危ない女だけど・・・
2019/01/26 22:45
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
題名はアンナ・カレーニナなのだが、彼女のことは好きにはなれなかった。とにかく、高慢ないけ好かなくて、煩わしい女だなとしか思えなかった。その愛人のヴロンスキーも、お高く留まった嫌な奴なのである。結果的に二人は悲劇を迎えるわけだが、二人のことが嫌いな私は、「いい結末じゃないか」とおもってしまった。この作品は、悩める青年リョービンとその妻キティという若い二人の成長の物語として読んでいくのも面白いし、調子のいいオブロンスキーに感情移入してみるのも面白い。読む前は、気高き貴婦人の純愛物語だと勝手に思い込んでいたのだが、仰天の愛憎げきであった
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「人間のこわさ」が物凄くリアル。抉る感じでも、皮肉ってる感じでもない。ただ、登場人物の挙動と心情をありのままに書くことが、こんなにおそろしいのかと思った。腹黒い、んではないんです。誰もがそういう意味での「腹」を持っていることが、こわい。そして何より、それに共感してしまう自分、そういった純粋な騙しあいに爽快感すら感じでしまう自分がこわい。人間って本当にこわいと思う。
物語としての続きもとても気になる。昼メロもいいとこです。どこでも修羅場です。笑
そして、情景描写というか、比喩がとても素敵。面白かったり、きれいだったり、思わず付箋をつけてしまう行がたくさんありました。ただ、たまに喋りすぎというか、説明しすぎな感が否めないところもあったり。(何様だ、という感じだけれども。苦笑)
とりあえず、カラ兄からはまったこの古典新訳シリーズ、本当に好きです。個人的に、このシリーズによって光文社が赤丸急上昇です。このシリーズで読んでから、気に入った作品は新潮やら岩波やらで再読したいなーと思う。
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まさに完璧な小説だと思う。
通常人物すべてに興味をひかれる。
どういう変化をするのか、あるいはどういう変化をしないのか。
彼らの今後が気になる。
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2008.10
古典名作だと警戒していたけれど、さくさく読めた。初心者にも読みやすい訳。
ヒロインと恋人が少しずつ近づいていき、そして…と思っていたのに、いつの間にかあっさりくっついていたのには正直びっくり(笑)いつのまに子どもが…。
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初めて読むロシア文学作品。
小難しいのかなと思ったのも束の間、とても読みやすいです。
リョーヴィンのキティに対する愛情がが、アイドルに偏った憧れを
寄せるオタク少年のようでかなり気持ち悪かった・・・。
アンナさんがいきなり妊娠したのにもびっくり。いつの間に?
キティは今後なにかしでかしてくれそう。
長編大作で登場人物が多いので人物相関図を作成しながら一冊目を読了。
続きが楽しみです。
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ロシアの上流社会で気高く自分の生き方を貫くアンナと農業など日々の暮らしを送りながら信仰などで悩むリョービンを描いた2段構成の話。宗教、プライド、時代背景などテーマが多岐にわたり深く掘り下げた構成が緻密にくまれており、読後、その深さに圧倒される。
主人公二人をとりまく個性的な人物達を通して、自由に生きにくい社交界や当時の戦争、農業近代化の批判など適宜、著者の考えと思われるところが伺える。
時間の流れや状況によってアンナの気品が欠けたり、誇張されたりしたために追い込まれていく心理描写が詳細に書かれており、人間の内面が深く観察されていることに驚く。リョービンにしても実際の生活の雑事の中から善の意味、理性の役割を悟っていく様は物語の中で非常に重要な位置を占めている。
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ロシア文学はなぜにこうも面白いのでしょう。長編なのですが読み応えがあって、読まずにいられません。アンナという女性の恋愛が中心なのですが、彼女をとりまく男性たちの方が面白みがあります。
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古典的名作を読もうという課題を勝手に作り、
去年はファウスト、カラマーゾフの兄弟を読みましたが、
どちらも「これは…!」という予想外の面白さだった。何というか、破天荒な。
それに比べたら、今のところアンナ・カレーニナは、「ああ、まぁ…」というレベルです。
予想の範疇の面白さというのかしら。
確かに展開は巧みで、群像劇だけど混乱もしないし、却って飽きが来ない。
んー、嫌いじゃないのですが。19世紀イギリス小説テイスト。
どんな劇的な展開でも、なんか枠からはみ出さない感があるというか。
これがトルストイ先生の個性なのかな。
とはいえ、面白くないわけではない。
なんせ今のところ、手放しで素敵な女性、男性というのが一人もいません!
