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  • カテゴリ:一般
  • 販売開始日:2014/02/07
  • 出版社: 新潮社
  • レーベル: 新潮文庫
  • ISBN:978-4-10-106304-1

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敦煌(新潮文庫)

著者 井上靖

官吏任用試験に失敗した趙行徳は、開封の町で、全裸の西夏の女が売りに出されているのを救ってやった。その時彼女は趙に一枚の小さな布切れを与えたが、そこに記された異様な形の文字...

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敦煌(新潮文庫)

税込 605 5pt

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敦煌 改版 (新潮文庫)

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商品説明

官吏任用試験に失敗した趙行徳は、開封の町で、全裸の西夏の女が売りに出されているのを救ってやった。その時彼女は趙に一枚の小さな布切れを与えたが、そこに記された異様な形の文字は彼の運命を変えることになる……。西夏との戦いによって敦煌が滅びる時に洞窟に隠された万巻の経典が、二十世紀になってはじめて陽の目を見たという史実をもとに描く壮大な歴史ロマン。

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みんなのレビュー96件

みんなの評価4.0

評価内訳

紙の本

敦煌という土地の役割について

2009/03/22 20:48

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ホキー - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルでありながら全230ページ中の155ページでようやく初出し、次の登場が最終盤の226ページである、『敦煌』という土地について、巻末解説では、この土地自体が小説の主人公であり、遅い登場は、期待を高める効果をもつ、と極めて淡白に述べていたが、その解釈ではあまりに物足りない。

『敦煌』が、国家間における勢力争いと、個人間におけるエスニックアイデンティティの対立を機軸とし、しかも、それらの争いより一段高位にあるものとしての普遍的価値の存在を垣間見せようとする作品であると理解するとき、
敦煌という土地は第一に、宋・西夏・契丹etc.の係争地であり、かつ、文化の坩堝として多様な民族・文化が往来する地、すなわち【さまざまな価値観が交錯する地】としての性格を持つ。
第二に、その敦煌に匿され忘れられたもの(経典)の中に、時代も地域も越えた普遍的価値が秘められていたわけで、したがって敦煌は、【普遍的価値を担う土地】という性格も帯びている。宋時代には、だれもその正確な価値がわからなかった経典が、20世紀になってようやく、しかも歴史を塗り替えるほどに評価されたことの淡々とした記述が、実は大きなどんでん返しである。
このように敦煌は、小説の大きなテーマを具現する土地であったのである。敦煌が登場するまでの長い過程は、敦煌が暗示するべき普遍的価値の前提となる、価値観の対立を提示する役割を担っているのである。

また、この普遍的なものは、個人の力ではどうすることも出来ない、俗な言い方では“歴史の大きな流れに呑みこまれるちっぽけな個人”のようなモチーフも見られる。
すなわち、
・延恵が企画し行徳が作業に当たった経典の西夏訳は結局未完に終わり(しかも、講和後の西夏が国力を上げてこれに取り組んだことから分かるように、西夏にとっても極めて価値の高い大事業が、個人レベルで軌道に乗っていた)
・尉遅光は自分の王朝を建設できず、
・朱王礼はもっとも勝ちたかった戦で破れ、
・沙州の僧侶は、残すべき経典を厳選する作業を中断し、
このように、各人の努力はいずれも実らず、結局、以前から沙州にあった経典が、そのまま千仏洞に引き継がれただけである。しかも、各人が図らずも何らかの形で、経典の保存に関与している。

ただ問題は、仏教の経典が普遍的価値を担うと考えると、序盤で否定された書の世界は儒教・儒学の思想であり、儒教に比べて仏教が過大評価されていると言えるかもしれない。
しかし、行徳が西夏文化や仏教思想を摂取・分析したり、いろいろな人物に一目置かれ成り上がったりしたベースには、間違いなく進士試験勉強の素養があった、という点で、儒教も作中での面目を保っていると言えなくもない。


『敦煌』において、回教(イスラム教)勢力は暗示的に語られているだけだが(一義的にはもちろん、隣国のさらに向こうにも注意を払う必要があるという国際感覚を表しているのであるが)、過去にも、ごく近年にもバーミヤンなどの石仏がイスラム勢力(タリバン)に破壊されている点で、『敦煌』における回教の伏線は、現在さらに輝きを増していると言える。
なお、各人物が辿った運命を、全体としてのテーマに収斂してゆくという思考法は、同じ作者の『天平の甍』(文庫版)における巻末解説が非常に参考になる。

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紙の本

過去の人から未来の人への手紙

2009/04/04 22:34

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

敦煌(とんこう) 井上靖 新潮文庫

 敦煌というのは中国西部にある都市です。物語の年代は1026年から始まります。日本は平安時代で、源氏物語とか平等院ができた頃だと思います。主人公趙行徳(ちょうぎょうとく)が、官吏任用試験の面接試験待ちで、居眠りをしてしまい受験できなかったという逸話はあまりにも間抜けじゃなかろうか。西夏文字(せいか)の入手経路も唐突です。
 この物語全体が、過去の人から現代の人にあてて差し出された手紙という形式になっていると思います。「天平の甍(いらか)」同著者と同様に、朴訥(ぼくとつ)に事実が淡々と語られながら物語が進行していきます。
 中国にしても日本にしても、生活様式の便利・不便はあっても、1000年前、1500年前の人間って、頭脳の能力は現代人と同じかそれ以上のような気がしてなりません。行徳は将来どんな人物になっていくのだろうか。西夏文字が物語を未来へと導いていきます。駱駝(らくだ)と中国が結びつきませんでした。シルクロード(絹の道)を実感しました。
 行徳は翻訳家になるようです。文末にある解説部分で行徳が外人部隊に属していることがわかり、ようやく飲み込めました。下克上なのかなあと最初は所属軍隊の動きが理解できない部分がありました。この本は、敦煌の千仏洞(せんぶつどう)に秘かに隠されていた経典・書物類のいわれを記したものであることがわかりました。
 戦いの場面が多い。戦闘というのは不思議なものです。トップが倒れると兵隊は雲の子を散らすように逃げてしまうのです。残った人間でさらに戦うという意思はない。逃げた兵隊たちは、また強いトップをさがしてくっつくのか、そのままどこかで隠れて暮らすのか、人間の本性が表れています。

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紙の本

映画も見応えあり

2015/08/23 13:42

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:historian - この投稿者のレビュー一覧を見る

騎馬軍団や隊商が行き交い、オアシス都市が点在する、荒涼たる大砂漠を舞台に、西夏文字に惹かれて西域へやってきた一人の宋の青年の遍歴を描く。流浪の果てに彼が見たものとは?どこか憂いが漂う文章であるが、戦闘あり恋愛あり宗教ありの濃い内容で、一気に読み終えてしまった。
1988年に映画化され、日本アカデミー賞も取っている。

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2006/03/11 14:13

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2005/12/03 16:10

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2008/01/01 23:53

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2006/08/29 22:13

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2007/01/29 19:27

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2006/08/26 22:04

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2022/05/30 00:02

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2006/09/08 16:20

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2009/11/29 23:42

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2013/09/16 14:34

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