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一般書

原発の闇を暴く

著者 広瀬隆 (著) , 明石昇二郎 (著)

いまだ収束への見通しがたたない福島第一原発事故。根拠なき安全・安心神話を振り撒き、リスクと利権を天秤にかけて後者を選択した「原子力関係者」たちの所業が招いた「人災」は、い...

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原発の闇を暴く

税込 748 6pt

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商品説明

いまだ収束への見通しがたたない福島第一原発事故。根拠なき安全・安心神話を振り撒き、リスクと利権を天秤にかけて後者を選択した「原子力関係者」たちの所業が招いた「人災」は、いまも被害を拡大し、汚染を進行させ、人々の暮らしを破壊している。原発震災の危機をかねてから予測し、警鐘を鳴らしてきた作家とルポライターが、事故を招いた構造とその責任の所在を、徹底的に白日の下にさらす。危機にある国民が「原発」について真摯に考えるための、必読の一冊!【目次】まえがき 広瀬 隆

著者紹介

広瀬隆 (著)

略歴
1943年生まれ。作家。著書に「二酸化炭素温暖化説の崩壊」「福島原発メルトダウン」など。

明石昇二郎 (著)

略歴
1962年生まれ。ルポライター。著書に「原発崩壊」「グーグルに異議あり!」など。

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評価内訳

野田政権がやっているのは、原子力の安全性を確認するのではなく、電力会社の算定を鵜呑みにした必要性の確認。おまけに、誘致で地元を危険な場所にしてしまった町長あたりが積極的に原発再開に積極的だとか。日本をダメにしてきた人間は、いつも変わらない・・・

2012/05/01 19:33

14人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

新聞・マスコミが絶対に取り上げようとしないのが、今までずっと広瀬隆が原発の危険性を説き、東電が原発による発電コスト算出にあたって廃炉費用をわざと抜かして他の発電コストより安価になると指摘し続けてきたことではないでしょうか。福島の事故が起きても、マスコミの広瀬無視の姿勢は変わることがありません。その広瀬に明石昇二郎という強い味方ができたとき、何が起きるのか、カバー折り返しの内容案内は、以下のように刺激に満ちています。
              *
いまだ収束への見通しがたたない福島第一原発事故。根拠な
き安全・安心神話を振り撤き、リスクと利権を天秤にかけ
て後者を選択した「原子力関係者」たちの所業が招いた「人災」は、
いまも被害を拡大し、汚染を進行させ、人々の暮らしを破壊し
ている。
 原発震災の危機をかねてから予測し、警鐘を鳴らし続けてき
た作家とルポライターが、事故を招いた構造とその責任の所在
を、徹底的に白日の下にさらす。危機にある国民が「原発」につい
て真摯に考えるための、必読の一冊!
              *
一般論はやめて、今回は目次に従って、すべての項目にコメントをつけることで評に替えようと思います。では早速開始。

第一章 今ここにある危機

    命より電気のほうが大事なのか:原発推進者はここを履き違えています。
    本当にこわいことはメディアに出ない:何故って、電力会社は顧客ですし、政治かも企業人も責任を取りたくないから。
    汚染水は東電の本社に保管させろ:そう思うだけではなく、東電本社を原発の場に移転させるべきです。
    子供たちが被爆している:相変わらず、マスコミは被爆量が少ないというニュースばかり。
    「半減期」という言葉にだまされるな:たしかに、誤解しやすいことばです。
    「原発震災」は今後も必ず起ころ:地震があるよりなにより、扱っているもの自体が危険です。

第二章 原発事故の責任者たちを糾弾する:なぜマスメディアが実名を書かないのか?

