美は乱調にあり
大正期最大のアナーキストにして、危うい魅力を放ち幾多の女性と浮名を流した大杉栄。彼の妻となり、共に甘粕事件で虐殺された「青鞜」最後の編集者伊藤野枝。女性の自立を志し、大い...
美は乱調にあり

美は乱調にあり
商品説明
大正期最大のアナーキストにして、危うい魅力を放ち幾多の女性と浮名を流した大杉栄。彼の妻となり、共に甘粕事件で虐殺された「青鞜」最後の編集者伊藤野枝。女性の自立を志し、大いなる愛と情熱を胸に時代を駆け抜けた野枝と「青鞜」の女たちに刺激を受けて「『東京ラブストーリー』の赤名リカのキャラクターを考えた」と言う柴門ふみさんが、瀬戸内寂聴さんの原作を漫画化。大胆で情熱的で野性的な女たちが、時を超えていきいきと描かれます。
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漫画から文学へ、さらには歴史へ
2020/04/17 08:07
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この漫画の作者柴門ふみさんといえば、「東京ラブストーリー」とか「あすなろ白書」とか1990年代のトレンディドラマの原作者として有名である。
柴門さんの漫画のタッチは少女漫画の華麗さとは一線を画しているが、描く女性たちが等身大ということもあるのだろうか、女性のファンが多いと聞く。
そんな柴門さんの作品群からいっても、この作品はかなり異質だろう。
なんといっても、瀬戸内寂聴さんがまだ出家する前の晴美という名前であった1966年に発表されたもので、この作品をもって思想家大杉栄と共に関東大震災の際に虐殺される伊藤野枝という女性を広く知らしめたといわれている。
その有名な原作の漫画化を実現したのは、瀬戸内さん柴門さんともに徳島出身ということもあったのかもしれない。
雑誌「オール讀物」で平成25年4月号から翌年1月号まで連載された。
大杉栄にしろ平塚らいてうにしろいずれも明治から大正時代にかけての歴史上の人物で、大杉が妻のある身でありながら「フリーラブ」などと称して伊藤野枝や神近市子といった複数の女性と関係を持っていくのは、あの時代にあって狂気としてしか思えない。
写真で見る大杉栄は確かに今でいうイケメンだし、柴門さんもそんな風に描いている。だからといって、大杉の生き方が全面的に肯定されるものでもないように思う。
名作と呼ばれる作品を漫画化することの難しさをあったと思う。
しかも、歴史上の事実とはいえ題材は過激である。
柴門さんの漫画だから、そこを入り口にして歴史の森に入ってみるものいいかもしれない。