紙の本
私はどうして持ち家に住んでいるのか?
2009/10/24 20:45
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けいあすぱぱ - この投稿者のレビュー一覧を見る
私はどうして持ち家に住んでいるのか?
平山洋介さんは住宅問題を専門に研究なさっている
神戸大学の教授です。
今、私がどうして持ち家に住んでいるのか?あるいは
どうして家を買わねばと思ってしまうのか、漠然と
感じている疑問を社会のシステム(=持ち家政策)と
いった側面をみることで、分からせてくれるる本です。
論文的な内容で多少データーが多すぎる感は否めませ
んが、自分の住まい感を空間・デザインなど一般に語
られることの多い側面からではなく、政治・経済とい
った切り口からおしえてくれる良書です。
住宅豆知識 ”http://jyuutakujyuutaku.blog104.fc2.com/”
紙の本
なぜ持ち家に住むのか。
2020/06/25 16:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:文学少年A - この投稿者のレビュー一覧を見る
平山洋介氏は、住宅問題を専門に研究している神戸大学の教授です。
やや思い入れがあるため読みにくいが、主張がシンプル。
いままでの住宅政策は景気対策の一環として持ち家の取得を推進してきたが、これからは公営住宅・民営借家に居住する際に家賃補助などの多様な住み方に対応する政策を提言している。
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急いで読んだけど、たぶん全部読まなくてもわかるような感じ。
最初と最後は概論。
中は各論。
院試前に読んで、勉強になりました。
出なかったけど、もっと住宅政策を勉強したくなった。
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(20090607途中中止、P182まで読了)
・1941年持ち家率は22%、1948年には全国平均では67%およんだ。P20
・住宅システムは人々をメインストリームに誘導し、社会の「流れ」を起そうとした。持ち家/借家という一連の有利/不利がある。住宅・家族・仕事のパターンに応じて制度的に異なる地会おうを準備し、標準パターンに応じて制度的に異なる対応を準備する。中間層の家族の多くは住宅システムから援助を受けて持ち家取得を達成する。P23
・借家市場では良質の住宅の確保が難しく、家族向けの広さの住宅は特に少ない。P26
・持家/借家の「有利/不利」を生み出すメカニズムは複雑である。しかし、持ち家セクターに援助を集中する住宅システムが持家の有利さを強調した事は明らか。P30
・住宅政策の役割を調べるには、住いの確保に関して、「政府は誰を助けるのか」を見る必要がある。政府が力点を置いたのは中間層の持家取得促進。P32
・持家の増大は、住宅保証だけでなく、社会保障を代替する機能をもつ。社会保障の体系のなかで年金の比重は大きい。しかし、住宅所有と年金はトレードオフの関係を構成すうrと考えられている。P41
・配偶者を持つパートタイマーの中で年収を一定水準を超えないように調整しているものが25%を占める。P46
・日本の住宅建築の特徴は、その価値が竣工の瞬間に最高値を示し、それ以降は落ち続ける。P79
・家族のあり方が変化し、標準世帯が減少する中で、被扶養の妻を特別に優遇する制度を見直す動きがある。税制については配偶者控除の見直しが提案され、年金に関しては第三号被保険者の制度に対する批判が強まった。配偶者特別控除の制度は2004年に縮小した。P80
・労働市場では雇用条件に関すR男女差が大きい。女性の多くにとって、暮らしを支える重要な要素は妻の地位である。日本では結婚するかどうか、家族に所属するかどうかが住宅条件を決定づけてきた。P104
・持家の大量建設が続いた日本では、1963年の役1310万円から2003年の約2867万戸へと2倍以上に増加し、住宅の受給関係は、「住宅不足」から「住宅余剰」に移行した。P149
・首都圏に住む借家世帯の中で、相続可能性をもつ世帯は所得が高く、高家賃の広い住宅に住んでいるのに対し、相続可能性をもたない世帯の多くは所得が低く、住宅条件を改善する展望を持っていない。P150
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住宅政策の問題点について、もっと明快な解答が欲しかった。
はっきりと問題点を指摘できないところが、日本の住宅政策の問題なのではなかろうか。
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★住宅は景気対策ではない★思い入れが強すぎるのか文章はやや読みにくいが、主張はシンプル。住宅は景気対策として持ち家政策に偏ってきた。だが住宅は生活の基本インフラ。社会福祉の点からも持ち家と賃貸は同じように補助されるべき、と述べる。この点はまさに同感、誰かに言ってほしいとずっと思っていた。それは著者が建築・住宅畑の学者だからで、自分もその系列に属するからだからなんだろうが。
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私はどうして持ち家に住んでいるのか?
