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飛越
著者 ディック・フランシス (著) , 菊池光 (訳)
〔競馬シリーズ〕前任の厩務長も臨時雇いの厩務員も次々と行方不明となり、空輸中の馬が異様な興奮を示す――競走馬の空輸をめぐり何か恐るべき企みが遂行されている! 厩務長に身を...
飛越
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飛越 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
商品説明
〔競馬シリーズ〕前任の厩務長も臨時雇いの厩務員も次々と行方不明となり、空輸中の馬が異様な興奮を示す――競走馬の空輸をめぐり何か恐るべき企みが遂行されている! 厩務長に身をやつしたヘンリイ伯爵は、かくて単身調査に乗り出していったが……競馬の世界に生きる男の孤独な戦いをサスペンスフルに描く。
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紙の本
貴族はつらいよ
2001/11/23 23:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:APRICOT - この投稿者のレビュー一覧を見る
競馬シリーズの1966年の第5作。
主人公は伯爵の若い一人息子で、父親が死んだら自動的に伯爵になる定め。彼は、自分が“伯爵”というレッテルのみで評価され、自分という人間そのものを見てもらえない事を極度に嫌がっている。だが、レッテルを貼られたくないという以外に、自分が本当に何をやりたいのかはまだわかっておらず、アマチュア騎手やパイロット、馬の空輸会社への就職と、さまざまな道を模索している。
私には、主人公が逆の意味で“伯爵”のレッテルにこだわり、必要以上に肩ひじを張っているように思える。だが、自分の希望や能力とは関係なく、生まれながらに何らかの宿命が定められていたら、それを気にしないのは無理だろう。普通の庶民に生まれて良かった、とつくづく思う。
主人公の人生の悩みが大半を占めるため、ミステリーとしての本筋はテンポが遅く、なかなか本題に入らない感がある。だが、サスペンスがじわじわと盛り上がる中後半の展開は、地味だが悪くない。