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通読するので精一杯だった。10に分かれている部分のそれぞれについて、再読し関連項目を学ぶ必要あり。フランス史とドイツ史の10講を読み終わってから。
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結構、失礼な本である。新書ということを口実として、注釈の掲載を省略し、大学紀要という一般には閲覧の手間のかかる方法で、その代わりとしている。自著の紹介を並べているのであるからそれらも含めて、詳細を譲った先の参考文献表ぐらいは載せてほしかった。今の時代であれば、出版社のホームページにでも掲載するべきであろう。固有名詞のカタカナ表記も、教科書の多くに準拠したものになっていない(この点に関しては索引があるのでまあ我慢できる)。相当苦労してまとめられたようであるが、やはり、通史の教科書的な概説書を併読しないことには、どのようなことを言ってるのかわからない部分も多いし、英語で言いっぱなしになってることも、映画のことが触れられたり、わかる人だけわかればよいというスタンスが見受けられる。読んでいて、残念だった。
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イギリス史はカオスであることを痛感。ステイツマンという言葉に日本の政治家にはない矜恃のようなものを感じた。日本との関係よりも世界史の中でのイギリスの役割を学んでみたくなった。サッチャーの仕事も。
・SIRは平民の最上位。貴族を意味するLORDではない。イギリス近世の政治社会を支えたのは、ジェントルマン。
・産業革命は、年来の貿易赤字の解決であり、科学革命、啓蒙、消費社会の所産、すなわち舶来品に代替する模倣商品の勝利。社会哲学の議題への政治経済的な解答。
・すでに同性愛は1861年に死罪ではなくなっていた。
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イギリス史の大家による新書。イギリス史の始まりから現代までを非常にコンパクトに、興味深くまとめられている。コンパクトではあるが、全体を貫く緊張感は知的な心地よさを感じる名著である。
10講とあるので、教科書的な叙述を想起させるのだが、内容はまったく教科書的ではなく、むしろ逆に教科書で書かれているような内容を最新の歴史学、イギリス史研究の成果をもって覆しつつ、それでいて小難しくないところが良い。
たとえば、中世末。「長い16世紀」を迎える直前の、第1次百年戦争の叙述。本当の争点は、クラレット、「すなわち鮮明な赤ワインこそ、百年戦争の第三の、いや本当の争点だったかもしれない。」(63ページ)。そして、「一七八六年、英仏は通商条約を結び、これによりイギリスは赤ワイン(クラレット)を安価に入手し、工業製品の販路をフランス国内に確保した。[中略]英仏の経済は、一つの条約だけで運命を分けたわけではないが、八〇年代に両国は決定的に分岐する。」(184ページ)。ほかの箇所でも、赤ワインについて繰りかえし叙述されているが「それだけ重要だからである」(あとがき)。
「グローバル化」も全体を貫くライトモチーフである。最初のグローバル化は「長い16世紀」の時代。そして革命の17世紀を経て、「産業革命」の18世紀が第2のグローバル化。現代の我々が迎えているのが第3のグローバル化であり、いずれにおいてもイギリスは最重要なアクターであり、結節点であった。1688年の「名誉革命」も、「ホウィグ史観が礼讃した輝かしい「無血革命」とはイングランド国内だけの話で、ブリテン諸島でもヨーロッパでも、これは有血革命であり、戦争であった。」(145ページ)
第6講「財政軍事国家と啓蒙」・第7講「産業革命と近代世界」は経済史的な長期変動、思想史的な「啓蒙、商業社会、モラル[社会]哲学」の展開が重要なテーマであり、かつそれとの関係で第2のグローバル化と日本との関係も語られる(193〜197ページ)。
そのほかにも本書の読みどころは多々あるが、近現代に入ると同時代を舞台に作られた映画や文学作品の引用が多くなる。イギリス史の俯瞰図をもって、そうした諸作品を見返したりすることも楽しそうだ。「小冊であるが、手間ヒマかけて制作した」(303ページ)と述べられるだけのことはある。
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著者が近世史の専門家ということもあってか、清教徒革命・名誉革命あたりの話がとくに面白くて、学校の歴史の授業で受けたイメージとは全然違う。
清教徒革命は宗教戦争だったというのはまあ分かるが、名誉革命の実態はオランダによるイギリス征服で、議会派のやったことはほとんど外患誘致に近い。
時の王権の正統性を、血統、賢人集団の推挙、神/教会の加護という3つの要件でチェックするのも面白い。
EUとかCKとかの歴史ゲームだと、要件の一つでも欠けると、ライバル国がCBを獲得したり、内乱が起きるよなあ、とニヤリとした。
氷河期からブレア政権までのイギリス史を新書1冊に詰め込んでいるだけあって、素人には付いて行くのがやっとの濃さではあるが、ところどころで、
「(ケンブリッジ大学から)ケム川をさかのぼってグランチェスタ村の茶店「オーチャド」まで逝けば、気難しげなB・ラッセル先生とウィトゲンシュタインが、数学か哲学か言語かを論じながら、裸で水遊びした場に立つことができる。」(p258)
といった洒脱な一節があったりして、ちょっとした息抜きにはなる。
やっぱり濃すぎる。マイナス1。
唐突に学者の名前がポンポンでてくるのは、先行研究を幅広く提示するという意味では歴史書として誠実なのだろうけれども、素人にはむやみにハードルが上がる。マイナス1。
星3つ。でも、いい本だと思います。
シリーズ(?)の、フランス史10講とドイツ史10講も読まなきゃ。
