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クジラが見る夢
1994年の春、池澤夏樹はジャック・マイヨールと共に西インド諸島のいくつもの島を転々としながら暮らした。小さな静かな島でジャックの友人たちと話し、島影一つ見えない海でクジ...
クジラが見る夢
クジラが見る夢 (新潮文庫)
商品説明
1994年の春、池澤夏樹はジャック・マイヨールと共に西インド諸島のいくつもの島を転々としながら暮らした。小さな静かな島でジャックの友人たちと話し、島影一つ見えない海でクジラが来るのを待った。ジャック・マイヨールの思想を理解するには一緒に海にいくしかない。彼が泳ぐ水に入り、彼を取り巻くイルカたちにまぎれて泳ぐ。クジラと同じ気持ちでクジラに近づく。彼がいかにして105メートルの深みに至ったか、おぼろげにわかった。海そのものは人の理解を超えるが、人にとっての海の意味は理解できる。浪に乗って遊ぶイルカの喜びを想像し、月光の海に眠るクジラの夢を思い描くこともできる。これはそういう幸福な日々の記録である。
目次
- まえがき
- Photo Album 1 Bimini and Stripe
- 第一章 バハマ沖
- Photo Album 2 to the depth
- 第二章 サウス・ケイコス
- Photo Album 3 in South Caicos
- 第三章 シルバー・バンク
- Photo Album 4 on the boat
- Photo Album 5 with the whales
- あとがき
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2002/01/12 04:33
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投稿者:あこたん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ページを繰れば、読んでいる者さえもが深く深く海の奥底に潜り、そして本書で語られるジャック=マイヨールの思想に触れられるかのような感覚を覚えます。
人にとって、クジラとは? イルカに、そしてクジラと会うために、彼と共に日々を過ごした作家、池澤夏樹が、その人生の多くを海に潜る事に費やした、ジャック=マイヨールのクジラへの思いを綴り、細やかな観察で彼の人となりを、浮き彫りにしています。
文庫本には珍しく、多めに取られた余白、そして大きな文字はまるでジャックと過ごした日々の、ゆったりとした贅沢な時間を表すかのようです。そして、挿し込まれた数々のブルーの写真は、この旅を流れる潮の香りと、海への憧れに満ちた空気を伝えてくれます。