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大河の本当の気持ちを知ってしまった竜児。
健康優良高校生男児が、いくらエキセントリックとはいえ美少女に恋を告白されて意識しない訳がありません。ましてや、相手が成り行きとはいえ夕食を一緒に食べるのが当たり前になっていた相手であれば、いわんやをや。
しかし、亜美の荒療治がようやく効果を現しましたね。
これだけ時間がかかったのは、亜美がその分だけ大人の視点で見ることができていたからか。精神的成長が早い分、亜美が損な役回りなのが不憫でなりません。