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見張り塔から ずっと
著者 重松清 (著)
発展の望みを絶たれ、憂鬱なムードの漂うニュータウンに暮らす一家が いる。1歳の息子を突然失い、空虚を抱える夫婦がいる。18歳で結婚し たが、夫にも義母にもまともに扱っても...
見張り塔から ずっと
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見張り塔からずっと (新潮文庫)
商品説明
発展の望みを絶たれ、憂鬱なムードの漂うニュータウンに暮らす一家が いる。1歳の息子を突然失い、空虚を抱える夫婦がいる。18歳で結婚し たが、夫にも義母にもまともに扱ってもらえない若妻がいる……。3組の家族、ひとりひとりの理想が、現実に侵食される。だが、どんなにそ れが重くとも、目をそらさずに生きる、僕たちの物語――。「カラス」 「扉を開けて」「陽だまりの猫」。
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紙の本
あとがき読むべし。
2004/01/12 20:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エルフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本に関しては「あとがき」を絶対に読み逃さないで下さい。
タイトルの「見張り塔」の意味と重松さんの「作家業」に対する思いが書かれているので…。
テーマは「あらすじ」を読んだだけでも重さが伝わる。
本を読むという事は、空想の中で疑似体験できる楽しみ、つまり本の世界での楽しみがあるのだが重松氏の作品には本の世界と現実の世界の垣根が殆どない。
本を読みながら自分のことにように主人公の辛さを感じ、人生の重たさを感じる。
何故こんなにもリアリティのある作品なんだろう?と毎度不思議に思っていたのだか、このあとがきを読んでその理由が分かったような気がした。
この三つの家族にはどれも結論が出ていない。
だからこの家族達が今後どんな道を歩んでいくのかは読者の想像による。
「みどりさん」が離婚届をどうするのか、ニュータウンの一家の未来はどうなるのか、読者は彼らの不安や希望を胸に本を閉じる。
まるで自分のことのように…。
取り合えず私は「陽だまりの猫」のみどりさんにエールを送りたいと思いました。
がんばれ、みどりさん。
紙の本
サスペンスの緊迫感と純文学の重さ
2001/01/13 13:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽろぽろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
予期しない悲しい運命を背負い、あきらめのため息をこらえながら静かに人生を送る人々。現代人の誰もが同様な悲劇の当事者になりうることを思うと、ある種の戦慄を覚える。
3編の作品で構成され、本のタイトルが暗示するように、3つの人生を、高いところから見下ろすかのような客観的かつ冷静な視点で描く。サスペンスの緊迫感と純文学の重さをもって読者に迫る。
紙の本
目を背けたくなる心の闇と抗えない現実
2006/01/19 01:54
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:永遠のかけら - この投稿者のレビュー一覧を見る
きっと世の中のあちらこちらにあふれているだろうな…と思うような、目を背けたくなる暗い現実を淡々と描いていく短編が収録されている。
新しくマンションにやってきた家族に執拗ないじめを繰り返すことで、主婦たちはストレスを発散し、妻たちの行いに疑問を感じつつも、いじめがエスカレートするほどに活き活きしていく妻に喜ぶ夫…。
姑に嫌われ、旦那からも虐げられ、存在価値を見出せない嫁は、反撃に出ようと心に決め、息子を失った悲しみから立ち直れない夫婦は、その死を受け止められないがためにぎくしゃくしていく…。
人の心の奥にある“嫌な面”や抗えない苦しい現実を目の前に突きつけられたようで、いろいろと考えさせられた。モチーフが重く、精神的にこたえるので、読むのにはある程度の覚悟が必要。
紙の本
見張り塔からずっと
2024/02/27 17:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
今は寂れているところが多い各地にあるニュータウン。新築当初に夢を持って購入し新生活を始めたのだが、何かと不便さを感じる住人たち。住人たちの不満や鬱憤はやがて住人に向かう。怖い話ですね、何気なく呟いた一言が曲解されてしまうとは。マンションを安く購入できた人への嫉妬もあるのでしょうが。住宅の購入もいろいろと考えないといけないですね。