純粋理性批判 7
「わたしたちは神が命じたから、道徳的に行動する義務があると考えるべきではない。わたしたちは、道徳的に行為すべきことを、みずから〈内的な〉義務として考えるからこそ、こうした...
純粋理性批判 7
商品説明
「わたしたちは神が命じたから、道徳的に行動する義務があると考えるべきではない。わたしたちは、道徳的に行為すべきことを、みずから〈内的な〉義務として考えるからこそ、こうした法則が神の命令とみなされるようになったのである」。本書の課題であった存在の領域、「あるもの」の認識からはなれて、当為の領域、「あるべし」の認識へ。最高善と「恩寵の王国」の思想をもとに、カントは理性の道徳的な使用へと考察を向ける。
著者紹介
カント
- 略歴
- 1724~1804年。東プロシア生まれ。哲学者。ケーニヒスベルク大学哲学教授を務めた。著書に「純粋理性批判」など。
中山 元(訳)
- 略歴
- 1949年東京生まれ。東京大学教養学部中退。哲学者・翻訳家。著書に「フーコー生権力と統治性」「思考の用語辞典」「正義論の名著」など。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
カントによる先験的方法論が説かれ、純粋理性の訓練、基準、建築術、そして歴史について解説されます!難解なカントの思想の全貌が見えてきます!
2020/05/08 11:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、18世紀のドイツを代表する哲学者カントのあまりにも有名過ぎる哲学の名著です。光文社古典新訳文庫では、分かり易い現代邦訳で、全7巻シリーズで刊行されており、同書はどの最終巻です。同書では、いよいよ最後の「先験的(超越論的)方法論」の章に入り、「純粋理性の訓練」、「純粋理性の基準」、「純粋理性の建築術」、「純粋理性の歴史」について述べられます。同書の中で、「そもそも理性の関心は、何をわたしは知りえるか?何をわたしは為さねばならないか?何をわたしは希望しうるか?に区分される」と説かれ、理論理性によっては与えられない理念の客観的実在性を、可想界において確立すべきものは、何が起こるべきか(当為)を主張する実践理性であると主張されます。そして、先験的自由と自然因果性の中間に位置する実践的自由は、自由な決意性によって感性的衝動を克服するとも説かれます。いよいよ難解なカント思想の全貌が見えようとしています。