紙の本
物理トリック
2024/01/16 19:05
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投稿者:ミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
物理の北山先生の城シリーズ。シリーズで物語はつながっていないので単体でも楽しめる。トリックが斬新で面白かった。
電子書籍
「物理トリックの北山」の城シリーズ二作目は浪漫あふれる幻想推理
2021/11/14 12:15
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
物理トリックの名手として知られる北山猛邦を代表する城シリーズの第二作。
メフィスト賞受賞の一作目『クロック城殺人事件』、本格ミステリベストテンにもランクインした大技炸裂の第三作『アリス・ミラー城~』第四作『ギロチン城~』と比べ、シリーズで一番話題に上ることが少ない作品。
ですが、現代日本のさびれた図書館での密室殺人、13世紀フランスの古城での騎士の消失と首なし死体、第一次大戦の欧州の塹壕でのわずかな時間での死体消失。それぞれに特色のある舞台でおこる不可能犯罪や奇怪な現象はミステリー好きの琴線に触れるに値するものです。
さらに、シリーズ特有の幻想小説、ファンタジーの装いが本作は特に濃く、それが結実するエンディングは、切なくも胸にしみいる読後感をもたらしてくれました。
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いやーこれはおもしろいです。生まれ変わりがテーマ。時代を超えた3つの密室殺人、それぞれのトリックはさすがです。恩田「ライオンハート」とややかぶってしまいますが。読み終わって本自体に納得がいきました
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物語の設定はファンタジー色が強いですが、中のトリックは王道のトリックです。
なので、1話通して安定して読めました。
毎回タイトルと中身との差が好きです。初版は2002年発行なのに、敢てこのタイトルで行くトコは本格を意識していて良いですねv
まだ北山作品を全部読んだ訳ではないので分かりませんが、生まれ変わりの循環をよく書く作家さんなのかな?『ファウスト』にも生まれ変わりネタの短編を書いてましたね〜
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ファンタジー色の強いミステリー。
ミステリー部分はちょっと薄いかもしれない。
トリック部分に関しては、北山氏にしてはあんまり凝ってない方な気がする。
ラストはちょっとハッピーではなくトゥルーエンドぽい感じで良かった。
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2008/3/15 アシーネダイエー甲南店にて購入
2010/6/2~6/3
2年ぶりの北山作品。生まれ変わるたびにお互いを殺しあう運命の男女。現在の日本、20世紀初頭のフランスードイツ国境、13世紀のフランスを舞台に起こる連続殺人。果たしてその真相は?
ちょっと読み飛ばしたので、内容がイマイチ把握できなかったが、率直な感想は、え?そんなんあり?。北山作品は未読が2冊残っているが、しばらく要観察か?
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北山先生の城シリーズの中の一冊です。
ミステリーなのだけど、ファンタジー色がかなり濃い目の印象です。ので、トリックの方はちょっと微妙でした。といってもやはり北山先生の物理トリックには驚かされます!
お話の方は面白い設定で話が進んでいくので面白かったです。時間がよく飛ぶのでちょっと話についていくのが面倒くさくなることもややありましたが、これは多分私が面倒くさがりなだけなので問題ないでしょう(^^
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おお!
