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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
紅茶に浸したマドレーヌを優雅に一口ほおばるシーンから、膨大な過去の記憶が流れ込んでくる描写に圧倒されます。新訳の文庫本サイズで持ち運びやすいために、はるか彼方のエンディングまで読み進めていきたいです。
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何度目かのプルースト。冒頭、夢と現実の境を彷徨いつつ子ども時代の記憶を思い出すシーンを読むといつも忘れていた大切な思い出が浮かび上がってくる気がします。
この第1巻、一度最後まで読んでから再読するとよく分かるのですが、一見散漫でとりとめのないエピソードの羅列に思えるものが物語全体では重要な伏線になっています。名前すら出てこないふと見かけただけの人物が後に準主役になったり、会話の中で名前が出てきただけの祖母の友人が主人公を上流階級に導くきっかけを作ったり。
ただ、ヒロインであるアルベルチーヌの名前だけは一度も出てきません。というのもアルベルチーヌは当初の構想にはなかった人物だから。この辺りの緻密な構成と構想にないエピソードが大きく膨れ上がるダイナミズムが不思議に同居しているのもプルーストの魅力のひとつでもあります。
さて、高遠氏の訳ですが、平易で読みやすく(あくまでプルーストにしてはの話!)、不要な解説や訳注を最小限にとどめているのも好印象です。ところどころ写真が掲載されているのも読書の助けになります。初めてのプルーストにおすすめできる翻訳だと思います。
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光文社の新訳、やはり読みやすいです。
しかし、やっぱり冒頭部分は長い!!
語り手が寝付くまでに、私は何度眠りについたか・・・(笑
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集英社で出版された鈴木道彦氏の訳で以前読み、第四編で挫折した者です。ということで、以下集英社との比較。フランス語や作者について詳しい知識は無いので、あくまで見た目。
・1ページにぎっちり文字が詰まって無いので、開いて「ウッ」と感じることは無い。
・原作で長い文は括弧やダッシュで読みやすくされており、長文も怖くない。
・註の数が集英社訳に比べて6割弱と少ない。巻末にまとめてある集英社のスタイルと異なりそのページ毎にページ左側に載っているので、
テンポよく読んでいける。図による解説も嬉しい。(但し、一文一文をがっつり理解する上で註が減るのは人によっては不満かも。)
・「刺戟」「亢奮」等、古い漢字が僅かに使われているけれど、読む上で支障は無い(と思う)。
・前口上や読書ガイドで、「こうやって読んでね!」と訳者が私たちに語りかけてくる。読書ガイドも他の小説の解説に比べてやや激しい。
(好みが分かれると思うので、これは実際に見てほしい。)
私を含め、この小説を途中で挫折した人は決して少なくないのでは、と思う。そんな人にとって、格段に読みやすくなったこの光文社訳は、良くも悪くも通読する上で最適ではないだろうか。今秋、岩波文庫でも新訳が出るそうだ。学術的な面で絶大な信頼を誇る(らしい)岩波での訳は、光文社訳とはまた違った方向の名訳になると想像できる。どちらが自分のスタイルに合うか、比べてから読み始めても遅くは無いだろう。間違えてamazonでキッズレビューにしちゃった。
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光文社古典文庫の翻訳はどれも意欲的。すごいと思う。この本もそうだ。プルーストは何度も挑戦して1ページも読めなかったが、これなら読める。パリに居たときおじいさんやおばあさんが日向の公園のベンチでプルーストを読んでいる光景によく出くわした。長い話だけれど面白いからみんな読んでいるんだよね。日本のプルーストの翻訳はそれには似つかわしくなかったのだと本書は教えてくれる。
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二度目の挑戦。他社の文庫で、一揃え持っていますが、それは最初で挫折しました。訳文が良いのかな。すんなり話が入ってきます。いわゆるまったりした感じで、話が進んでいきます。本編の語り手の私の子供時代の出来事がつづられて行きます。登場人物も少ないのですが、伯父の家でであったさる女性との出会いが、女性を意識した少年の姿がリアルに描かれている。失われた時を求めてを、こんなに楽しく読めるとは思っていませんでした。続巻の発売が楽しみです。