それこそが、本当の人間なのねー、という感じ。
ヒロインのアンナが、美しく思いやり深く完璧な女性と思いきや、
意外とダメな子だったりしたのも、ガッカリな半面ニヤリとしなくもない。
そんな両面を持ってる私もまた、素敵な女性からは程遠い。
今のところ、そんな感じで、高みから人間観察をしてるという感じで読み進んでます。
第一巻は、たいてい人物紹介で終っちゃうからね。次からに期待。
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最後まで読み終わった。
も
の
す
ご
く
お
も
し
ろ
か
っ
た
!
!
!
!
思わず、強調しまくってしまうほど(笑)
いやあ、おととしくらいにカラマーゾフ読んで、そっちには、いや~やっぱり昔の人の考えてることはよう分からんわ~お話やから仕方ないか~、みたいなぬるいテンションで読んでしまったんだけど、アンナは始終、なんたるアクチュアリティー!!!!とコーフンしまくってました。
日頃自分が考えてるようなことが、分かりやすく適切な言葉で表現してくれてる感覚で、読んでて実に爽快。訳のリズムも好きで、単語の選択とか表現のセンスがほんと良かった。
や~、私これまで読んだ本の中ではブッデンブロークがお気に入りナンバーワンの座ちゃうか、思ってたけど、いきなりアンナに座を明け渡してもいいかと思ったよ!(笑)
もうそういうことにしとこうかな!!
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基本はメロドラマではないか。
名作と言われる所以はこの巻では分からない。
作者が同じだからか、登場人物が「戦争と平和」と被ることが多い。
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村上春樹の「ねむり」に出てきたので急に読みたくなりました。
全巻一気によめました。たぶん新訳だからでしょう。
思った以上に、現代でも通用するテーマ。
アンナはもっと古くさいヒロインなのかと思っていましたが、
美人でおしゃれで魅力的なのが新鮮でした。
鉄道が新しいものとして重要なモチーフとなっているのが、
かえって時代を感じさせます。
同じロシアの古典の「カラマーゾフの兄弟」よりは、
たいくつな箇所がありません。4巻ですが読みやすいので、
それほど気合いを入れる必要はありません。
ちょっとはまりたい、そんな時におすすめです。
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新訳で送る『アンナ・カレーニナ』全4巻。19世紀後半のロシアを舞台に、さまざまな人間関係とテーマが描きこまれる。
(たなぞうに登録していたときに)KUMIさんの『戦争と平和』の感想に引き込まれるものがあったので、トルストイって面白そうだな、と思ったのがこの本を読むきっかけ。
さすがに『戦争と平和』を読む自信がなかったので、読みやすいと評判の光文社古典新訳文庫の訳でこちらを挑戦した次第。
最初は「どんなかんじなんだろう・・・?」とおずおずしながら読み始めたのだが、いやはや面白い!!
訳のせいか文章も非常に読みやく、登場人物も個性が立っていて、ロシア名ながら思っていたほど混乱しなかった(さすがに読み進めていくうちに、端役の名前は何度も忘れましたが・・・主要人物はだいたい覚えられました)。
物語と登場人物たちがみずみずしく、生き生きしている。
特に、いろいろな立場の人間がそれぞれの物の考え方をする過程がじっくり繊細に描かれているのが素晴らしい。まさに、柔らかい思想の襞を分け入るような、丁寧な職人技である。
それでいて、物語はどちらかというと大胆で、恰幅の良い印象を受けるのが面白い。
しかし、どちらかというとこの物語、題名にもなっているアンナよりも、男性陣(リョーヴィン、オブロンスキー、カレーニンなど)のほうがリアリティがあって、人物像がはっきりしている気がした。
アンナはやや美化されている感がなきにしもあらずだが、これからどう転がるのだろう。
わくわくしつつ、1巻を読了。
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訳のせいなのか、普通の現代小説のようによめます。とりあえず、読みやすくておもしろいです。詳細な感想は最終巻で
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あ~やっと読み終わった
あらゆる要素が注ぎ込んである小説だった。 恋愛結婚宗教政治戦争思想もうぜんぶ入ってる。
好きなとこ
アンナの魅力の書かれよう
ヴロンスキーに遊ばれた後の弱りキティ
良い年したリョービンの浮かれっぷり
リョービンの猟のシーン
リョービンの畑仕事
娘を生んだ時の狂いアンナ
140年前のロシアの貴族生活のあり様
ウォトカ
四巻後半アンナとリョービンそれぞれの死の考察 ここはかなりきた
総合小説ってなに?って思ってたけど、これ読んで理解。ぜんぶ入ってるってことだ。
ぜんぶ入ってるから、人によって面白いとこと面白しろくないとこと出てくる。自分の興味の偏りが知れる。
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リョービンとキティのパートがよかった。多元的でとても人間臭い。農業、労働、宗教に対する考え方に非常に刺激をうけた。
一方でアンナとヴロンスキーはまさに悲劇のヒロイン。情熱に浮かされて自分で自分を追い詰めていく様に人間の恐ろしさを感じた。