なんて切ない本格ミステリーなんでしょ。
読みやすくて数時間であっという間に
読めました。
どうやったらこんな小説のプロットを
思いつくんだろうか。
作家ってのは凄いね。
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城シリーズ第2段。
クロック城の後だったので、多少心構えが出来ていて
「よしファンタジーだと思えば何でも有りだ」
みたいな事を考えていた気がします。
結果的に設定はファンタジーだったのですが
放り投げっぱなしの設定が減ってたのですんなり入れました。
(少なくとも無意味に放り投げられたような設定は控え目だったかと)
(ゲシュタルトの欠片とか十一人委員会とかSEEMとかもう色々と)
(クロック城、辛かったのです)
むしろファンタジックな雰囲気が今回はしっくりきてたかと。
時を跨いで起きる謎がうまく連動されていて
ミステリー的な「どうやって?」という部分こそ飛び道具的でしたが
「何故?」の部分の解説部分ですとんと腑に落ちてしまって
あぁやられちゃったなぁーってなりました。
これはまぁ私がファンタジーも大好物だからかもしれないんですが。
その後どうなったのか、と気になる部分も有るんですが
後は想像にお任せしますの部分も極々良心的だったかな。
全体的に文章が前作より読みやすくなってる気がしました。
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1989年。最果ての図書館。日本。
1243年。瑠璃城。フランス。
1916年。戦場。ドイツ。
時代を超えて繰り返される悲劇。
図書館での密室殺人。
城から消えた6人の騎士。
戦場から消失した4人の兵士。
それぞれの謎の影には転生する男女が。
物理トリックの連続。
あらすじがうまく書けない。
3つの時代の物語がそれぞれ関係しつつ進むのだが、うまく紹介できない。
多様な要素が絡み合っている。
本書を手に取るまでてっきり『クロック城』の続編だと思っていた。
最果ての図書館で語られる情景は前作に近いものがあったのだが、続編というわけではないようだ。
『クロック城』で語られた終末世界が気に入った者としては少々残念。
以降のシリーズもそれぞれ独立しているらしい。
七芒星がキーワードとなり何度も登場する。
六芒星なら何度も目にしたことはあったが、七芒星にはまったく馴染みがなかった。
文庫の表紙には物語を構成する上で重要となる物が描かれているが、その中央にあるのが七芒星だ。
見ているだけで何やら落ちつかない気持ちにさせられる。
こういった小道具の使い方も北山猛邦という作家の魅力なのだろう。
3つもの時代にそれぞれ不可思議な事件を起こした手腕には唸らされた。
転生、というギミックだけでなく、時代をうまくトリックにも活かしている。
次は『アリス・ミラー城』。今から楽しみ。
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生まれ変わりの運命に翻弄される男女と3つの時代で起きる不可能犯罪。
前作に続いて、物理トリックを駆使した本格ミステリにもかかわらず、生まれ変わりの設定を加えることでファンタジーの要素まで含んでいます。
地の文が単調に感じられる箇所があるものの、全ての繋がりが明らかになる終盤は見事で、ラストにはさらに一ひねりあって充実の内容です。
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『名探偵音野順の事件簿』(東京創元社)などで知られる本格推理小説作家、北山猛邦の、デビュー2作目。
『クロック城』につづく、そして、『アリス・ミラー城』、『ギロチン城』(いずれも講談社)とつづく、城シリーズの二作目でもある。
※シリーズ二作目だけど、前作と、お互いに関連性はないので、独立して読んで大丈夫です。
読んでる最中に思っていたのは。
「これ、レーベル違うんじゃない?」
今回は、舞台が転々とします。
・1989年の日本
・1243年のフランス
・1916年のドイツ
時代も超えて、舞台も変わる。
そして、登場人物は同じ。
時と場所は違えども、「転生」によって記憶を受け継いだ二人の男女が、果てしなくお互いを殺し合う物語。
ほらほら。
誤解を恐れずに言うと、この作品は、「ラノベレーベルで出した方が、売れただろう」。
それほどに、それぞれの時代と国を生きる登場人物たちが、その掛け合いが、好感が持てて、楽しい。
もしこれに、いい絵師の表紙、挿絵があれば。
見事に「このラノベがすごい!」と注目を浴びただろうになあ、というのは、作家の問題では全くなく、単純に編集者の方の問題であるし、今の時代だから言えることだし。
まあ、与太話です。
では、肝心のミステリとしての部分はどうかというと。
「物理トリックの北山」といわれるほどに、古典的とも言えるほどに計算されたトリックを練り上げる北山猛邦ならではの、「すべての時代での、物理トリック」の、その見事さよ。
その物理トリックを成立させるための、転生の絶妙な使い方。
