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既視感しかない
2022/05/28 09:37
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投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んでとにかく驚くのが、戦後の歴史のが、まるで大正、昭和前期の歴史をなぞっているように感じられるところ。一読の価値あり。
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近頃雰囲気がなんだか戦前くさいぞ、と思って読んでみたけれど。やっぱり今と共通点多いなぁ。
少なくとも大震災って日本においては変化のきっかけになったりすることが歴史上多いんだよなー。さてさて。
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政府あげて女性の和装を改革した、というのは驚きでした。
モダンガールたちの派手なファッション、大学は出たけど就職先がまったく見つからない学生たち、汚職だらけの政治・・・日本って、実はあんまり変わってないのかな。
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今の時代が戦前と似ているということは戦後の繁栄は戦前昭和の人たちが描いた社会だからなのだろうか?この閉塞感を打ち破るのは何なんだろうか?
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戦前昭和の社会論。
読んでいて歴史は繋がっているというのを実感する。
戦前昭和に生きた人たちの歴史が皮膚感覚で伝わってきます。
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結局、戦前でも日本はアメリカに憧れていたのだ。
そして女性が大きく社会に進出してきたのだ。
モダンガールとかカフェーとか言っても書くさ社会が激しかったのだ。カフェーで働く女性なんて貧しくてチップを貰ってい生きていた。日本がまだまだ貧しいけど近代化への一歩を踏み出していく時代だったのだろう。
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漠然と知っていると思っていた近現代のイメージがかなり修正される良書。祖母や父親から聞いていた時代を生きていた人の実感を思い出した。
今の日本と戦前の日本が似ているとはよく言われるが、「アメリカ化」「格差社会の進行」「大衆民主主義=カリスマ待望」の3つの切り口から、豊富な資料を基に鮮やかに描き出している。まさに目から鱗であった。
「1941年の太平洋戦争の直前まで、世論はむしろ親アメリカであり、アメリカへのあこがれが文化のかなりの部分を占めていた。例えばドイツにならってジャズを規制しようとした当局も結局は新しい音楽は国民にとって有益で有り、規制をするにはあたらないと結論づけていた」
「農村の疲弊、大学生の就職難など格差の顕著な進行につれ、人々はカリスマ指導者を求め、近衛文麿の人気はまさに国民的であった」などなど
38年頃までは、大多数の人々は戦争など全く無関心に生活していた。
しかし39年から短期間に日本は軍国主義国家に変貌し、「鬼畜米英」をスローガンに太平洋戦争に突き進む。これも国民性のなせる技か。
次があってはならない。
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アメリカ化,格差社会,大衆民主主義をキーワードに,昭和はじめの20年の日常を垣間見る。先日90になった祖母,今年92の祖父は,まさにこの時代に育った,と思うと感慨深い。
戦前にも大衆消費社会があって,デパートが繁盛し,同潤会アパートができ,映画が娯楽として定着し,電灯や扇風機といった家電が売れた。しかし格差は厳然と存在し,昭和恐慌,金融恐慌を経て農村・労働者は疲弊した。
革命による格差是正の夢も弾圧によって潰え,マルクス思想から「エロ・グロ・ナンセンス」へ,世相は退廃へと転換する。現世利益を謳う新興宗教「ひとのみち教団」も弾圧される。
そこへラジオとともに颯爽と現れたのが近衛文麿。彼のカリスマに大衆は熱狂し,いつの間にか日本は敗戦への道をひた走っていた。激動の20年。祖父母たちは若くしてこんな時代を生き抜いてきたのだなぁ。
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日本の戦前について、さらりと俯瞰するにはこの本を読むのが良いでしょう。新書なので短時間で読めます。特に社会的・文化的な日本の状況を多く書いています。詳細はブログにて…
http://pinvill.cocolog-nifty.com/daybooks/2012/06/1926-1945-8024.html
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戦前の昭和時代(1926-1945)が語られています.政治家や軍人の視点ではなく,一国民の視点で語られています.これを読む限り,経済不況やそれに伴う格差拡大が,ある種の大衆民主主義等につながっているようですが,現在の日本社会で議論されている内容と極めて共通点が多いように思います.
それでも,何故,どのように日本があの大戦に巻き込まれていったのか・・・?読み終えてなお疑問が残ります.私の感想では,この当時の日本人もやはり我々と全く同じ血が流れているのです.これを読む限りでは,戦前の日本においてもアメリカに対する羨望が強かったようで,突如としてナチスドイツを信奉するようになった理由がよく分かりません.
ただし,全編通じて読み応えあります.
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本書は、「戦前昭和の社会をよみがえらせる」ことを目指したとのことであるが、残念ながら成功しているとは思えなかった。
「大衆消費社会」「格差社会」「格差是正」等を取り上げて紹介しているが、読んでも風景や情景がうかんでこない。時代の切り口が適切ではないのではないか。
それぞれの「戦前昭和」の点描を紹介しても、やはり現在につながる視点と考察がなければ、単なる当時のニュースでしかない。それでは、興味を引くわけがない。
本書は、「既に過ぎ去った時代を描くには単なる点描ではダメ」、との視点を教えてくれることのみが評価できる、残念な本であると感じた。
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戦前昭和の社会を「アメリカ化」「格差是正」「大衆民主主義」というトピックに注目して解説した本。
論点はいろいろと多いものの、個人的に勉強になったのは、世界恐慌・昭和恐慌・大学の大衆化を背景に、当時の新中間層である大卒者(男性)が「就職難」に直面していた、という解説である。新卒者の就職率はおよそ5割。公務員も同様で、試験合格者のうち採用された者はおよそ1割程度。
また、1927〜1930年度に行なわれた東京府の調査報告書によると、学部別の平均就職率のベスト3は①医学部(97.87%)、②工学部(93.14%)、③文学部英文科(86.84%)となっており、英語が就職の武器であったと筆者は説明する。
「大学生はもはや明治・大正期におけるようなエリートではなくなっていた」(86頁)
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国民の多数がファシズムに傾倒していくようになるのに、数年しかかからなかったというのが驚き。それまでは多様性のある豊かな社会だった。大きくあった格差を、東条政権が埋めた、というところにダイナミックな動きを感じる。
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・都会の工場に通う子女に憧れる農村の子女。女工哀史は?
・戦前の農村は共働きが普通。
・ヒトラーのナチスを批判する労働組合、そしてそれを容認する官憲
・新興宗教が大流行。労働組合員数40万人に対して、ひとのみち教は信者80万人。
・戦時体制化で進む格差是正(=下方平準化)
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昭和初期にもアメリカ化、消費社会化が進んでいたとは。いままでの常識を裏切られる内容にひきつけられた。だからこその鬼畜米英なのですね。だからこその贅沢は敵だなのですね。
妙に納得しました。
この本にて、本年、100冊達成!