    安全デマを振りまいた御用学者たち:公害しかり、あらゆるところで安全といい続けた学者たちの職歴の変遷を追いかけろ!
    原子力マフィアによる政官産学のシンジケート構造:公害、薬害のときも同じ構図がありました。
    原子力マフィアの実権を握る東大学閥:先日も食品関係の講演会に東大出の講師が来ていましたが、チェルノブイリ周辺での奇形の発生は、原発の放射能のせいではなくて、自然界にもとからある放射能のせいだとのたまう・・・
    放射能は「お百姓の泥と同じ」:なんていうか農家の人蔑視がこんなところに・・・
    報道番組を牛耳る電事連:私もイライラします、そこまでして原発をやりたいのかと・・・
    “デタラメ”委員長の「想定外」:殆どが原子力の素人か、プロの場合はすべて東電のひも付き、もしくは原発推進を目指す経済産業省関連の人間というのが凄いです。作る側、審査する側、基準を作る側、すべてが最初から原発ありきで動く日本・・・
    「深く陳謝」するなら五四基の原発を止めよ:異議なし!
    「最終処分」という恐怖の国策:結局、日本の原発も宇宙事業も、原爆を保有するための手段だってことは誰にでも分かる。スパコン世界一だって、戦争準備以外のなにものでもないと。
    「被爆しても大丈夫」を連呼した学者たち:一族で、被災地に引越ししなさい!
    政府発表の「チェルノブイリとの比較」:最初から、いい加減だと思って聞いてました。
    「放射能安全論」の源流:しかし、基準をあっさり変更して危険を安全にすりかえるっていうのは、犯罪でなくてなんでしょう。
    耐震基準をねじ曲げた“活断層カッター”:まったく同じ手法。東大出の人が使う頭脳は、ペテンのためなんでしょうね。

第三章 私たちが知るべきこと、考えるべきこと

    監視の眼を怠るな:なぜ、小沢一郎が今回の原発事故、震災で沈黙していたか、というのは彼自身が福島や青森に各施設を建てるよう推進してきたからだと理解できました。渡辺恒三も福島に原発を担ぎ込んだ張本人だということも知りました。でも、これってあまりに片手落ちの情報ではありませんか。広瀬さん。少なくとも、全ての原発について誰が動いたか、そして誘致に積極的に動いた地元の人間と、その資産の異動まではっきりさせるべきではないでしょうか。しかもです、それに賛同した国会議員だって同罪でしょう。全てを明示すべきです。
    原発がなくても停電はしない:私も思っていました。なにより、全ての資料が電力会社からの提供というのがおかしい。
    独立系発電事業者だけでも電気は足りる:こういうことをマスコミは報道しない。
    発送電の事業を分離せよ:異議なし!
    電力自由化で確実に電気料金は安くなる:原発を稼動させたら電気料金を安くすると、電力会社。で、何か起きたら税金で?
    ガス台頭で原発はますます御用済みに:いや、原発なしでいくとなったら節電のための事業が起きるんです!
    無意味な自然エネルギー神話:この視点はなかったけれど、無批判な自然崇拝については疑問いだいてました。
    福島について、真剣に考えるべきこと:まず、〈死の街〉といってはいけない、なんていう縛りをやめることです。原発は〈死の街〉を生み出す可能性があることを認めないかぎり、結局はそこに住むことを強いられるんです。
    日本から原子炉を廃絶するために:政治家も電気事業者も、そして官僚もだめ。結局、自分たちがやるしかない!

あとがきにかえて 明石昇二郎

構成・宮内千和子
取材協力・鈴木耕
装幀 原研哉

ちなみに、原発再開論を聞きながら、まず大切なのは本当に電力が不足しているのかの検証が不十分だし、原発再開を前提にした議論が多すぎることにあきれます。それと電力料金についても、廃炉などのすべての費用を盛り込んだ試算が必要ですし、個人的にはもし、東電の試算が正しいとして、二割の電力料金アップですむなら、原発廃止に決まってるでしょ、って思います。

それと石原都知事の原発反対論を感情的といって片づける姿勢。ま、ここからは広瀬隆の投げかけた意見になりますが、もし本当に都民が必要とする電源ならやはり、お台場に作るべきじゃないでしょうか、原発。それができないで、他県に押し付けておいて反原発運動する人間を誹謗する、どっちがヒステリックやら・・・

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2011/07/21 12:50

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