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訳者の考えも、訳も気に入りました。中には写真とその説明もあり、楽しい。注で読むときに 本来必要でないものをそぎおとし、初めて同時代人が読むように 読んでほしいとは、利に敵っている。一般読者は研究者ではないのだから。注が、そのページにあるのも私は好きだ。 新訳 の意味がよくわかる久しぶりの本だった。
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この豊饒な表現力を持った文章を存分に感じとるにはまだまだ力不足でした;;それでも空気の匂いが感じられるのが凄い。圧倒されました。
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途中まで読みすすめたところで、これは続きが気になるし、集英社版で読んじゃうかもな…と思っていたのだけれども、あとがき解説に目鱗だったので、おとなしく刊行を待ちたくなった。といいつつ、とりあえず集英社版で読みすすめてみて(2巻までは手持ちで読了してる)これはこれで刊行を気長に待つのもいいかもなー。
フランス語が読める人には、邦訳よりも原文を読んだ方が読みやすいと言われる作品。日本語訳にすると難解度が増すんだろうところを、内容がスムーズに頭に入ってきやすい訳になっていると思います。全訳完結するまで応援。
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「ときどき、せっかちな時鐘が前の鐘より二つ多く鳴ることがある。間の鐘をひとつ聞き逃したのか。現実にあった何かが私のなかで起こらなかった。深い眠りにも似た、魔術的な読書に対する関心が、幻覚にとらわれたかのような私の耳をはぐらかし、静寂に満ちた紺碧の空に刻まれた黄金の鐘の印を消し去ったのだ。」(213頁)
「眠っている人間は身のまわりに糸にも似た時の流れを、そして、長い歳月やさまざまな世界が持つ一定の秩序を輪のように巻きつけている。目覚めたとき、人は本能的にそれらを探って、自分が現在いる地点や目覚めまでに流れた時間を即座に読みとろうとする。だが、時の流れやそうした秩序はもつれて渾沌としているかもしれないし、切れたり壊れたりしている可能性もある。」(28頁)
(私にとって)プルーストを読むことは、後者の引用が示唆するように、突如過去と現在が解れたり、結びついたりする時の糸を手繰り寄せながら、自らの経験と擦り合わせては愉しむ贅沢な時間であり、前者の引用が語るように、現実を束の間ながらも消失させてくれる至高の体験である。本書の明晰このうえない高遠弘美氏の訳文に出会って私は、その想いを強くしている。続編が楽しみでならない。
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ロッシーニの、
『チェロとコントラバスのための二重奏曲』
が聞こえてくるんちゃうかと思いました。
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教科書とか問題集みたいな実用本ならともかく、一般小説で「挑戦」もないとは、思いますが…
いわゆる「読みやすい」作品ばかりがもてはやされて、小説は、効率よくあらすじを把握して消化するものという感が強い昨今、こういう作品に「挑戦」してみるのもいいかと。
訳者が、あらすじを追おうとするな、と繰り返し説くのも、肯けるところ。
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称賛の半分は訳業に対して。このくらい気取った日本語の方がプルーストに合っているし、何より光るのは解釈の適切さ。読みながらはっきり映像が浮かんでくる。そういう体験は今までの訳ではありえなかった。名訳。
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初のプルースト体験。色々な出版社から、色々な訳で出てるので、さてどの訳で読もうかなー、って思ったのですが、この光文社古典新訳文庫の訳が評判良さげやったので、この訳に決めて読んでみました。
かなり読むのに苦労するって話しでしたが、意外とスラスラ読めました。物語らしい物語はないんだけど、情景の浮かぶ文章が美しかったです。
まだまだ、先は長いのでぼちぼちゆっくり読みたいです。
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p116印象深い紅茶の記述
ようやく読み終わった…
長いけど、流れるような文章に情景。
花やお茶や絵など、様々な芸術も取り込まれて落ち着いた流れで音楽のようなテンポで進む文章かも。