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総花的で、分かりにくい。イギリス史、ちょっと複雑かな。西洋の歴史は、キリスト教との関わりが強く、特にイギリスの場合、宗教改革の舞台ともなっていることから、非常にややこしい。カトリック、プロテスタント、特にピューリタン、さらにイギリス国教会と、入り乱れており、その辺の知識がないとよく分からない。しかし、新たにそのあたりを勉強してみようと、課題が出来たことは有意義であった。
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ロンドンで3年間勤務してから日本に戻ってきてすでに3年が過ぎましたが、イギリスというのは複雑な歴史や成り立ちを持ったおもしろい国で、今でも興味は尽きません。
昨年12月に出版されたばかりの最新の歴史書で、新書版で読みやすそうだったので、本屋で見かけて衝動買いしました。
世界史で習うイギリス史は、基本的にイングランド史ですが、この本ではスコットランドやアイルランドにもかなりページが割かれており、また、イングランドを扱うにしても、ヨーロッパ諸国とのかかわりやインドを初めとする英連邦の国々とのかかわりを詳しく記述するという結構独自の要素が強く、勉強になりました。
ただ、その分軸が定めにくく、通して読むのにはちょっと骨でした。
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オモシロいんだけど、ちょっと分かりにくいかな。
民族、言語、宗教の組合せを理解していかないと、ついていけないかも。
beefやdinerがもともとはフランス語っていうのには、なるほどなぁと感心しちゃった。
イギリスのEU加盟に対して、ドゴールが拒否権を発動していたってのも知らなかったなぁー。勉強不足だ。
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セクハラ・ヘンリー8世の合理主義、錬金術ニュートン先生の科学革命、雪だるまヴィクトリア女王の君臨すれど統治せず、秀才ケインズの同性愛と異性愛、就活に失敗したサッチャー首相の婚活成功・・・。徳川家康も夏目漱石も「80日間世界一周」も、盛りだくさんで、歯ごたえあるイギリス史(世界史)。知的な刺激にみちた読書に自分が向いているかどうかをためす試金石みたいな本。
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蘊蓄に傾きすぎて鼻に付く処もおおいし、事実を追うのに込み入りすぎて、ついていけないところも少なからずあるが、読み通せたので、合格者。イギリス史に詳しい人がよむとはおもえないのに、こう思っているだろうが、最近のがくせつでは、そういう事になっている、といった記載が駄目。
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少しでも英国史の知識(世界史で勉強した程度でも)あれば、通説とは違う解釈で書かれていたりして面白いと思う。時々、関係する映画も言及されるので2度楽しい
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紀元前から現在までを10章に分けて著述。時代順の各章には年表がつき、王室系図、地図などもはいっている。
イギリス史で覚えているのは中学で覚えた歴史暗記のみといってもいいくらいのレベル。それも1066年オレンジ公ウィリアム、マグナカルタ、名誉革命、東インド会社、エリザベス女王、産業革命とこれくらいの情けないレベル。去年イギリスのバースに旅行してローマが侵攻したと初めて認識した次第。これくらいのレベルなので特に1章の地形の形成、石器時代、2章のローマ侵攻から1066のノルマン征服までで、3回くらい読み返してしまった。特におもしろかったのは民族の移動と侵攻。バイキング、ノルマン人ってすごい勢い。それと現在のスカンジナビア半島のおとなしさ(と映ってしまう)とが結びつかない。あと英語の形成の部分も興味深かった。
還暦すぎて知りたいことがたくさん出てきている。山川出版の一般向け世界史教科書も積読なので、こちらも読み進めたい。
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物理的なブリテン諸島の成り立ち、カエサルの侵攻からブレア首相の退任まで。
文庫ですらなく新書一冊で2000年以上まとめたにしては、多様な地方と民族に翻弄される英連邦の時代の移り変わりを追うことが出来る。
だが、詳しく理解するには程遠いのも間違いない。分量的に駆け足になるのはしかたないにしても、『詳しくは前著を参照のこと』とリファレンスばかりのうえに読んでる前提で話が進むし、一度しか出てこない固有名詞が文章量のわりに多く、前提知識がない箇所は流し読むしかない。
よって、まったくもって初学者向けとは言い難いが、それでも読み終えることが出来る程度の一貫性はある。
詳しくなってから読み返すと、新たな面白さが分かるかもしれない一冊。
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【由来】
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【期待したもの】
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※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。
【要約】
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【ノート】
・P52まで。なかなか面白いぞ。でもやっぱり世界史の基本的知識がないと、雑駁なトリビア的知識を断片的に仕入れるだけに終わってしまいそう。
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イングランドフットボールが好きだから、という安易な動機で手に取ると、痛い目を見た。
とにかく難し過ぎた。中身も、表現も。
本棚に眠らせておいて、何年か後にまたチャレンジしたい。
その時は感じ取れるものが増えていればいいな。