平山洋介さんは住宅問題を専門に研究なさっている
神戸大学の教授です。
今、私がどうして持ち家に住んでいるのか?あるいは
どうして家を買わねばと思ってしまうのか、漠然と
感じている疑問を社会のシステム(=持ち家政策)と
いった側面をみることで、分からせてくれるる本です。
論文的な内容で多少データーが多すぎる感は否めませ
んが、自分の住まい感を空間・デザインなど一般に語
られることの多い側面からではなく、政治・経済とい
った切り口からおしえてくれる良書です。
住宅豆知識 ”http://jyuutakujyuutaku.blog104.fc2.com/”
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※読書前レビュー。
安かった。笑
Amazonで180円だったので、思わず購入。
話しの内容はとても興味あり。
築年数が経った住宅が豊富に揃い、持ち家社会が終わった現代をどのように乗り越えればいいのか?気になるところです。
※読書中レビュー。
読み始めは難しめな単語が多くて、内容も取っ付き難い印象を持ったけども、読み進めていくうちにおもしろい内容に変わってきた。
現在政府が推し進めている太陽光発電の設置と今までの住宅政策の考え方は同じなんだな。。。っと。
自分がすでに知っている知識と過去の出来事がリンクしたせいか、この本に引き込まれてきてます。
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詳しくはブログで書いていますが、他にも2章に書かれていたジム・ケメニーの住宅システム論を用いて日本の住宅システムを相対的に位置づけたり、住宅政策と政治の関係なども非常に興味深かったです。
住宅・住まい方について興味がある私ですが、基本的に考えることは都市計画というマクロ的視点から住宅をどうするかとか、住宅ストック流通の活性化をどうしたらいいかとかで「セーフティネット」として考えることはありませんでした。「所得をちゃんと得てから住宅をゲットすればいい」と捉えてきた。
だけど、ライフスタイルの変化や雇用の変化によって持家取得が住み方のメインストリームではあり続けないだろうと感じるし、住宅の資産価値も下がり続けている中、もっと幅広く住宅を選択できる環境づくりの必要性を感じました。
その一方で、住宅と土地を資産化すようと捉えている日本で借家がなじむのか、
住宅政策の中央-地方の役割分担の状態や、民間賃貸への援助政策が新しくできていないかとか気になる(この本出たのが2009年3月で政権交代前だし)。
新しい知見を得られたということで☆5つにしたいのですが、話が若干あっちこっち行って全体像がはっきりつかめにくかったので4つ。
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[ 内容 ]
借家から持家へ、小さな家から大きな家へ、マンションから一戸建てへ…。
戦後日本では、住まいの「梯子」を登ることが標準のライフコースとされ、政府・企業はこのような「普通の家族」を支援し、そこから外れた層には冷淡な保守主義の姿勢をとってきた。
ところが、時代が変わり(経済停滞、少子・高齢化、未婚と離婚の増大…)、さまざまな人生のかたちが現れ、「持家社会」は動揺し始めた。
さらに、90年代末から住宅システムが市場化され、住宅資産のリスクは増大した。
ローン破綻があいつぐ事態が、これから日本で起こらないとも限らない。
本書は、グローバルな潮流をふまえたうえで、住宅システムの変遷を検証する。
そして、日本社会が新自由主義から何処へ向かうべきかを考察する。
[ 目次 ]
1章 住宅所有と社会変化
2章 持家社会のグローバル化
3章 住まいの「梯子」(ベビーブーマーとベビーバスター 若年層の住宅条件 女性と住宅所有 不動産資産の形成)
4章 住宅セーフティネット
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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普通の人(会社に入って、結婚して、子供が出来て。)が、持ち家を取得するという『梯子』を登ることがスタンダードという戦後の政策が、時代が変わって、その梯子が崩れてきた。
著者もあとがきに書いてあるように、住宅問題に対しての関心及び研究が今までおろそかになっていました。
誰しも双六のゴールのように持ち家を持つのが当たり前と思っていたのに、改めてこの著作のように色々なデータをもとに多様化する社会を指摘することは大事です。
かつ今後の住宅政策が持ち家を優先することなく、賃貸など違う形態にも力を入れるべきだと改めて感じました。
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住宅政策を特に問題視したことがなかったので、本書は非常に刺激的であった。
高度経済成長期は、「一億総中流」の時代であり、政府の持ち家を推奨・支援する政策は成功していたかも知れないが、時代は既に転換期を迎えており、政策も改善が必要である。
このまま持ち家が有利な社会を続けるのは得策ではない。というのは持ち家は、相続できるので富む者の子が有利であり、それにより格差の連鎖が起きやすいからである。
富む者の子と貧者の子では、住宅面から言っても不利な状況にある。これは「機会の平等」とは言えない。
多様性に寛容な社会を構築するためにも、持ち家を推進する政策は見直しが求められる。
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若くて貧乏な頃は狭い借家住まいでも、やがて家庭を持ち年をとったら一戸建てに住む、という住まいの「梯子」。戦後、高度成長期からバブル経済を通じて日本国民のマジョリティがイメージし、経験した住まいの「梯子」は経済発展に伴う自然現象ではなく政策によって陰に陽に強力に支援されてきたこと、バブル崩壊後のデフレ経済と新自由主義によってそうした住まいの「梯子」から落ちてしまう人、そもそも「梯子」に手の届かない人が増加し、これまでの住宅政策が機能していないことを様々な統計データを示しながら丁寧に示されています。
これまでの住宅政策、とくに新自由主義以降の公的部門を市場原理にの部分は全く機能していないと断罪する著者は、新築住宅建設への補助など経済対策の面が強かったこれまでの住宅政策を、公的・私的賃貸住宅の充実、生活困窮者への家賃補助や非営利組織への助成など国民の社会権の実現に主眼をおいた住宅政策にすべきだと結論します。住宅政策は旧建設省・国土交通省が管轄するため、住宅政策の福祉的な重要性がみすごされてきた面は否めないのでしょう。人口減少期に入り、住宅過剰になっているのだから、適切な政策がうたれれば、住まいに困る人はいなくなると思うのですが。
最近の、『売り上げはタイトルが9割』とばかりに奇抜なタイトルと薄い中身の跋扈する新書界隈ではめずらしく、地味なタイトルと実直な内容が逆に新鮮な良書でした。昔の新書ってこうだったよな~。いつからこうなった。。。
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借家、マンション、一戸建てという住まいの「梯子」を登る標準コースを支援してきたが、複数のライフコースを中立的に支える政策に転換すべき。
人口減少時代、既にできた住宅ストックを、豊かな社会のために活かせるはずなんですね。