時間と場所を飛び越えて初めて完成される、大胆なトリック。(ミステリはネタバレが怖いから突っ込んで書けないのが辛いのう)
これは、既存のミステリの枠に収まらない、しかし純然たるミステリ。
その上で、先にも書いたように、ラノベと言っても通じるほどに、愛すべき登場人物たち。
そして、読み終わって思うこと。
「これは、ラノベの範疇には収まらない」
「見事なまでに本格ミステリである」
「北山猛邦は、スゴイ」
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これ大好き。モロ好み。この作家さんが作る『世界』と『物語』が大好き。(なので、この作風が体質的に合わない人には苦手な作家さんになるだろうなぁ、というのも何となく判る)
中世フランス、第一次世界大戦のドイツ、現代日本と生まれ変わりの輪廻を繰り返す3人の因縁と切ない恋愛。ミステリ+幻想・SF・ファンタジー…なんと言えば良いのか。ある意味少女漫画的。
物理の北山の通り、トリックはとっても物理してましたな。ミステリ部分だけ取り出すとアレかもしれませんが、『物語』込みで楽しめました。また近いうちに再読したいわ-。
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何度も生まれ変わっては殺しあう運命にある男女。
この繰り返しに終止符を打とうと抗う、国と時代を超えた壮大な物語であり、前世でどのように死んだのかという謎を「生まれ変わり」という特殊設定で時代や人物を巧みにトリックに使ったミステリーでもあります。
1989年日本「最果ての図書館」での事件。
1243年フランス「瑠璃城」での6人の騎士の消失と首切り事件。
1916年第一次世界大戦時の地下壕での4人の死体消失事件。
これらのミステリーと「生まれ変わり」の行方というファンタジー楽しめる1冊でした。
不可思議な展開と暗い雰囲気が素晴らしいです。
この作品世界では時間が一方から一方に流れ続けているわけではなく、点から点、過去から未来へ、未来から過去へと動きます。
1243年のフランスでの事件があり、その記憶を持ったまま1916年に生まれ変わる、という素直な流れではないのが混乱しました。
生まれ変わっては殺しあうという悲劇的な運命が悲壮感と緊迫感に溢れていますが、時と場所を自在に飛び越える能力を持つ自称「探偵」の行ったり来たりがタイムパラドックスのドタバタを連想させ、この存在が異彩を放っています。
わけのわからない世界に「探偵」が現れるのは楽しいです。
ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「重複」という現象が、事件のトリックだけでなく動機にも強く影響しているのがおもしろいです。
自分で死ぬか、お互いに殺しあうしか死なない、というのも恐怖感がありました。
~1243年の6人の騎士の事件~
あからさまにあやしい十字の建造物と親切な地図があるので、大体のトリックは想像できます。
でもこれは派手でおもしろいです。
フランスの城、人間消失、隠し扉、狂気の王と雰囲気は最高でした。
~1916年死体消失事件~
このトリックは水かさが変わったりしないのかな?
この時代での樹徒との対決は怖くて楽しいです。
気付けば周囲の人々がみな死んでいる、というのはゾワゾワします。
~1989年日本「最果ての図書館」での事件~
血を吸い込んだ散らばった本、吊るされた生首とおどろおどろしい現場が良いです。
本のドミノは音がうるさそうなので気付きそうですが、首の使い方といいおもしろいトリックでした。
星のマークが現場の異様さに加え、図書館での密室と殺害トリックに利用されていて上手いです。
図書館で現れた老人、そして最後には胸がじ~んとします。
このラストもまた点のひとつというのが儚いです。
地図に書かれた真相にはハッとさせられますが、何故あんなところにあんな形で書いてあったのかよく分かりませんでした…。
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北山猛邦の「城」シリーズ2作目、『『璃城』殺人事件』を読了。
「生まれ変わり」がテーマになっている。中にはそういうSF要素は本格ミステリには不必要、或いは現実的にあり得ないからその時点で本格ではない、なんて考えの人もいるかもしれないが、それは違うだろう。特に本作ではストーリーを語る上で必要になる。
そう、SF要素は「ストーリーを語る上で」必要なものの1つに過ぎないのであって、トリックなどは本格ミステリのそれに違いない。
トリックと言えば、本作のトリックはなかなか面白い。かなりの労力と、危険なものを使用する。いや、それは当たり前か。
ストーリーは主に三つの時代が舞台。それぞれ国も違い、それぞれの時代で密室殺人や死体消失など、有り得ないような事件が起きる。
そしてそれらに隠れたある男女の恋の行方は如何に?これらも見どころだろう。
北山猛邦の2作目、なかなか面白く読ませていただいた。その内に残りの「城」シリーズも読まなければ。